青年の旗 1984年1月1日 第83号

【主張】 1984年--年頭にあたって--

<1>
 一九八三年ほど国際的諸事件が頻発した一年はない。大韓機によるソ連領空侵犯事件、アメリカ帝国主義によるヨーロッパヘの中距離核ミサイル配備反対の全欧にまたがる反核運動、アメリカ帝国主義によるグレナダ侵略、ヨーローパヘの中距離核ミサイルーバーシングVの配備強行とINF交渉の決裂など、これらの諸事件は、レーガン政権の反ソ軍拡路線の結果として生み出されたものである。社会主義が積み重ねてきた緊張緩和の努力とその結果が大きく後退されられつつある。INF交渉の決裂は、熱核戦争の危機がより一層深まり、現実的な問題となろうとしていることを意味している。
 われわれは、このような反ソ軍事対決路線の意味するところを明らかにしておかなければならない。一見してはなばなしいこの路線の強行は、明確に、帝国主義の弱体化の表現であり、それは資本主義の体制的危機の深化と、その内部矛盾の激化の反映に他ならない。ありとあらゆる国独資的調整機能の動員によっても繕いがたい内部矛盾の露呈である。資本主義には、もはやどこまで破局をくりのべられるかという選択しか与えられていない。それは帝国主義諸国家の政府=独占資本をして、危機の諸結果を国内の労働者・勤労人民に転嫁し、対外的には途上国への収奪強化をはかり、危機のしわ寄せを帝国主義問矛盾として押しつけあい、せめぎあいつつ、社会主義への軍事的対決へと向わせている。政治的・経済的領域において後退の一途をたどる帝国主義陣営に残された唯一の道が露骨な軍事対決、軍事介入である。こうした対抗策は帝国主義の本性に基づく基本的選択であり、極めて危険なものである。
 INF交渉の決裂に示されるように、熱核戦争の危険は極度に高まっているが、それを阻止し、平和と軍縮、緊張緩和へと国際動向を転換させる力は厳然と存在している。それは社会主義世界体制の存在である。一九一七年のロシア社会主義革命から六十年の、わずかな歳月の経過のなかに、地球上の四分の一の面積と、世界人口の三分の一を擁する社会主義共同体、あらゆる闘争は、この力と結合するときにはじめて最後的勝利を手にすることができる。それゆえに反ソイデオロギー攻撃は、帝国主義のイデオロギー攻撃の主柱であり、あらゆる解放闘争の階級的革命的性格を喪失させるものとして存在している。
 したがって、われわれは、あらゆる闘争の領域において反ソ主義と闘い、これを克服すること、とくに平和と軍縮の闘いにおいて、反ソ民族主義を克服し、平和と軍縮の実現のための具体的展望を指し、真の意味における国際連帯を実現しなければならない。

<2>
 レーガン政権を軸とする国際帝国主義が推進している反ソ軍事対決路線は、その中に、深刻な矛盾を抱えている。
 戦後最大最長の経済危機は、資本主義諸国に重くのしかかっている。アメリカの財政赤字は一昨年の一一〇七億ドルを大幅に上回り一九五四億ドルに達し、膨大な赤字を縮少すベく展開された高金利政策は、資本主義諸国全体の経済成長を妨げ、保護主義の台頭を招き、途上国積務を増大させ、国際金融危機への道を加速度的に進行させつつある。
 アメリカ経済の現局面として、経済成長の一時的回復が見通されているが、それは大幅な軍事支出が景気刺激要因となっていることからして極めて危険な性格を持っている。軍事受注前年比四〇%増という、危機の帝国主義的解決策は多くの矛盾を浮上させ、その破綻をみずから準備しつつある。
 先進資本主義国の労働者階級は膨大な失業者群をつきつけられ、労働条件と実質賃金の切り下げを強いられている。一方、欧米諸国の巨大な反核平和運動の隊列に労働者階級の隊列が合流しつつある。失業、賃金と労働条件の切り下げ、軍国主義化を打破することこそ、労働運動の主要な任務となっている。危機からの脱出は、軍拡の重荷を集中的に転嫁されている労働者階級の双肩にかかっている。

