青年の旗 1985年2月1日 第96号

【主張】 85春闘勝利へ前進しょう!

 一九五六年にはじまった春闘は今年で三〇歳を迎えようとしている。企業別組合というわが国の戦後の労働運動の特殊性のなかで、未組織労働者も含めて賃上げ相場の決定に大きな影響力をもち、労働者の生活と権利を守るうえで大きな役割を果たしてきた春闘はその記念すべき年にあたり、改めて真価が問われている。ME(マイクロエレクトロニクス)化に伴う技術革新は労働者の健康障害を引きおこすとともに雇用減の不安を増大させている。また「一日九時間、週四五時問労働」を打ち出した労基法研究会の中間報告は、男女雇用機会均等法とともに時代の流れに逆行する労基法の改悪につながる。その一方、主体側の問題としては三〇%を割ったといわれる組合組織率の低下、組合員の組合離れが進行している。しかし、こうした労働運動の困難な局面を何とか乗り越えようといろいろな問題を含みながらも全民労協を軸とした労働者の量的結集、共闘関係強化への努力が積み重ねられてきている。

<八四春闘の特徴>
 昨年の八四春闘の最大の特徴は、JC共闘の相場形成力にかげりがみえてきたこともあり、JC−鉄鋼主導型の相場形成を打ち破ろうとする努力が始められたことである。すなわち、私鉄総連は、春闘を前にして賃上げのパターンセッターの一翼を担う役割を果たすと言明し、鉄鋼回答前に集中決戦を構えて鉄鋼相場そのものを引き上げる戦術を提起した。結果的には、「大型民間集中決戦」という形でJC共闘に合流せざるを得なかったが、「鉄」の影響力は引き続き低下していることは事実であり、これからも全民労協の中において鉄鋼と私鉄総連を軸に相場形成の主導権を巡って攻防が展開されることは必至である。
 第二の特徴は、人勧・仲裁の凍結・抑制が民間の賃金抑制につながってくるという認識が民間労組の中に侵透し、全民労協も鉄鋼・自動車・電力・私鉄などの単組代表者を加え、人勧・仲裁の完全実施を政府に要求しており、官民統一の闘いの基盤を拡げたのである。
 以上が低額回答、ストなしという従来通りの春闘結果の中で今後発展させるべき注目点であろう。しかしこうした官民統一闘争の展開に有利な状況も公労協は電電や専売の民営化や国鉄労働者に対する分割・民営化をちらつかせながらの合理化攻撃の中で、公務員共闘も臨調−行革攻撃の中で充分に闘いが組めず、官民分断の闘いをしいられたのである。

<八五春闘の情勢と展望>
 八五春闘を巡る経済情勢は、昨年に続き労働側にとって有利である。十七日の日経連総会で承認された労働問題研究委員会報告では従来通り生産性基準原理を強調しつつも、過去二年続いた「定期昇給、ベースアップゼロ」論は姿を消している。一方、労働側の中にも従来の経済成長率との整合性重視に偏りすぎた傾向に対する反省が生まれ始め国民春闘共闘会議は「賃金は成長率に一方的に従属して決まるのではなく、賃金の決め方は独立変数とする発想が必要だ」と言明、同盟も実質生活水準の向上を緊急の課題とし、今後十年間に実質可処分所得を五割程度引き上げることを展望し「今春闘で実質生活可処分所得を五割程度引上げる」ことを目標に掲げている。実質賃金の向上をはかるためにも従来のベースアップという賃金要求の方式にとどまることなく、ポイント別賃金要求をはじめとして企業の枠を越えた横断的な賃金要求方式へと発展させていかねばならない。
 すでに戦術面では、春闘共闘が「七%以上」の統一要求基準を設定し、昨年の集中決戦戦術が引き継がれJCの集中回答直後に私鉄・電力をはじめとした民間主要単産が相次いでヤマ楊を迎えるというバターンが想定されている。すでにJCが四月第二週を集中回答日と想定されている。すでにJCが四月第二週を集中回答日と決めており、この中盤グループの前に先行グループを配置、後に中小の後段グループの決着を図るとしている。春闘共闘は集中決着を「ゾーン」とし、この中で中小の決着を図ることを主張しており、集中決戦の相乗効果が真に発揮されるように産別闘争を強め、ストライキを背景として、JC回答によりかかるのではなく鉄鋼主導型の相場形成を許さない粘り強い闘いを進めなければならない。
 労働四団体と全民労協の共同主催で二九日には@一兆五百億円の所得税・住民税の減税の実現と不公平税制の是正A「太陽と緑の週」の法制化と労働基準法の改正B七%以上の賃上げの完全獲得と人勧・仲裁の完全実施の三つをスローガンに一万人規模の集会を開催することが決まっている。さらに五団体で構成する「八五賃闘連絡会」は昨春闘では賃上げ要求を決めただけに終わったが、今春闘では三月二三日に「賃闘促進決起集会」を二〜三万人規模で開くことが予定されており、闘争配置日程や先行組合の選定などについても今後の協議の議題になるとされている。こうした全民労協を基軸とした共闘態勢の強化を統一労組懇のように単に「右寄り再編」と批判して分裂行動を強めるのではなく、総評運動の強化とともにその枠を越えた産別共闘態勢をより一層発展させる方向で努力しなければならない。さらに、行革攻撃で孤立する公労協、公務員共闘も春闘時における闘いを強化し、より高いレベルでの民間準処をめぎし、官民統一の闘いを追求することが何よりも要請されている。
 また、春闘共闘は今春闘を「時短春闘」とすると打ち出しているが、すでに労働四団体と全民労協は@「太陽と緑の週」の法制化A正月三が日を休業とするためのの法的措置−についての共同要求を昨年暮政府に申し入れている。労基法研究会の中間報告に対しても統一改正案を作成する予定である。時短に向けた本格的な交渉は秋闘からとなるようだが、春闘時には「太陽と緑の週」の法制化を克ち取り、ヨーロッパ諸国並みの時短に向け、労働運動における国際連帯への第一歩を踏み出さなければならない。

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