青年の旗 1984年5月1日 第87号

【主張】 対ソ先制攻撃ミサイル、トマホーク配備阻止!

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 極東への対ソ先制核攻撃ミサイル・トマホークの六月配備が着実に進められんとしている。
 「使用し得る核兵器」として開発された核巡航ミサイル・トマホークは、戦略爆撃機・大陸間弾道ミサイル(ICBM)・潜水艦発射ミサイル(SLBM)に次ぐ、「第四世代の核兵器体系」と呼ばれ、これまでの帝国主義陣営の対ソ核戦略を質的に転換させ得る核兵器である。すなわち、核の先制第一撃攻撃によって対ソ・対社会主義との核戦争に勝利せんとする「限定核戦争」戦略を実現可能にすることをその第一の目的とした核兵器なのである。極東に配備されるトマホークの狙いは明確に、ウラジオストックを中心として展開されている極東ソ連軍の破壊である。既に、帝国主義陣営の欧州への新型核ミサイル配備強行(83年末)によって、東西の核軍事力の均衡がくずされた結果、世界での核軍縮交渉は全て破壊されているが、対ソ先制核攻撃を目的とするトマホークの極東への配備は、この均衡破壊を更に拡大し、全世界での核戦争の危機を一層高めるものである。

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 四月七日、米帝レーガンはジョージタウン国際戦略研究所で講演し「指導者のいない超大国、国際事件への無力な人質と米国がみなされていた時代は過ぎ去った」と主張、対ソ核戦力の優位と″グレナダ″に端的に示された力の政策を今後も進めることを宣言した。これに連動して、米国務省は、これまで批准は拒否しても「協定順守」だけは表明していたSALTU(79年米ソ間で締結)を85年に破棄し、三大反帝平和勢力の闘いによって押しつけられた″両体制間での対等な条件と、同等の安全保障の立場からの核軍縮・緊張緩和”の方向を公然と捨て去ることを発表したのである。そして五月上旬、トマホーク配備の最終調整に来日する米国防庁長官ワインバーガーは、トマホーク六月配備について「核については米国は従来の方針で対処する」とあくまでも配備強行する方針であることを明らかにしたのである。
 一方、このトマホーク配備の欠くことのできない支えとなっている中曾根自民党内閣は配備に向けて日本の軍事大国化・日米軍事同盟強化を一層強力に進めんとしている。トマホークが配備される米大平洋艦隊を中心とするリムパック84「五月中旬から六月)には過去最高数の「自衛隊」が参加すべく出発した。また、ワインバーガー来日を前に、防衛庁長官栗原は「59中期業務見積り」作成指示を出すことを明らかにし、同時に自民党は、「防衛費」GNP比1%枠と「防衛計画」の大綱を「見直す」ため二年ぶりの防衛力整備小委員会活動再開を決定したのである。そしてなによりも、トマホーク配備によって日本の対ソ核出撃拠点化に一層拍車がかけられんとしている。それは、トマホーク搭載可能のF16三沢配備(85年)「海峡封領のための陸上発射型トマホークの三沢・佐世保・知床・男鹿半鳥配備計画」(米国防総省)、そして、トマホークを積載する米第七艦隊の総合指令機能が横須賀に集中していることにも明らかである。

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 こうした帝国主義陣営の核戦争政策に対する三大反帝平和勢力の反撃は今日、益々強力なものとなっている。欧州では復活祭を中心に、西独での反核デモ六〇万人参加に見られるように巨大な闘いが展開された。こうした人民の聞いの前に、六月態度決定をせまられているオランダ政府・国会は米帝の説得工作にもかかわらず当初通りの配備決定はでき得ない状態にまで追いこまれている。また、米国内でも国内の反核闘争に絶大な影響力を与えてきた米カトリック会議が、今後とも引き続き核兵器禁止への闘いを強めることを訴えた(四月四日)ように、反核闘争が強められんとしている。その結果、米議会では、MXミサイルを中心とした軍事予算の削減案、核凍結″法案″の提案準備が進み、トマホーク配備に反対する決議案提出も上・下両院で準備されようとしているのである。更に「対ソ軍事優位政策は西欧と米国の同盟関係を破壊しかねない」(西独前首相シユミット、四月二日)と公然たるレーガン政策への批判が帝国主義陣営の中から出されるに至っているのである。
 欧州・極東への新型核ミサイル配備を中心とする帝国主義陣営の核戦争政策に対する闘いは益々その陣型を拡大・強化させてきている。四月一九・二〇日と開催されたワルシャワ条約機構外相会議は「新型核ミサイル配備による帝国主義の核の均衡破壊は決して許さない、欧州からの核ミサイル徹去によってはじめて核軍縮交渉が再開できること」を明らかにし、「東西軍事ブロック間の不可侵条約、国防支出の相互凍結核兵器の先制不使用宣言」を呼びかけた。こうしたソ連邦・社会主義世界体制を先頭とする三大反帝平和勢力の有機的に結びついた闘いによって帝国主義の危険な核戦争政策を断乎阻止せねばならない。日本におけるトマホーク配備阻止の闘いは、欧州オランダでの六月配備決定を許さぬ闘いと共に、この三大反帝平和勢力の闘いの緊急の重要な柱である。既に全ゆる平和勢力が六月を焦点に闘いを強めている。日本「共産党」系の闘いに端的に示されているセクト主義と「日本を核戦暢にするトマホークくるな!ソ連のSS20も同時に削減を!」というスローガンに示される内容の誤り「先制核攻撃というトマホークの性格と帝国主義の狙いを免罪し、反ソ主義の土俵に乗せられている)を克服し、全ゆる勢力の統一した闘いで、トマホーク配備を阻止しよう。

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