青年の旗 1986年10月1日 第116号

【主張】 核実験全面禁止!SDI阻止!ソ米首脳会談・軍縮週間の成功へ

 九月九日、中曽根自民党政府は米帝国主義が対ソ核戦略の飛躍的増強を目指している総合核戦争戦略=SDIへの参加を閣議決定した。決定後発表された官房長官談話は「(SDIは)非核の防衛システムによって弾道ミサイルを無力化することにより究極的には核兵器の廃絶を目指すもの」「核兵器の大幅な削減を通じて、より安定した東西関係がもたらされ、ひいては核兵器の究極的廃絶が実現される」としてウソとギマンに満ちた参加決定の理由づけを行なった。中曽根自民党内閣は、概に参加を決定している西独・英・イスラエルに続き、米帝レーガンと共に対ソ対社会主義の核戦争戦略を積極的に担う立場に立つことを明らかにしたのである。この間議決定二日後に開会された第一〇七回臨時国会冒頭の所信表明演説で中曽根首相は「国際国家日本の実現」を訴え、そのための「応分の負担」を強調した。すなわち米帝国主義の帝国主義陣営内における政治的・経済的影響力低下の一方で、世界のGNPの一割を占めるに至った日本がそれに「応分」の役割りを担うべきとの立場を強調したのである。その「応分の役割り」とは、軍事的には「(SDI参加決定は)日米安保の効果的運用に資する」との所信表明に示されるように、安保条約に基づく軍事同盟関係を新たな質を持った対ソ核戦略体制強化・拡大へと高めあげることであり、政治的には、「日韓併合には韓国側にも責任がある」との藤尾発言を単に「(外交上)アジア近隣諸国との関係に悪影響を及ぼす」問題としてのみ処理し、日本の侵略戦争の史実をあいまいにし、更には正当化しようとすること、そして、「北方領土」問題を「不動の方針」として掲げることによって、反ファシズム統一戦線の闘いの成果そのものをくつがえそうとする反ソ、反社会主義の強化である。
 SDI参加決定を糾弾し、その徹回へ闘いを拡大せねばならない。
 この極東において核戦争の脅威がまた高められようとしている一方で、昨秋のソ米首脳会談以降一歩づつ動きはじめていたデタントと軍縮の動行は、九月二二日、欧州軍縮会議での最終文書採択によって大きな一歩を記した。最終文書の合意には武力不行使宣言を中心とする政治的信頼性醸成措置と軍事活動の事前通告、査察を始めとする軍事的信頼性醸成措置が含まれている。特に軍事活動の空・陸からの査察手段・現地査察について合意が成立し、事前通告の対象粋が大きく拡大したことは、帝国主義陣営が査察問題を軍縮合意を拒絶する口実として一貫して用いていたことを考えるならば大きな前進といえる。この結果はジュネーブで継続中の東西戦域核削減(INF)交渉、中部欧州兵力相互削減交渉を大きく前進させるものとなるであろう。75年の全欧安保協力会議ヘルシンキ宣言に端を発し、二年八ケ月の歳月をかけて合意された今回の最終文書は、70年代後半、そして80年代に入ってからの米帝レーガンを先頭とする核戦争挑発に堪えて、79年SALTU調印以来七年ぶりに世界の平和勢力が手にした軍縮合意である。最終文書は十一月四日からウィーンで開催される第三回全欧安保再検討会議に提出され、東西軍縮の次のステップについて交渉するための基本原則とされ、87年1月1日からは「政治的拘束力を持つ」文書として発効することになる。欧州に限っていえば、東西の緊張関係が今明らかに新たな方向に転換しようとしているのである。
 この新たな転換を引き起こす大きな力となっているのはソ連を先頭とする社会主義国である。一年以上に渡るソ連の一方的核実験停止、昨秋のソ米首脳会談を経て本年発表された二十一世紀までへの三段階での核兵器廃絶計画などのイニシアチブは、世界の平和勢力の闘いに展望と確信を与えている。昨年の会談の合意を踏まえてソ米首脳による首脳会談が十月十一、十二日とアイスランド・レイキャビクで開催されることが発表された。欧州で一歩づつ固められつつある緊張緩和と軍縮の動きがこの首脳会談へも反映され、核実験の停止、SDI中止へと進むようにこの首脳会談へと世界中での世論と行動を組織しなければならない。米国は九月三〇日には今年九回目、ソ連の核実験停止以来十六回目の核実験を行ない、SDIと共に睦・海・空全ゆるレベルで進めつつある核戦力近代化の一環であるBl爆撃機実戦配備開始を発表している。これらの姿勢に示されるように首脳会談で帝国主義・戦争勢力の頭目であるレーガンに核実験停止、SDI中止を合意させることは決して容易なことではない。しかし、欧州軍縮会議最終文書に示されたデタントヘの新しい動き、そして帝国主義間での経済摩擦、SDI参加での利害関係対立の激化や、レーガン自身が交渉に応ぜぎるを得ないという情況の下で、三大反帝平和勢力の闘いの有機的結合を更に強め、平和勢力と帝国主義・戦争勢力の力関係を一層平和勢力有位のものへと変えていくことは可能であるし、今回の首脳会談をそのための一つのステップとして世論と行動を組織せねばならない。
 そして、ソ米首脳会談直後に全世界で展開される国連軍縮週間の闘いは、会談の結果を踏まえて核実験停止、SDI中止へと闘いの隊列を拡大するものでなければならない。特に、日本における闘いは、欧州とは逆に緊張を激化させる役割を積極的に中曽根自民党内閣がはたしている情況を準え、これを阻止することが極めて重要になっている。国際平和年ということもあり、非核自治体宣言をあげた多くの自治体での取り組みが企画されるなど、九回目を迎えた国連軍縮週間の行動は極めて多様な形態と大量の規模で取り組まれようとしているが、これらが軍事大国化の動きに歯止めをかけ、世界の平和勢力の闘いに連帯して核戦争を防止する闘いへと拡大・発展することは重要である。

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