青年の旗 1979年9月1日 第31号

【主張】 露骨な大平の収奪政策、反自民統一を固めよう!

<最大の争点--”一般消費税”-->
 統一地方選挙での保守圧勝、東京サミットの開催の後を受けて、大平首相は「財政再建の為に」「体制を刷新すべきだという考え方も理解できる」(7月7日)と述べ、一般消費税の強行、航空機疑惑追求の回避の為に、国会での安定過半数二七一議席確保を目指して、臨時国会−解散−総選挙に踏み切ろうとしている。
 度重なる大平首相の強気の増税発言にも拘らず、総選挙を前に増税を政府方針とする事は不利との判断から、政府部内の調整がつかず、一度は年末の予算編成時迄は、増税問題はタナ上げの姿勢を打ち出した。しかし、野党、民主勢力の増税批判の前に、政府首脳は増税姿勢を回避せず「財政再建策」として総選挙の争点とする事を表明(8月23日)した。
 大平首相の指摘する通り、財政危機は、今日の国家運営にとって最重要課題の一つとなっている。国債発行残高は四三兆円、国債依存率三十数%という数値は、世界に類例を見ない。しかし、問題となるのは、ここまで膨脹した赤字財政の下で取られた施策の重点が常に独占収益の保障、独占へのくれてやり政策に向けられてきた事であり、今その負担をどの階級・階層が負うべきかという事である。

<年収二〜三百万大衆への直接攻撃>
 この意味で税収奪の問題は、財政方向と不可分であり、階級的利益を直接に反映する問題である。大平首相の増税姿勢は「年間所得二〇〇〜三〇〇万円の階層が一番(税金が)安く」「税金がほとんどかかっていない農家などに税を負担してもらう方法をとるか、それとも一般消費税で行くのか」(7月11日)という発言の中に明らかである。
 大蔵省の五三年度税収実績によれば、同年度の税収は、予算計上の税収を大きく上回り自然増収分が七六〇〇億円と報告されている。この内訳は、所得税では、給与伸び率が予算伸び率を下回った為に二三四一億円の減収であったのに対し、法人税収が六四三一億円もの増収となった。

<露骨な攻勢と最大の弱点>
 このように、独占・大企業が、伸び率で史上最高の企業収益を上げている一方、五年に渡って低額賃金を押し付けられてきた労働者階級のアンバランスに示される力関係、地方選での保守巻き返し、ここにこそ、大平首相の増税、一般消費税導入の唯一の拠り所がある。しかし、こうした大平首相の姿勢は内外の経済見通しのたたない下で、比較的安定した今の時期に財政負担を勤労階級に転化しなければ、赤字財政と景気動向の下で悪性化しかねないインフレ問題、解決の見通しがなく将来体制的危機にまで発展しかねない失業問題を抱え、労働陣営が反撃体制を立て直した下では、もはや強行できないという危機感の反映でもある。重要なことの一つは、露骨な反動的姿勢をとる大平政権の最大の弱点が、政府・自民党内、財界の合意すら得られずに独走する強きの姿勢の中に存在することである。
 政府部内においては、河本政調会長が、自民党内においては、対立派閥の三木、中曽根各派「財政再建対策議員懇請会」が、財界においても、経凶連、日商が公然と増税、一般消費税導入に反対している。又、統一地方選では、積極的な争点をほとんど作り出せなかった野党も、選挙協力では問題を残し乍らも反増税、反一般消費税を最大の争点とすることでは完全に一致している。

<反自民・反収奪の統一を!>
 公明、民社の保守化とあいまって野党が、独占資本の収奪を回避した他の”財源探し”や負担増やむなし論に流されるならば、大平の野党をなめきった態度、方針の思うつぼである。逆に、この一般消費税導入阻止を共同闘争統一闘争のかなめとして、労働戦線統一、反自民、反独占の統一への強力な前進を進めるならば、情勢の重大な転換を作り出しうる。一般消費税導入の「前提」とされていた不公平税制の是正を回避し、行政改革を若干の経費節減と五年間に三万五〇〇〇人の公務員削減にすり替え、増税とインフレの二重の収奪によって、財政危機の一切を勤労階級に押し付けようとする大平政権の見通しは、国民の激しい審判に会わずにはおれない。
 反自民、反収奪の統一を固めよう。

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