青年の旗 1985年3月1日 第97号

【主張】 軍拡・行革・増税の中曽根政治と対決を!

<露骨なレーカン支持・軍拡路線>
 60年度予算の審議過程を通じて、中曾根の露骨な日米軍事共同体姿勢が増々鮮明になっている。中曾根自ら挑戦的に軍拡的発言を強めているのである。
 去る1月の日米首脳会談では、レーガンの戦略防衛構想(SDI)に村し、「研究に理解」を示した中曾根は、国会答弁において「防衛的兵器であり、核兵器廃絶をさせるものである」「面白いアイデアである、将来の問題として技術協力もありうる」と、明確な支持と将来のSDI軍事技術協力を言明した。SDI構想には、地球全体を核戦場とし、宇宙を軍事化するものと欧州をはじめ、全世界から非難が集中し、米国民の大半が反対をしているにもかかわらず。三月の米ソ軍縮交渉を前にして、明らかなレーガン支援の政治行動であり、中曾根の軍拡姿勢の表われであろう。同様に、米海軍の通信衛星「フリーサット」の自衛隊使用も、来年度予算案に受信機設置予算が計上されている。核有事の事態の下では、核攻撃の米艦船と自衛隊の共同行動も有りうると中曾根は言い出した。
 欧州におけるレーガン不人気−欧州の政治担当者に共通に見られる軍拡競争に対し一定の距離を保ちつつ、東西関係の推進を同時に行なおうという冷めた認識−と、世界の平和運動の確実な前進の中で、ロンヤス連携は、帝国主義勢力の最も反動的旗手として、中曾根政治が登場していることを示している。
 また、米ソ軍縮交渉を前にした政治的意味もさることながら、ロンヤス連携の下で、三四〇億ドルにまで膨れあがった日本の対米黒字をめぐる深刻な日米経済摩擦を政治的に冷却せんとする意図も見えかくれしている。
 特に、通信機器、エレクトロニクス、木材、医蝶機器、医薬品の四分野のみに止まらず、日本の市場開放を要求する米の態度は強硬であり、政府投階で、一端日本車輸入規制の撤廃が表明された後、米議会内の共和党、民主党両党あげての反対の中で、白紙にもどされる事態になっている。又日米航空貨物交渉も難行が続いている状況にある。
 防衛費の1%枠問題も、軍事力曙強の意図と共に、対米輸入品目の中で重要な位置を占める軍備購入費の拡大にフリーハンドを得ようとするものに他ならない。ニュージーランドのロンギ首相の非核政策と対称的な、被爆国日本の中曾根親米軍拡政策への国際的、国内的批判を一層強め、被爆40周年を迎える本年、予算国会での対決から、8月に向けた平和運動、大衆運動の一層の強化が求められている。

<「増税なき」から「大増税へ」>
 内政では、年明けから急速に、大型間接税の導入論が政府・財界を通じて高まっている。
 中曾根は、年頭の記者会見において「シャープ勧告以来、日本の税制はひずみ、ゆがみが生じており、中長期の課題として抜本的に見直したい」と表明し、予算国会では、税の不公正、直間比率の見直しを度々言明し、大型間接税の導入のプログラムに沿って、その歩合を打ちはじめている。大平内閣の一般消費税のストレートな増税論が、76年の総選挙の大敗北を生んだ経験から、むしろ「税の不公正」を意図的に強調し、減税断行のポーズの下で、「税制改正」の主導権を握った上で、増税やむなしの世論づくりを狙っているのである。
 60年度予算実は、「65年度までの国債費依存体質脱却」「増税なき財政再建」が、看板倒れであることを示している。歳出カット・行革では、財政再建はもはや不可能であり、他方自民党建設族の不満ももはや眼界である。だが、国債の利払いだけで10兆円という事態での増税とは、まさに金融資本の欲望のため、勤労者にツケをまわすものに他ならない。
 財界も、(企業)増税なき収奪強化が本音であり、日経連大槻会長は「所得税減税をし、間接税導入するなら、行革に反しない」、稲山経団連会長も「法人税や所得税をこれ以上増やすわけにはいかず、間接税という大衆課税にならぎるを得ない」と、間接税導入の大合唱となっている。社会党までも、年金等社会保障費の財源のため、福祉目的税として間接税の導入を自民党に説く仕末である。
 税制改正を言うなら、なによりも、物価調整減税制度の導入が先決であるし、又大企業への不公平税制度の改正でなければならない。実質増税は、ここ数年確実に勤労者の肩にのしかかっている。60年度予算案では、労働者の源泉所得税収は、1兆円以上の増収が見込まれており、増税率も13%と給与増収見込み7%を上まわっているのである。
 中曾根首相は、「現在の所得税15段階を3段階に」「最高税率50%を35%に」などと、金持ちの税負担を下げることを狙い、大型間接税による大衆課税の強化が狙いである。
 間接税では、すべての商品に一律に税がかけられるため、所得に対する生活費の比率が高い低所得層、労働者への負担が極端に増えることになる。
 常に勤労国民への犠牲の転嫁により、自らの危機を乗り切ろうとする自民党・独占資本の意図を見抜き、断固増税の阻止のため奪関しなければならない。

< 軍拡・行革・増税……独占の危機感>
 外交における日米軍事同盟・核安保の推進と西太平洋における反ソ軍事同盟の盟主としての日本の登場、内政での超緊縮行革路線と増税による収奪の強化など中曾根の「戦後政治の総決算」は、更に教育臨調から地方行革、そして改憲へとそのプログラムをはっきりと表わしはじめた。
 そのいずれもが矛盾を極める日本の国家独占資本主義体制の延命策に他ならないことはすでに明らかである。中曾根の手法は、臨調行革の場合に端的なように一定の矛盾をむしろ独占の側からのマスコミ操作とキャンペーンにより、「改革」の主導権を握ったのち、人民の側の弱さを徹底的に利用して、押さえこむもので瀬島などブレーンの力を最大利用している。労働者階級も、行革キャンペーンに見られるごとく、一面で中曾根の総路線に幻惑されていることも事実であろう。中曾根内閣の支持率が尻上がりに伸びている。ハデな外交とハギレのよい反動的行動、発言は、保守の神経をくすぐつている。
 だがしかし、現実はどうか。すでに見てきたごとく外交、軍事、、内政にわたって、中曾根政治は、矛盾を深める独占資本主義の延命を軍拡と収奪に求めている。このことは、確実に労働者階級と国民に認識されつつある。まさに「いつか来た道」である。
 来年度予算案における補助金一括削減問題では、地方行革として、地方の豊かさを問題にしはじめた。福祉の切りすて、サービスの低下は、直接勤労者を直撃する。行革の本質が、具体的に目の前に展開されている。
 また、反日教組、反「戦後民主教育」のイデオロギー的狙いの教育臨調も同様である。「偏差値よりも個性を」のスローガンも、自由化論の中で、一層差別と選別の強化に他ならないことは一目瞭然である。
 運動の側の反撃の量と、そして質が何よりも問題であり、これら中曾根の総決算路線の反動性をかくすベールは、大衆闘争の嵐によって、またたく間にはぎとられるものである。
 軍拡・増税・行革路線に対する大衆の怒りを組織しあらゆる戦線に統一の旗をたて、奪闘するのは、我々の任務である。

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