青年の旗 1981年7月1日 第53号

【主張】 日本の軍国化を阻止しょう・81原水禁世界大会の成功を!

 六月十日〜十二日にハワイで開催された日米安保協議委員会事務レベル協議は日米安保の質的転換のレールを敷くものになりつつある。
 五日の日米首脳会談で「同盟」関係を公然と打ち出した日本帝国主義は、ライシャワーやエルズバーグの核持ち込み事実の暴露をも反核意識の払拭に利用しようとし、その上で、大村防衛庁長官の訪米による防衛首脳協議、七月オタワ・サミット時の日米首脳個別会談を経て、今秋三年ぶりに開催されることになった日米安保協議委員会やワインバーガー米国防長官来日などによって、防衛力増強と分担の問題の決着をつけようとしている。

<「極東有事」に積極-日米安保協委->
 今回開催された日米安保協議委員会事務レベル協議では、ソ連という「日米両国の共通の脅威に村し、共同で対処することを可能にするため」に、中東や朝鮮半島の緊張と「危機」を軸に「極東有事」全体の中で日米防衛協力を考えるべきだとしている。
 そして、米側は、対潜しょう戒機、早期警戒機、対潜水上艦艇など海空面を重視し、予算別枠「七・五%」では物足らず、「大綱」水準の二〜三倍を要求している。
 この要求を前に、日本政府は表向き財政事情を盾に米の増強要請を退けようとしているが、防衛庁や自民党内などから「米側要請に応じて日本自ら防衛力増強の努力をすべきだ」という強硬路線も強く出ており、一層軍団主義化への動きが強まるだろう。

<日本の軍国化へ西欧の根強い批判>
 このような一連の動きを、我々労働者階級はどのようにとらえるべきなのか。「改憲」発言から日米「同盟」、教科書改悪に至る軍国主義化の策動は、明らかにダブル選挙の自民の「大勝」を基盤にこの三年間の間にできることはすべてしておこうという極反動タカ派のおごりと焦りの反映である。
 しかし、何の矛盾もはらまず進行しているわけではない。第一に片方で行財政改革の名の下に、福祉・教育を切りすてて置きながら、軍事予算のみ別枠としていることによって、大衆の誰の目にも行革の階級的性格を浮きぼりにし批判を増大させていることである。第二に、政府内部にさえ存在する意見として実質賃金低下の上に、福祉、教育を抑制すれば、大衆の購売力が低下し、景気の冷えこみを助長するという批判が増大していることである。特に軍事予算は全く非生産的消費支出であり、インフレに直接結びつくという不安は財界内にも根強い。
 第三に、欧州諸国の対日批判の増大である。鈴木の訪欧の中で、どの国も口をそろえて日本が国際政治の中で責任を果さず、すべて自国経済にとの力を注ぎ込み輸出競争力を高め、欧州を脅していることを難じている。そして、その責任の果し方を、米国とちがって、第三世界への経済援助に向けるべきだとしていることが帝国主義間矛盾を反映している。
 西欧諸国は英、ベルギーを筆頭に大なり小なり失業、インフレに悩まされ、政権の維持さえ危ぶまれ、第二、第三のフランスになりかねないと不安を高めており、日本がレーガンに同調して、軍事力増強に走ることは、欧州のデタントが危機にさらされ、各国経済の破綻を招くのである。

<日本の軍国化阻止は国際的課題、 81原水禁世界大会の成功を>
 従って我々労働者階級は、世界の平和運動、労働運動と連帯して、鈴木内閣の軍国主義化・収奪路線に対決する闘いをどれだけ大衆的に組織し、反撃するかによって、世界の平和共存を発展させるか「新冷戦」体制を固定させるかに多大な影響を与えることになるだろう。
 国際的には、米による中性子爆弾の製造・配備や中国への武器輸出、イスラエルによるイラク原子炉爆撃など反ソ「新冷戦」外交、核戦争の脅威に対し、国際的な反対運動が起こっており、特に欧州への核兵器配備阻止の闘いの高揚の中で米国もソ連と欧州戦術核ミサイル制限交渉を再開せぎるをえない状況が生まれたことは見逃せない。
 日本における八月原水爆禁止世界大会を中心にした原水禁運動は、世界平和評議会など世界平和運動と連帯しつつ、とりわけ日本の軍国主義化を阻止する闘いを真正面にすえて闘うことが要請されているのである。

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