<3>
 こうした状況から、日本資本主義もまた自由ではない。国家財政の破綻は、いかに「行政改革」で圧縮しても着実に進行している。
 人勧凍結攻撃を突破口とした行政改革の本質は、今日の世界恐慌下に進行する国独資の危機に対しての、独占資本の側からの再編成である。この行革の断行を基本的任務として登場した中曽根自民党政権の言う「戦後政治の総決算」とは、独占資本の政治、経済、文化、思想、国際関係の全分野にわたる階級支配維持のための総合戦略である。
 中曽根政権はレーガン、サッチャー政権と同様、保守支配層内部にさえ、、批判勢力を内包し、決して安定した政権ではない。
 にもかかわらず、中曽根打倒に向けた大衆闘争の欠落は、昨年末の 「ロッキード選挙」といわれた衆院選挙の結果に端的に示されている。
 今回の選挙の特徴は、まず自民党の敗北である。一般的に言って、この結果は歓迎すべきであるが、一方、それは革新の勝利でもなかった。
 自民党は、無所属当選者を入党させることによってかろうじて過半数を確保し、新自由クラブと統一会派を形成することで議会内の安定を保持した。しかし、選挙の前の自民過半数確保という大方の予想とは大きく異なる結果であったことは明白である。
 今回の選挙は、解散に至る経過からしても政治倫理の問題であり、また与野党伯仲か、自民党による安定かという、政治体制の選択でもあった。結果は、自民党にとって厳しいものとなったが、その要因は、55年のダブル選挙で自民党に投票された大量の保守票(浮動票)が棄権に回ったこと。これは日中問題に見られる自民党政権の強権的体質への批判と見ることができる。そして、中曽根政権の軍拡政策に村する批判、不信と恐怖の現われ、それは、文部∴万働・防衛の現職三閣僚の落選に象徴されている。これに自民党内の不統一と社・公・民の選挙協力が巧を奏したことが結んでいる。
 しかし、われわれは次のことに注意しなければならない。自民党は十二%の議席減にもかかわらず、得票率は二%減じているだけであり、社会党は五%の議席増にもかかわらず、その得票率は〇・二%増加しているだけである。公明党も、議席七〇%増に村し、得票率は〇・九%しか増加していない。
 確かに、今選挙は、自民党政治への不安と不信の表現ではあったが、しかし革新への期待は薄れている。これらは政策と方針の不明確さに起因している。
 反帝反独占の明確な政策と持続的な大衆闘争の形成がますます問われている。
 今選挙に示された自民党政府への不信と不安を、意識の上にとどめるのでなく、正しく運動へと組織することが必要とされている。
 八四春闘も、まさにそうした問いとして関われなければならない。
 八三春関で定昇なみを打ち出した政府・独占は、さらに 「定昇」そのものを抑え込もうとしている。また同時に、最賃制度そのものに攻撃を集中している。
 実質賃金が切り下げられ、失業が増大している現在、昨年の要求水準を下げる理由は、なにひとつない。実質賃金の低下を打破する大幅な賃上げをまず獲得しなければならない。労働四団体は六%要求で統一した。「統一的要求とすることこそ、要求を実現させる最大の力である」ということは、一般的には正しい。しかしそれは、その統一、一致した要求が労働者に支持され、総力を発揮できるものでありさえすればである。とってつけた数字の組み合わせを、労働者は見抜いている。
 八四春闘は、人勧制度解体をその中味とする中曽根内閣の独自二%引き上げ決定(八三人勧は、二年分として六・四八%)を初めとして昨年同様、官公労の賃金抑制を通じて民間賃上げを押さえ、全般的賃金抑制政策を一層侵透させる事を紬に、政府・独占資本の攻撃がかけられている。その狙いは、春闘方式そのものの破壊である。職場、生産点における大衆討議を基軸に、生活実態に根さした要求作成を通じて、大幅賃上げ獲得に向けた闘いをストライキを中軸とした労働三権の実態的行使をもって築き上けねばならない。とりわけ、政府・独占資本の賃金抑制攻撃の全貌を暴露する事を通じ、人勧破壊攻撃に対する官民総がかりの体制を築く事に全力をあげる事が必要である。
 これらの闘いを、平和・軍縮・生活防衛の観点で固く結合させ闘い抜き、中曽根自民党内閣打倒に向け、全国的統一闘争として発展させねばならない。
 反ソ・軍拡・行革を基軸とした公然たる軍国主義強化と対決し、平和・軍縮・生活防衛の旗の下、八四予算国会・八四春闘を闘い抜き、中曽根自民党内閣打倒に向け前進しよう。

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