青年の旗 1984年9月1日 第91号

【主張】 統一に背を向けた日本共産党
         --84原水禁世界大会を終えて--


 八四原水禁世界大会は、核兵器をめぐる重大な情勢のなかで開催された点において、そしてまた世界大会開催に至る経過のなかで種々の困難と混乱が生じた点において、かつてなく国際平和世論と日本の国民各層が注目するなかで開催された。
 昨年の、米国新型核ミサイルパーシングUの欧州への配備にひきつづき、本年六月から米国核巡航ミサイルトマホークが極東に配備されはじめたことは、核戦争の危険性を飛躍的に高めるものとなった。
 核兵器の対峠と、そのもとでの生活を余儀なくされる事態は、同じようにこれに対して闘っているヨーロッパなどの反核運動の関心を高めており、この時期に開催された世界大会には、数多い世界の反核・平和運動活動家・指導者達が参加するものとなった。
 国内でも、少なからぬ人々があるいは莫然と、あるいは鮮明にトマホーク配備に危機感を抱きつつあり、世界大会への直接の参加、不参加は別にしても、事前の平和行進を含めて、関心の高まりがあった。
 このような情況は、八四世界大会とその開催責任者に重大な任務を課すものであった。即ち、内外のさまざまな平和・反核の世論を結集させること、更に、トマホーク配備の阻止をはじめとする諸課題に対する闘いの集中と、それをステップとして新たな運動展開への飛躍とすることであった。
 だがしかし、世界大会の準備の経過及び大会の内容は、残念ながら必ずしもこれらの要請に充分応えきれるものとはならず、今後の闘いに多くの課題を残したと言わざるを得ない。
 それは何よりも、世界大会を巡って展開された論争が、原水禁運動という大衆運動の利益とはかけ離れたものであったことにある。
 意見の違いは、一、いわゆる原水禁連絡会議の結成の是非、即ち原水禁運動の組織統一をめぐって、二、平和行進における団体旗の是非、即ち統一労組懇をめぐって、三、核兵器完全禁止と日米軍事同盟の問題を大会内容に入れるか否か、などの諸点であった。
 これらの諸問題は、個々それ自身は原水禁運動にとって重要な内容を含んでおり、歴史的にも論争となってきたものであり、何が正しいのかが運動を通じて明らかにされなければならないし、我々も自らの見解を持ってき・ている。
 だが、右の論争が、本年世界大会がまず第一に掲げるべき任務であったわけではない。つまり何よりも、トマホーク配備とそれによってひきおこされている極東における核戦争の脅威に対して、また、国家補償にもとづく被爆者援護法の即時制定の必要性に対して、広島・長崎に全国から結集した二万余名の人々の力をもって、全ての国民と世界世論に警鐘を打ち鳴らすことであるし、更に、これからの全国における反核・平和の闘いの発展のために具体的な目標を掲げ、行動を計画することであり、そのための大会にならなければならないものであった。
 世界大会準備委員会は大会の当日まで意見の不一致と論争・調整にそのエネルギーの大半を費した。まさしく主催者内部の論争と調整のためにである。このことは世界大会の意義を明らかにして広めるどころか、むしろ国民大衆の目には「内紛」に映ってしまうという結果を招いた。準備委員会の論議とは裏腹に大会は、一部で激しいやりとりがあったものの、全体ではセレモニー化の度を深めるものとなってしまったのである。
 であるが故に、日本共産党が、東京宣言に「核兵器完全禁止」と「日米軍事同盟」が入った事を「画期的成果」として誉めあげ、「本流が前進した」と誇ることは、自らの党派自己満足であり、そのようなセクト主義は世界大会と原水禁運動にとっては害毒以外の物でもない。
 八四世界大会をふり返ると、現在の平和運動には、大衆運動の原則的立場から、平和運動の大衆的発展と統一のためにイニシアチブを発揮する部隊がほとんど存在していないということ、そしてそのような部隊の存在なしには平和運動の前進が困難であることを、いま一度明白にしているのである。
 今日、レーガン政権と中曽根政権の戦争政策によって世界の緊張がかつてなく高められ、人類にとって最も憂慮すべき事態を招こうとしている。だが、オランダにおける配備延期に象徴されるように、世界の平和連動の力はひき続き増大し、人類にのしかかる核戦争の脅威に対して、より統一した広範な闘いに発展しようとしている。
 日本における平和運動がトマホーク配備阻止という独自の課題にとり組みながら、核戦争を防止する世界の闘いに統一的に連帯することが要求されている。そのときに日本の平和運動も大きな役割を果たすことができるであろうし、また緊張緩和と軍縮を実現する闘いに連帯して闘うときに、運動は大きな展望と確信を得ていくであろう。
 現在我々に課せられていることは、このような立場をふまえつつ、全国のあらゆる地域で大衆的平和運動を組織することである。とりわけ、今秋期の国連軍縮行動週間を焦点にさまざまな行動を組織することが重要となっている。そして更に八六国際平和年、八八年SSDVをステップとして、反核・平和の大衆的な闘争を構築していこう。

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