青年の旗 1981年3月1日 第49号

【主張】 反ソ民族主義・軍国主義化に反対

 「北方領土の日」と「建国記念日」---二月初旬に相前後して設定された二つの記念日は、まさしく民族主義・国家意識「昂揚」の記念すべき(革新勢力にとっては背筋に寒気の走る)日々であった。そして、それらは相つぐ改憲・軍事費増強発言や武器輸出・制服組の台頭など一連の軍国主義化の策動と表裏一体のものとして位置づけられているのである。

<記念集会に社共も参加>
 二月七日の「北方領土の日」には、全国各地で、超党派の「北方領土返還要求」の集会がもたれた。とりわけ、東京での全国集会には、総理府が主催者の一員として加わり、鈴木首相、両院議長など政府自民党首脳はもとより民社・公明・新自ク・社民連の委員長・代表、社会の国対委員長、共産の副委員長と野党首脳もこぞって参加し、文字通り”挙国一致”の様相を呈したのである。一方、十一日の「建国記念日」には、総評や社共の反対集会はもたれたものの、東京の記念式典には、後援として総理府の他文部省も新たに加わり、中山総務長官、中川科学技術庁長官、藤尾労相の三閣僚が出席するとともに野党側も民社・新自クの幹部が出席し、公明党も党として初めて祝電を送るなど、政府の既成事実積み重ねによる「国家行事化」策動を、簡単に許してしまっている。

<軍国主義化と表裏一体>
 鈴木内閣誕生以来、政府の反動化はいよいよ露骨になってきている。特に、「北方領土」問題への執着ぶりは、歴代内閣の中でも際立っている。昨年九月から十二月にかけて、外相の「未解決」国連演説、現地根室視察、根室地域振興の指示、首相の現地視察(歴代初)表明と立続けにエスカレートしその延長上にこの「北方領土の日」が設定されたのである。
 他方、軍国主義化の動きも今年になって一層活発なっている。靖国神社への内閣参拝に始まり「国を守る気概」論のキャンペーン、竹田統幕議長の「専守防衛」批判、徴兵制合憲論、防衛費一%批判の発言、「韓国」への武器輸出、奥野法相の次期参院選での「改憲国民投票」論、「有事」における自衛隊の即戦部隊化を立案した「防衛研究」と枚挙に暇がない。これらの事実を羅列しただけでも「北方領土の日」が単に「純粋領土問題」に限った国民運動ではなく、軍国主義化への国民世論統合の為の民族意識昂揚に利用されたものであることは一目瞭然なのである。
 ところが、野党・革新勢力は、自民党・政府のお膳立てした舞台の上に社共まで揃って乗せられているのだから、事態はかつてなく深刻であり危険である。プラウダが批判するように、「日ソ関係は戦後最低」であり、現実を無視した反ソ・ムードの刺激に一役かっている共産党(代々木)の責任は重大である。社・共が反ソ民族主義に浸され、現実の労働者・漁民の声を看過していることは、次の例でも分る。つまり、現地根室の漁民は、「一連の政府の動きがソ連を刺激し、漁船のだ捕や罰金攻勢につながるのではないか」と不安におののき、社会党根室支部は、「北方領土の日」が「反ソキャンペーンに利用されるだけ」として、記念の住民の集いには参加せず独自の集会を開いているのである。
 二・七か五・七かという議論自身がもう既に政府自民党の土俵に乗っているのである。社・共は今すぐに「北方領土の日」賛成、「建国記念日」反対という自己矛盾を克服し、反軍国主義・国際連帯の立場にしっかりと立たなければならない。

<プレジネフ平和提案の具体化を>
 このような情勢の中で、我々日本の平和・革新勢力は、ソ連共産党第二十六回大会で発表されたプレジネフ提案をしっかり受けとめ、真剣に検討しなければならない。
 プレジネフの平和六項目提案は、「世界のすべての国が戦争の脅威に直面している」と厳しい情勢認識の上に立って、米国との全面対話を呼ひかけると共にとりわけ緊張が高まっている極東地域で、日米中との間に、軍事演習の事前通告制を含む「信頼強化地域」の設定を提案している。
 我々日本の平和勢力は、レーガンの村ソ強硬軍拡路線と鈴木内閣の軍国主義強化路線に対し、このプレジネフ提案を現実の運動の中に具体化し、平和共存への闘いを早急に開始しなければならない。

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