青年の旗 1979年5月1日 第27号

【主張】 統一地方選と反独占勢力の課題

<革新の敗北と自民党・中道連合>
 四月八日に行われた統一地方自治体選挙は、自民党中道連合の勝利に終った。十五の都道府県で展開された首長選挙では、”反自民”を基調とした革新知事の誕生は一つもなく、逆に革新側の苦い敗北が相次いだ。とりわけ、首都東京において十二年間にわたる革新都政をあけ渡したことは、もっとも重要な出来ごとであり、労働者階級と全ての反独占民主勢力にとって大きな痛手であった。
 これらの結果は、今後の地方政治の展開に変化をもたらすばかりでなく、中央政局の動向にも重大な影響を及ぼしかねない。すでに国会解散−総選挙の時期が一層早められ、この秋にも行われることは必至の情勢となってきている。
 今回の統一地方選挙を通して大きく浮びあがってきたのが、自民党・中道連合路線という一つの流れであろう。最近の国会運営をとってみても、予算案の審議、元号法制化・防衛問題など自民党と中道政党の歩み寄りが際立ったが、地方選挙での「自・公・民型候補」の激増は、その過程を一層推し進めた。
 こうした連合路線は、現在と将来の日本の政治を決定的に左右する流れであるかのように語られている。しかし、それは自民党が単独で政権を維持することの困難さをより明確に示したものにすぎない。民社・公明などの中道政党が自民党との対決を回避することによって政権にありつこうとするならば、より右寄りの路線を選択せざるを得ず、それは彼らの基盤をせばめこそすれ決して広げることにはならない。だが重要なことは、左からの大衆的な圧力を抜きにしては、この保守延命策に決定的な打撃を与えることはできないということである。

<問われる革新自治体の任務>
 統一地方選、とりわけ首長選挙での革新陣営の後退は、地方自治のあり方に大きな課題を投げかけた。
 今回の選挙は、労働者階級と勤労諸階層に多大の犠牲を押しつけた長期不況の下で闘われた。「高度成長時代」の運動高楊期に誕生し、一定の安定した財源を基盤に数多くの民主的成果を生みだしてきた革新自治体は、今その真価を問われていたといえよう。
 長期不況の荒波は地方自治体をも襲い、保守と革新とを問わず深刻な打撃を与えた。地方税の著しい減収は、三割自治とも一割自治ともいわれる構造の中で地方財政の危機を招いたが、それはまた、中央からの財源の役割を引きあげ政府の介入を容易なものとした。福祉の先取りと住民要求の実現に力をいれた革新自治体は、政府自民党の攻撃の的となっている。
 こうした状況の中で、革新陣営は広範な大衆闘争を基礎とした政策的対決を十分になしえず、そのために保守の攻撃を許してしまったと言える。事実、革新自治体においても、住民要求の切り捨てや自治体労働者の賃金・労働条件の合理化が進行している。これらは多くの大衆に革新自治体の″魅力″を失わせ、中央直結であっても公共事業などを引き出しうる保守派に不況克服と生活改善の「より現実的な展望」を見い出させることになった。
 ここに、「地方自治に保守も革新もない」「イデオロギーよりも実務型の行政能力が求められている」といった保守派の主張がまかり通った原因がある。

<大衆闘争と統一の力で>
 統一地方選挙の結果は、反自民・反独占勢力がいまだに議会主義とセクト主義の弱点を克服されていないことを明確に示した。それは最大の大衆闘争の場である春闘と選挙闘争とを事実上切り離し、闘う労働者のエネルギーを分散させた。また、とくに共産党が犯してきたセクト主義の誤りは、社共の共闘をはじめとする反自民・反独占勢力の統一を妨げる結果を生み出してきた。
 革新勢力の内におけるこれらの弱点を克服し、自民党と独占の恣意を許さぬ強固な大衆闘争を構築するために、全力をあげて闘い抜こう。

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