青年の旗 1980年8月1日 第42号

【主張】 第61回総評大会と日本労働運動

(1) 八〇年で結成三〇周年を迎える総評は、去る七月二一日から四日間第六一回定期大会を開催した。七五年以降の連敗春闘と、総評労働運動の原動力であった公労協に主要な打撃をすえた政府独占資本の攻勢の中で、いかに春闘を再構築し、日本労働運動の階級的再生を計るかが問われてきている。
 ここ数年来、日本資本主義の危機の深まりとともに政府独占資本の系統的な労働運動への攻撃が存在する。JCをはじめとする民間大単産まる抱えにはじまり、官公労働者に対する処分のドーカツを含む労資協調への揺さぶり、そして今日、戦闘的拠点として存在している中小の争議組合に対して攻撃の矛先を強め早期収束を計り、闘い全体をつぶしにかかっている。この動きは、一連の政治反動、軍国主義強化の道と軌を一にしている。
 かかる中、八〇年代再建の方針をどう闘いとるかが今総評大会に課せられていたのである。

(2) 今大会で提起された運動方針の基調は、(1)「連合時代」に対応した「開かれた総評」づくり、(2)壮大な労働戦線の統一の達成、(3)「国民春闘路線」の発展、「国民生活改善」の一大国民運動構築に向け、地域闘争の重視等に集約される。大会全体を通じて、運動方針案そのものをめぐる論議が大きく欠いている点を見ても総評の現状を物語るものだ。しかし、労働者生活悪化の現状と運動低迷との矛盾は春闘要求決定方式に対する批判や、一連の幹部請負主義に対する疑念として多くの代議員から示され、総評労働運動の一方での底流として存在している。
 運動方針は、@政治戦線としての「連合論」、Aそれをささえる「労戦統一」、そのための統一要求の設定、B国民春闘再生に向けての地域闘争、として、結びつけて見ることが出来る。ここに於て見られる事は、後退に後退を重ねた春闘と運動の再生の方向を、議会主議・政治主義の枠組みの中での政労交渉にすえている事である。そして、具体的運動、国民春闘的課題の解決を地域住民との連帯でおぎなおうというものである。その実は、労働者階級を中核とした職場・生産点での闘いを放棄した政労交渉・市民主義への埋没の危険である。
 かかる方針が五五回総評大会での「反独占」から「反自民」への転換、「連合時代」への期待に見られる政治技術主義と議会主義。「開かれた労働組合」論に見られる市民主義と議会主義への危険性が指摘された当時からひきつづくものであり、八〇春闘、両院選挙の惨敗によってもその破産を宣告されている。わが国労働運動の積年の病弊である企業内労働組合という体質を変革する課題に結びつかない安易な「連合」の期待や階級的な産別組合への移行に向けての明確な展望とその具体的方途の欠落によっては、「実質賃金すら維持できない」労働運動の再建はできない。
 一方「統一労組懇」に対する論議が大会の焦点の一つでもあった。「統一労組懇」が都教組を実質上の分裂に導いている等の赤色組合主義的あやまりは新ためて述べるまでもないが、かかる状況が総評の最近の姿勢と無縁でない。今大会では「統一労組懇」が総評を割って出ない事の表明がなされている(「赤旗」報道はその部分カット)。代々木派内部に於る矛盾を物語っている。いずれにせよ、労働運動の階級的再建は、労働運動自らの力で闘いとる以外にない事。議会主義・政治主義にその展望はない。

(3) 大会全体を通じて、総評幹部と各単産代議員のギャップが示される。それは、下部組合員の不満の表出でもある。また、総評三〇年のまともな総括すら提出されない事の中に「富塚路線」の確信のなさを自己表明するものである。まさに、総評労働運動、わが国労働運動の進むべき道が求められていたといってよい。
 求められている事は第一に労働者階級の要求を原点にすえた闘う方針の確立であり、諸要求ら列でなく反独占の具体的環の設定である。当面、増税への反撃だ。これは反軍国主義の闘いでもある。第二に職場・生産点からの運動の建て直しと、産別・地域闘争。労働運動の原点は賃金闘争であり、それを柱にすえた再建。第三に労働諸条件の横断的水準規制、その下に階級的統一基礎の確立。階級的産別組合への移行。ベースアップ闘争から最賃と個別要求重視という賃金闘争方針の転換と産別闘争の統一が急務である。
 青年労働者のエネルギーは、かかる運動再建の中に正しく結集されなくてはならない。

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