青年の旗 1981年2月1日 第48号

【主張】 統一ゼネストで八一春闘勝利を

<″経済整合性”春闘の破綻>
 八一春闘は、政府統計(労働省)はじまって以来初めて実質賃金が年間を通じてマイナスになるという異常事態の中で迎えることとなった。
 八〇春闘で八%の要求を掲げながら、六・七%程度の賃上げ率に終ったことが、実質賃金のダウンを招いた最大の要因である。その背景には、できもしないことが当初から明白な政府発表の八〇年度消費物価上昇率の見込み六・四%を頭から信じこみ、″経済整合性″に則った要求、妥結基準を決めて八〇春闘を″指導″した組合幹部の姿勢が存在する。
 オイルショック以降の不況下春闘の下で、日本型所得政策の貫徹を許してきた労働陣営は、民間大手単産を中心に賃金自粛論、”経済整合性論″が幅をきかし、ついに昨年度は、実質賃金のダウンを招くような”管理相場”に自から手を貸すこととなった。
 一方、資本の側は、この間、徹底した減量合理化経営と賃金抑制の結果、史上最大の利益を更新し、ポロ儲けをしていたのである。
 インフレ防止のための賃金抑制という″経済整合性″論が誰のためのものであったか今や明白である。破綻した″自制春闘〃を克服し、鉄鋼回答を軸にした″管理春闘″を打ち破ることができるかどうかが、八一春闘の勝敗の帰趨を握っていることを銘記しなければならない。

< 低すぎる十%の統一要求規準>
 実質貨金の目減りが続き、八〇春闘への労働者の批判が強まる中で、労働四団体がはじめて統一して十%の要求規準を決めた。総評が昨年10月に実施した百万余人の賃上げ要求アンケートで三万円以上が六六・五%を占めたことからも判るように、十%・二万円程度の賃上げでは、今日の生活実態を反映したものとはいえず、低すぎる要求というそしりを免れない。
 七%の物価上昇分と三%の生活向上分というのが、十%の要求の根拠とされているが、これで実質賃金の維持向上が達成できるかどうかは全く疑問である。八一年度予算での大増税、大衆収奪が強行されれば、所得税と社会保険料の負担増だけで、平均世帯で六千円程度となり、二万円の賃上げが手取りでは一万四千円弱になってしまう。これは八一年度の消費者物価上昇率分六・四%(大和証券見通し)の負担分とほば匹敵する数字であり、十%・二万円を満額とっても実質賃金の維持が精いっぱいということになる。
 それだけに、十%の統一要求は、絶対に満額獲得すべき最低規準として設定されねばならない。これから、要求を決める単産、単組では、実質賃金Y向上をはかれるよう十%以上の要求を追求するのは当然である。

<賃金闘争を基本に物価・減税闘争との結合を!>
 八一春闘では、例年にもまして政府・独占との対決が不可避である。とくに、八一年度予算案は、露骨な大衆収奪、軍国主義化予算であるだけに、物価・減税を中心とした制度・政策闘争の強化が強く求められている。
 労働四団体が不充分ながらも共闘を組んだのも、自民党圧勝以降の彼我の力関係の不利な情勢の下で、これちの課題にとりくむ上で重要な意義を持っている。
 しかし、過去の国民春闘路線も示してきたように制度・政策闘争はともすればかけ声だけで、賃金闘争のの困難さから目をそらす口実にさえ使われてきたという事実に改めて留意しなければならない。
 春闘では賃金闘争が基本である。仮に増税予算が通っても、春闘でその分も含めて必らずとるんだという決意こそ重要である。労働四団体が十%要求死守のため統一ゼネスト態勢を組む力量をつけることが、減税・物価闘争を実効あるものにするための前提である。
 共産党系の統一労組懇のように、十%要求批判の対案が実際は政治闘争の強化と革新統一戦線であるような政治主義的立場では、今日の労働四団体の”経済整合性″春闘を決して克服できないことを改めて指摘しておかねばならない。
 今日、わが国の労働運動でで最も大切なことは、企業内組合から産別組合への移行を展望した、産別の統一賃金闘争の強化である。各単産ともべ・ア闘争からポイント賃金闘争への方向を示し、標準労働者の賃金水準を要求している。これを産別最賃、年令・職種別ポイント賃金要求と結びつけ産別の賃金水準の標準化をはかることが、産別労組への移行を保障する物質的基礎である。労線統一運動もこのことの促進に役立たなければ、本来の効果を発揮できないであろう。
 政府・独占資本の反動的姿勢からみて、いかに労働四団体がまとまっても、単なる″お願い的交渉”路線では実質賃金の維持さえできない敗北春闘に終わることが必至である。我々は、統一ゼネスト態勢の確立こそが春闘勝利に導く鍵であることを銘記し、81春闘勝利に向けて奮闘しなければならない。

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