青年の旗 1983年10月1日 第80号

【主張】 大韓航空機事件と民主勢力の課題

<大韓航空検事件=対ソ軍事スパイ・挑発行動を糾弾する!>
 大韓航空機によるソ連領空侵犯は、アメリカ帝国主義による、対ソ軍事挑発行為である。
 多くの生命を、恥知らすにももて遊び、犠牲にしたのは、アメリカ帝国主義者であり、それと結託した日本・韓国の政治・軍事指導者である。事件の原因と、負ってしかるべさ全ての責任は、これら冷戦・軍拡主義者にある。
 ソ連、社会主義は悪魔と言う反ソデマゴギーの一斉キャンペーンにもかかわらす、この事件は、大韓航空機のパイロットが意図的に侵入したのでなければ起りえないことが、幾重にも重なりあつていることが、事態の解明が進むにつれて明らかとなっている。そして、解明の過程で浮び上がってきた事件の全貌とは、民間航空機による単なる領空侵犯などではなく、アメリカ帝国主義と、その情報機関によつて周到に準備された、民間航空機孝利用しての、対ソ軍事スパイ・模擬演習・挑発活動である。ソ連は当然にも国防権を行使したのである。
 大韓航空機は、通常コースを五〇〇キロも北にそれていたにもかかわらず、アメリカは、この異常事態に対し、何らの手を打つことなく、しかもRC−一三五偵察機を同時飛行させた。大韓航空機は、ソ連極東戦略基地ペトロバブロクスク上空に侵入した。これは元自衛隊幹部や軍事評論家さえもが指摘するように、アメリカの対ソ攻撃のコースである。アメリカ帝国主義者は、民間航空機を利用し、ニ六九名の乗客・乗員の生命が危険にさらされることを充分承知の上で、スパイ挑発行動を実行したのである。
 アメリカ・日本の帝国主義者、そして韓国の軍事かいらい政権は、この事件と、そしてその犠牲となつた多くの乗客・乗員の死を、社会主義体制とソ連の平和と平和共存政策に泥を塗り、威信を失墜させ、自らの軍拡と、INF交渉の破壊のために利用しようとしている。今第百臨時国会では、全党一致で「大韓航空機撃墜事件に関する決議」が採択された。それは国連総会でも同様の事態として進行しようとしているが、このスパイ・挑発活動をいかにデマで上塗りしようとも、今回の事件の直接の原因と責任は領空侵犯を行なった大韓航空機にあること。そして事件の張本人は、民間機を利用し、ふらちにも多数の生命をもて遊び、スパイ行動を強行したアメリカ及びその共犯者にこそある。
 緊張激化政策の犠牲となつた多数の死を、帝国主義者に利用させてはならない。この事件の真相を、挑発者の意図を大衆的に暴露し、反ソキャンペーンと対決することは、国際主義に基づく責務である。

<大韓航空横事件の背景>
 この多数の生命を踏みにじつたスパイ・挑発行動が、何故この時期に強行されたのか。
 欧州中距離核兵器交渉では、ソ連は英仏のミサイルの核弾頭数までSS20の弾頭数を削減し、その削減分は廃棄するという画期的提案を提出し、欧・米の反核平和運動は、秋期一大攻勢を開始しつつある。ゼロ・オプションは、NATO諸国内でも反発を招いている。レーガンの一連の軍事・外交政策の破綻は一層明らかとなってさている。
 中米ニカラグア、エルサルバドルヘの軍事介入は「第二のベトナム化」に対する米国内の世論の反発を激化させ、フィリピンでは、アキノ氏暗殺に抗議し、マルコス打倒の大デモが開始されている。チリのピノチェト政権は、反革命軍事クーデター十年目にして、持続的なチリ人民の抵抗闘争によつて最大の危機に直面している。こうした、経済的、政治的、社会的矛盾激化、国際的批判の高揚を、「事件」によってそらせ、逆に、軍拡と緊張激化のテコに最大限利用しようとしたのが今回の事件である。とくにそれは、極東での軍事的挑発、緊張激化のために利用されようとしている。三沢基地の、事件を通じての、対ソ最前線基地としての役割りは明白となつた。すでに十月一日寄港予定とされている原子力空母カールビンソンの佐世保入港は、日本の対ソ前進基地、東南アジア・中東への出撃基地化というレーガン戦略の具体化である。
 レーガンの十一月訪日、それに続く韓国、フィリピンヘの歴訪という予定は、反ソ軍事同盟の強化、民族解放運動への軍事介入・弾圧を直接の目的としている。
 日本の反独占民主勢力の、今日における最も重要な任務は、レーガンの極東戦略に基つく、極東へのトマホーク・中距離核配備・対ソ前進基地化、日米軍事一体化(NATO化)と、これに連なる日本の軍拡と対決し、極東における平和と緊張緩和の条件を闘い取ることである。

<十・一二田中判決を軸とした闘いを!>
 十月十二日が、ロッキード疑獄・田中判決の日となつた。すでに総評をはじめ民主勢力は、中央、地方での追及行動を準備しつつある。
 この田中判決を前にして、自民党内では動揺と派閥抗争激化の動きが見えはじめている。野党は、田中辞職勧告決議孝提出することで合意しつつある。自民党と独占資本は、ロッキード事件を一民間航空会社の機種選定をめぐる田中派の問題に矮小化し、葬り去ることを目論んできたが、それも困難となっている。この事件の追及は、田中個人の倫理追及、金権、腐敗の暴露だけでは決定的に不充分である。ロッキード事件は、日米軍事独占体と自民党の指導部を含んだ軍事疑獄事件である。当然にも、当時防衛庁長官として、この事件に深くかかわつた中曾根首相の政治責任は免れない。
 政府・独占の軍拡・冷戦政策の必然的結果として、この疑獄事件を把え、平和と生活防衛の闘いと結合させなくてはならない。田中判決は、否が応でも自民党・独占資本を動揺させずにはおかない。この動揺を、政局の転換へと前進発展させることが大切である。
 大韓航空機事件による反ソキャンペーン、十・一二田中判決・ロッキード軍事凝獄、軍事突出の八四予算、十一月レーガン訪日など、これらの課題をひとつのものとして把え、人勧・行革・減税の諸課題と結合させて闘うことが必要となつている。十・一二田申判決、軍事凝獄追及の一大大衆行動を展開することを軸とし、反帝平和勢力との連帯を強めながら、十月カールビンソン入港阻止、国連軍縮週間、十一月レーガン訪日阻止、臨時国会--通常国会と続く秋期闘争を全力で闘おう!

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