青年の旗 1979年1月1日 第23号

【主張】 ”三国同盟“の危険な幕開け

<平和に敵対する同盟>
 一九七九年は、米中両国の国交樹立をもって幕を開けた。一月二九日には、ケ小平を団長とする中国政府代表団がワシントンを訪問し、三月には、大使交換が行なわれる。アメリカは、米台相互防衛条約を廃棄するとともに、四か月以内に在台米軍の撤退を行うという。
 ここに、昨年五月のプレジンスキー米大統領補佐宮の訪中と反ソ大合唱以来、急速に進展してきた米中反ソ同盟は、一つの結実をみた。カーターは、共同コミュニケ発表に当って「両国は、ソ連あるいは他のいずれかの国に損失を与えるために新しい相互関係を利用しようとの意図をまったくもっていない」と声明したが、華国鋒は、コミュニケ本文中の”アジア・太平洋地域における覇権に反対する”という項目は、ソ連とベトナムの”覇権主義”に対するものであることをあからさまにした。
 米中団交回復に当っての最大の難問であった台湾問題は、こうして反ソ統一戦線の利益の上に埋没してしまったっ アメリカにとっては、米中国交正常化後も、台湾の米大使館の全機能は米通商代表部の設置によって遂行され、米台貿易と兵力50万に及ぶ台湾軍への軍事援助は続行され、台湾の全現状は維持されるのであり、中国はそのことを承認したのである。
 そして中国にとっては、台湾をソ連、べトナムに対する″反覇権の行動調整”、共同行動をめざしうる足場にすることにあった。それは、日本、韓国における米軍の強力な存在を何度となく公式非公式に肯定してきた同じ立場である。さらに重要なことは、台湾には、米国独占体、多国籍企業の中国への進出、導入の足場としての役割が与えられつつあることである。

<真価問われる民主勢力>
 昨年の“反覇権”日中条約の締結、そして米中国交正常化によって日本は、いよいよ米中日反ソ三国同盟の当事国となったのである。この三国同盟の本質は、アジア・太平洋地域における平和と緊張紹和、軍縮、民族解放と社会主義に敵対する、いわば集団覇権主義にある。日本は、自らの軍事力、自衛隊の増強、日米軍事同盟の強化を通じて、また中国の軍の増強、近代化政策に直接間接、大規模に加担することによって、世界とアジアにおける平和と軍縮の敵対者、冷戦と反動の共犯者となっているのである。
 あらためて指摘するまでもなく、中国は核実騒停止条約や核拡散防止条約など、平和と軍縮のための国際条約や協定のどれ一つにも一切加わらず、緊張緩和のための良心的で現実的な提案すへてを口ぎたなくののしり、毛批判の進行の中においてさえ第三次世界大戦は不可避だなどと危瞼で馬鹿げた反ソ言辞を大まじめにふりまわし、帝国主義諸国、ファシスト諸国との恥知らずな同盟に全力を投入し、ついには最も犯罪的な、べトナム人民への敵対行動にまでエスカレートさせて、世界の冷戦反動勢力を喜ばせている国である。
 そして日本政府は、中国、米国と共に、昨年の第33回国連総会においては、「核兵器を保有していない国の領土に核兵器を配備しない」というソ連の提案に反対票を投じ、「核軍拡停止と核兵器のストックなどその運搬手段の段階的均衡的縮少に関する交渉の早期開始」の非同盟諸国決議案を支持せず、武力不行使世界条約締結についてのソ連提案をも支持しなかった唯一の被爆国政府である。
 日中条約締結への消極的賛成の日本共産党まで含めて、日本の反自民野民勢力はすべて、反ソ北方領土要求においては中国の支援を背にその反ソ民族主義の覇を競い合っている。一九七九年、日米中の平和と緊張緩和に敵対する危険な同盟の出現に対し、日本の民主勢力の真価が問われている。一九七九年を、意義ある大転換の年とするために闘おう。

トップ アイコン 【青年の旗索引簿】へ戻る
直線上に配置