青年の旗 1977年7月15日 改題5号

【主張】 参院選の結果と労働者階級


 自民党現状維持、社共両党敗北-参院選は、現在の政治状況をあらためて確認した。
 「政局安定こそ最大の争点」という福田自民党政権の選挙戦略は、与野党逆転を目前にした政府・独占資本・保守反動の必死のまきかえしにまって、かろうじて過半数の議席を確保することに成功した。
 しかしながら自民党の長期低落傾向は今回においてもても不変であり、単に議席数における与野党伯仲という事態の進展ばかりではなく、得票率においても前回参院選から大きく後退していること(全国区前回44.3%、今回35.8%) は注目されなければならない。
 自民党は、「これを転機にUターンにもっていく」(大平幹事長)とし、「自らの手で解散」(6.27福田)「総選挙で圧倒的な体制」という基本方針のもとに、解散−総選挙の時期をうかがい、再び自民党絶対多数を獲得すべく、野党への脅しと分断路線の主導権を握ろうととしている。
 財界、独占資本は「予想以上の善戦」であり、「国民の良識が示された」(土光・経団連会長)と評価し、さらに「満足すべきものではないが、自由主義体制への信頼が回復された、野党の出来の悪いのに助けられた」(日向・関経連会長)「公約はバラバラ、政策の実績がない」(安居・東レ会長)「反自民の票があちこちに散った」(石川・鹿島建設社長)と、野党のふがいなさをあけすけに語り、福田自民党に対し「自信を持って思い切った政策を進めてほしい」(佐々木・経済同友会幹事)と進言している。

2
 社共両党の惨敗は、昨年末衆院選より一層明白に両党の弱点をさらけ出した。
 それは、民族主義と議会主義、セクト主義の堕落ぶりが、何よりも労働者階級を先頭とする広範な大衆運動とますますかけ離れ、自民党を孤立させ、独占資本を包囲する統一戦線にすペての反自民・反独占勢力を結集させる努力が全く真剣に取り組まれてこなかったことに象徴的である。
 社共両党、とりわけ共産党は、参院選という重大な政治決戦を目前に控えながら、福田自民党の反ソ大合唱の指揮棒の下に、対ソ交渉での全面的バックアップを誓い、最もかん高い民族主義の声をはりあげ、福田政権への「協調と連帯」の忠勤ぶりを示してきた。このことは、平和共存・緊張緩和外交への転換という保守革新の対決のかなめを葬り去り、その他の参院選における政策的対決点をさえぼかしてしまい「保革逆転」のかけ声をまったく空虚なものとさせてしまったのである。そのツケが今回の結果に示された。
 社共両党が議席数、得票率においても都市部で敗退を重ね、また同時に行なわれた東京都議選において共産党が半数にまで激減した事態は深刻である。
 経済恐慌、不況宣言の下で、総評系単産が軒並み、企業別組合への埋没に終始している時、鉄鋼、自動車造船重機等の大産業別組織形態によるIMF・JC路線が職場を支配し、右翼的経営参加、社会契約路線の上に、民社党が労使一体選挙を繰り広げて議席を伸ばしてきていることに警戒しなければならない。
 マスコミ・ジャーナリズムがあげて無党派層、市民層、中間層をもちあげ、労働組合を既成政党と同列に論じ、野党に対し「責任政党としての自覚」や「現実主義的政策」の名の下に市民主義、議会主義を鼓舞してきたが、選挙の結果は、労働者階級抜きの市民社会主義=社市連や革自連には展望のないことを明らかにした。社共の敗北は、日共・宮本委員長がいくら「党の路線の誤りや行き詰まりではない」と強弁し「真の愛国者である白本共産党をソ連共産党と同一であるかのようにみなすデマ宣伝」のためである(7月12日見解)と詭弁をろうしても、まさに労働者階級抜きの民族主義と議会主義、、セクト主義路線の結末である。
 反独占革新勢力の前進は、大衆的労働運動の強力な展開と統一の闘いに、労働者階級が実際に参加する反独占統一戦線の成否にこそかかっている。

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