青年の旗 1985年9月1日 第103号

【主張】 85原水禁・世界大会 核戦争防止の統一闘争強化を!

<1> はじめに
 八月六日から九日まで、広島・長崎において、原水爆禁止八五年世界大会が開催された。
 八月六日、九日を中心に展開された核戦争阻止の闘いは、ソ連、アメリカ、中南米、東西ヨーロッパ、アジア・太平洋など世界六大陸、二十ケ国で取り組まれ前年より飛躍的に拡大した。これは、米国がSDI推進によって全ゆるレベルでの核軍拡を進め、世界中に緊張をふりまいていること、その中で、ソ米軍縮交渉が展開されSDI阻止の闘いが、交渉を焦点として世界中で拡大しつつあること、そして、被爆四十周年がファシズム打倒四十周年にあたっており、その経験と核戦争の危機への注意が換起されていることなどがあげられるであろう。
 そのような中で、今世界大会は、被爆四十周年を迎え、更に高まる核戦争の危機に抗し、世界中で展開される闘いに連帯した運動をいかに創出していくのか、日本政府の責任回避を許さず、国家補償にもとづく被爆者援護法をいかに制定させていくのかという任務を負っていた。

<2> 世界大会の混乱と共産党の犯罪的役割
 しかしながら今世界大会は、日本共産党代々木派の大きく二つの誤りにより、混乱したまま終了した。その第一は、原水禁運動の課題を自らの誤れる自主独立路線の下、「核兵器完全禁止国際協定の締結を求める運動へ合流すること」として、世界大会国際会議、広島の広場、長崎大会でゴリ押しした事である。そして何よりも実行委結成にあたっては、「核廃絶を緊急の第一義的課題」とした昨年の東京宣言を大会参加の踏み絵としたのである。彼らは宇宙をはじめ陸海空、全ゆるレベルでの核軍拡を進める米帝のSDIの危険性を訴えず、米ソ両軍事ブロックに核軍拡の責任を押しつけ、平和勢力の代表ソ連と、戦争勢力の米国との間での軍縮交渉を無視し、ソ連の一連の平和提案を無視した。
 第二は、最後まで「選別、排除の論理」を持ち込み原水禁運動の分裂を決定的にしたことである。彼らは大会実行委に新村猛氏、行宗一氏、吉田嘉清氏、草野信夫氏などが入ることを「妨害分子は認められない」として最後まで拒否した。最終的には市民団体、原水禁関係五団体が提案を受け入れたが、分裂の危機はますます深められたのである。こうして今大会は、七七年統一大会以降最も混乱した大会となってしまった。
 代々木派の分裂策動に対して、逆に原水禁内部からも全電通などが中心になって原水協と手を切ることを要求する声が発生した。これ自身も「左」からのセクト主義に今度は右からそれを助長させ、運動の分裂を決定的にしようとする極めて危険な動きである。
 またマスコミは混乱を大々的に報道し、大会終了後は世界大会を「内実のないセレモニー」であると極めて否定的に評価している。そしてその一方で動きはじめている平和事務所など「草の根」運動を「組織主導の眼界性の中から必然的に出てきた積極的な行動」と報道している。この狙いは明らかである。現在の混乱を利用し、いまだ具体的方針を持ちえていない革の根運動に平和運動の主導権を渡し、平和運動自身から具体的闘争課題、組織性ー中身を奪い取らんとしているのである。この間の闘いが敗北をつみ重ねていることをかんがみ、私達は、分裂と対立は敵を利するものでしかないことを明らかにしていかなければならない。今世界大会はこのことを私達にはっきりと教えていた。

<3> 核戦争の脅威を阻止する広範な統一闘争を!
 このような中においても被爆四十周年原水禁大会での森滝市郎氏の発言、被団協遺族大会決議等で、@ソ米軍締交渉の成否が核戦争防止にとって大きな意味をもっていることAソ連の核実験一時停止提案を極めて積極的なものとして支持し、アメリカにもそれを迫っていかなければならない−等が強く訴えられていたことに注目しなければならない。この背景には、米レーガンのSDIや、中曽根のSDIへの積極的支持、トマホーク、F16配備や軍事費GNP比一%枠問題など帝国主義の核軍拡が極めて速いスピードで進められようとしていること、「核の冬」の研究発表などにより核戦争の危機を現実的なものとしてとらえる人々が日本の平和運動参加者の中にも増えているということがいえるだろう。また、ソ連のタイムリーな核実験一時停止提案により、大会参加者が核軍拡がどのような段階にきており、それを停止させ、核戦争を防止するために今なにが必要なのか、日本政府はこの核軍拡にどのように関わっているのか等を考え、論議できるような状況が作り出されているのである。
 またそれとともに見なければならないことは、既存指導部が不毛なセクト的対立をくり返している中で、平和事務所、平和運動懇談会など各界各層の様々な運動がおきていることである。
 これらは、情勢が、帝国主義陣営の中でも最も反動的な支配者層を除く全ての階級、階層の人々全てが核戦争防止の闘いに決起し、そしてその全ての人々がその闘いの下で大同団結できる基盤を醸成していることを私達に教えている。明らかに、核戦争の危機に対して、この現状を変革しようとする動きは存在するのである(こうした動きを全く無視し、不毛な対立をくり返す既存指導部の誤謬はもはやこっけいとしか形容のしようがない)。そしてこれからは、こうした自然発生的な動きに村し、具体的な運動の方針・展望を与え、形成されつつある統一の基盤を現実のものとし、更にはその力で核戦争の危機という情勢を根本的に転換し得るような広範な闘いを構築しなければならない。

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