青年の旗 1982年10月1日 第68号

【主張】 限定核戦争」戦略を許さぬ闘いを

<米帝・イスラエルによるパレスチナ人民大量虐殺糾弾>
 西ベイルートのパレスチナ難民キャンプでの三千二百人(PLO発表)にも及ぶ大量虐殺は、米帝国主義・イスラエルシオニストの手による「国際テロル」である。直接手を汚したのはキリスト教右派民兵達であったと言うかも知れぬが、イスラエル軍による西ベイルート侵略、PLOの追い出し、そして右派民兵への煽動なしにはあり得なかったし、誰にも予想しえなかった事件である。大量虐殺が行なわれている事をベギン首相は知っていた。そしてイスラエル軍は照明弾を打ち上げ、難民キャンプを包囲し、パレスチナ人民達を閉じこめていたのだ。
 パレスチナ人民の国家創設をテロで粉砕しようとする米帝・イスラエル当局の真の姿は、彼らがどんな詭弁を弄そうとも、パレスチナ人民の大量虐殺という怖るべき事件そのものによって、諸国人民の胸に深く刻まれたのである。

<レーガンの「核ドウカツ」>
 彼らが敵とする「国際テロリスト」とは、PLOであり、キューバ・ニカラグア政権であり、そして中米エルサルバドル解放勢力である。レーガンは、これらの地域を「米国の死活的利益圏」と一方的に宣言し、軍事行動を起こす権利なるものを公言してはばからない。事実、米国は″緊急展開部隊”用の兵器をソマリア・スーダン・オーマン・エジプト・ケニアに備蓄しシナイ半島に米軍を常駐させ、アラブ・イスラエル紛争を自国の世界戦略に有利な方向に利用しようとしているのである。また、英・アルゼンチン戦争における英・米共同行動は、軍事戦略的に有利な位置ゆえ、NATO同盟の英国にマルビナス諸島を確保させようとしたものであり、中・南米、西大西洋での軍事力の飛躍的な強化を狙ったものであった。とりわけ英米共同行動は、NATOの″防衛範囲″が大西洋北東部と地中海水域に限定された地理上の枠を越えている事の証拠である。
 そして何よりも、これら全世界に展開されている米軍の最前列に核兵器を配備し、しかも「核使用の敷居を著しく低める」中性子爆弾と、それを輸送する巡航ミサイル・バーシングUの配備がいよいよ強行されようとしているのである。
 このような「限定核戦争」戦略の具体的準備が、戦争を通じ虐殺を通じて展開されていることは、この「核戦略」の性格を示している。すなわち「限定核戦争」戦略は、人類に全面核戦争を最終的に提供しようとするものであると共に、これを提供するまでは、「核ドウカツ」という侵略・抑圧の「切り符」を米帝国主義に提供しつづけるものであることが具体的事件を通じて明らかになっているのである。これは、「非核保有国への核不
便用宣言」を拒否し、「ベトナムの教訓」(米国はもはや通常兵器のみによる長い戦争は行なわない!)を云々するレーガンやその側近達の言動を待つまでもない事実なのである。

<アジアヘの巡航ミサイル配備>
 「核戦略」はアジアにおいても急ピッチで準備されている。それは、日本を中核とした「アジアNATO化」である。「リムパック」などの共同軍事演習を積み重ねながら、「極東有事研究」を進行させ、「五三中業」の前倒し達成をほぼ手中に収めているレーガンは、他のどの地域よりも「満足した」成果をこのアジアに確認しつつあるに違いない。
 先日発表された「防衛白書」は、レーガン戦略の不可欠のパートナーとしての責任感に燃え、「シーレーン確保」の為の海峡封鎖作戦などという「戦力運用」にまで踏み込み、更には「防衛産業の育成」「必要物資の備蓄」「海上輸送実施体制検討」なども掲げ出し、国内諸政策を「国防上の配慮」から見直すことを公然と要求しはじめたのである。
 少し前のことになるが、二月十九日の衆院予算委員会における桜内外相の答弁を思い起こさねばならない。外相は、米国によるアジアヘの巡航ミサイルの配備を公表した際、通常兵器による対日攻撃の場合においてさえ、米国が核兵器を使用することについての合意が日米間に存在することを明らかにしていたのである。巡航ミサイルの配備は、ソ連国内の施設を核先制攻撃しようというものであり、朝鮮人民・東南アジア人民への「核ドウカツ」を狙ったものである。
 「教科書改ぎん」に対するアジア諸国民の対日批判は、「限定核戦争」戦略に自らを組み込み、軍国主義化を急速に進めていることへの批判こそ、その真の意味があったと言わねばならないのである。

<10・21国際反戦デー、十月国連軍縮行動週間を闘おう>
 レーガンの「限定核戦争」戦略を阻止する為の、社会主義諸国、反帝民族解放勢力、そして全世界の「反核草の根市民」による闘いに合流しよう。日本政府の軍拡計画−「五三中業」を即時中止させ、「五六中業」発動を阻止しよう。相次ぐ共同軍事演習と「極東有事研究」を即時中止させよう。そして、巡航ミサイル・トマホークのアジア配備阻止を闘い、西欧の「巡航ミサイル・パーソングU配備阻止」、米国内の「核凍結」運動、アジア人民の反日運動・解放運動と固く連帯しながら「START」交渉の具体的進展を求める国際世論を巻き起こそう。
 これらの課題を掲げ、全国の職場・地域から軍国主義化のあらゆる現れと闘い、「戦争宣伝ーソ連脅威論」をはねかえす力強い「草の根運動」を強化・発展させながら、全国的統一行動としての一〇・二一国際反戦ー、一〇月国連軍縮行動週間に合流しなければならない。そして、臨時国会を包囲し、政府の反ソ軍拡政策の転換を勝ち取ることに全ての勤労人民の関心を集中させなければならない。
 具体的成果を勝ち取る為の「草の根運動」は、まさにこれからである。「政治的に無色であること」が「草の根」の「草の根」たるゆえんであるかのような不十分性を克服し、大衆的運動を「多彩な行事」のより「多彩さ」の追求からではなく、その運動が掲げる課題の大衆性と運動の展望から組織しようとする闘いこそを追求しなければならない。これまでの「草の根運動」が、勝利する為の条件を用意したとするなら、これからの「草の根運動」は、実際的・具体的成果を真に勝ち取る為の運動として求められているのである。

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