青年の旗 1977年8月15日 改題6号

【主張】 原水禁大会と今後の課題

 被爆三十二周年原水爆禁止大会は、統一世界大会にも原水禁独自大会にも一方人を超す参加者がつめかけるなど、例年になく熱気あふれる盛り上がりを見せ、原水禁運動の新しい出発を感じさせた。大会の成功は日共(代々木)のセクト的意図を超えてて、核兵器廃絶、平和と統一へ寄せる国民の期待の強さを物語っている。
 ただ統一は出発したにすぎない。統一実行委でも国際会議でも重要課題について論争が行なわれ、意志の一致を見ていないことが多く残されている。日共(代々木)が主張するように棚上げしていたのでは、運動は進まないし、統一も口先きだけの物になる。従って問題は、この統一の気運を実効力のある闘いの統一へ発展させるべく、課題を明確にして共同行動を積み重ねることにある。統一は、むしろ今後の闘いにかかっている。
 それでは、統一世界大会が残し、今後明確にすべき課題は何か。その第一は、核軍縮の課題を鮮明にすることだ。行動決議やアピールには、一般的に「全面的に核兵器を禁止する国際条約の締結」と述べられているにすぎない。七八年国連軍締特別総会に、全面核実験停止条約、核兵器先制不行使条約など具体的に提起されている時、これでは実効力を伴なわない。単なる核兵器廃絶の訴えに終わる。この背景には、部分核停以降の核軍縮の諸措置に対する評価が絡んでいる。ソ連・世評の代表は、総合完全軍縮の目標に向けての一歩前進としているのに対し、原水協や米英の代表は今なお逆に核軍拡競争が速度を速めていることを強調し、中にはブース・国際平和ビユーロー議長のように「部分措置は幻想しか生まなかった」という暴論まで飛び出した。この議論は、日本では部分核停以降の原水禁運動分裂の起点であり、国際平和運動との連帯の指標でもあった。部分核停や核防条約が核軍拡を完全に阻止しえていないことは誰もが承知していることだが、だからといって、帝国主義者の手足をしばり、核軍拡への無制限な自由な策動を困難にしそのテンポを遅らせていることを無視するなら、核兵器廃絶は永遠の彼方に遠のいていくことだろう。
 第二は、いわゆる「いかなる国」問題である。七日二六日に行なわれたと報道されたソ連の核実験をめぐって被団協・原水禁が計画している座り込みに参加するかどうかをめぐって論争が行なわれた。結局、新村猛実行委代表・佐久間原水協理事長と外国代表20人が参加したが、日共(代々木)は「『いかなる国』問題の再もちこみをはかるという動きがあり「統一の立場に反する動き」(八・五赤旗)だと批判し、旧来の態度を変えていないことを表明した。ただ原水協の中には「ソ連の核軍拡もやむを得ない範囲を超えはじめている」という反ソの観点からソ連の核実験に反対する立場を表明するものもあり、ソ連の一貫した核軍縮への努力、米などの拒否という事実を看過していることとを併せ見る時、反ソ民族主義への偏向の危険を強く感じさせる。従って、原水禁側も、改めて何故「いかなる国の核実験に反対するのか」を問い直し、核軍縮への課題は何かを明らかにし、ソ連の核実験抗議のみを統一の試金石にする姿勢は再考されねばならないだろう。

 統一世界大会は、右のような対立と問題点を含みつつも、国連軍縮特別総会へむけての国際署名運動などの諸共同行動の決議を採択している。従ってわれわれはそこを基礎に行動の統一へ発展させていかねばならない。原水禁側は独自大会を成功させた力で、行動の統一を原水協に押しつけ、正しい統一へのイニシアを発揮せねばならない。ここでの消極論やニヒリズムは結局の祈、日共(代々木)のセクト的企みに加担することになるだろう。

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