青年の旗 1986年11月1日 第117号

【主張】 ソ米首脳会談レーガンのSDl固守糾弾!
               SDI阻止から核兵器廃絶へ前進しよう!


 十月十一日、十二日とアイスランドの首都レイキャビクで行われたソ米首脳会談は、″原則的な合意″から一転して″決裂″へ、次回の会談の日取りさえ決められないという″劇的″な結果からだけでなく、何十年にも及ぶ軍縮交渉史上、忘れることができない数少ない一つとなるであろう。
 それは、この会談において、核軍縮の目的とその可能な合意の枠の設定という点でより高い段階にはいったということ、つまり、核兵器全廃という偉大にしてかつ困難な事業が現実的で可能であることを全世界の平和を希求する人々がはっきりと確信することができたからであり、そして、誰がこの平和と社会進歩の推進者であり、誰がそれを妨害しているのかを改めてはっきりとさせたからである。
 過去の歴史的事象がそうであるように、時の経過が人々に改めてその歴史的事象の歴史的価値を認識させる。今何の会談は、その経過と結果が″劇的″であったからなおさらである。現在、この会談の両当事者であるソ米の首脳は、自国民はもとより全世界に対して会談の内容を明らかにしようとしている。

<画期的なソ連の軍縮提案>
 一方の当事者であるゴルバチョフ・ソ連共産党書記長は、一四日、二二目と二回にわたり、テレビを通じて今回の回談の概要を説明する演説を行った。それによるとソ連が今会談で行った提案は、一月一五日にソ連が打ち出した西暦二〇〇〇年までの核兵器廃絶提案に立脚したもので、第一に、例外なしにすべての戦略兵器を五〇%削減する。第二に、ヨーロッパにあるソ米の中距離ミサイルを全廃し、速やかにアジアにある同型のミサイルに関する交渉に入る。また、ソ連がその凍結を直ちに提案した射程距離一〇〇〇キロ以内のミサイルに関する交渉を始める。第三に、弾道弾防衛システム)(ABM)制限条約の制約を強化して核実験の完全禁止に関する大幅交渉を始める。具体的には、少くとも十年間条約破棄の権利を行使しない双務的義務を負い、その間に戦略兵器を廃絶するというものである。
 そして合意の達成を容易にするため、ソ連は、第一の点において、ソ連領に到達できるアメリカの中距離ミサイルとアメリカの前進配備兵器を戦略バランスに含めることについて従来の要求を取り下げ、第二の点についてもイギリスとフランスの核ミサイルは計算に入れなくてもよいと譲歩してきたのである。まさにこれは「レーガン大統領が戦略防衛構想(SDI)を放棄するのを拒否できないような代価を大統領に払うという申し入れ」(ワシントン・ポスト)なのであった。

<「潜在的合意」とSDIへの固執>
 こうしたソ連の提案と譲歩を基にして重要なことは米ソ首脳の問で、ソ米の戦略攻撃兵器は一九九六年までに全廃できるし、そうしなければならない、欧州にあるソ米の中距離ミサイルの完全廃絶及びアジアにあるこのクラスのミサイルの抜本的削減についての合意に達したということである。そして、さらに重要な点はこうした原則的合意にかかわらず、第三点目の今後十年間のABM制限条約の尊重という「十年」をめぐって、ソ連の「核ミサイルの廃絶に向けた期間、つまりSDIも必要でなくなる期間」という理解に対し、アメリカが「十年経過すればSDIを配備することができる」という、つまり、ソ連に攻撃核兵器システムの大幅削減を要求しながら、自らの戦略防衛システムの開発についてはフリーハンドを獲得しようとしたこと、SDIに固執したことが、先の原則的合意を「幻の潜在的合意」と化し、「核廃絶」という全人類的な希望の実現を遠ぎけてしまったのである。

<高まる米国内でのSDI反対の声>
 十三日付のアメリカの有力紙ワシントン・ポストは「レーガン大統領の支持者の多くは、大統領は合意を熱望しているのではないかと思って見ていたのにも拘らず、大統領はそれを受け入れなかった。彼は核ミサイルを防ぐ効果的な楯を探求するという当初の目的にあくまで固執している……レーガン大統領は手ぶらで帰国した、まさにその理由を説明しなければならなくなったのである。」と論評し「SDIは核防衛兵器である」という従来の説明では納得できないということを米国民の良識は訴えているのである。
 一四日行われたレーガンの演説は、従来の主張をくり返し、SDIの堅持を強調、さらにこともあろうに会談のわずか四日後の一六日にまたもや核実験を行うといった挑発行為にでたのである。これに対し、二二日には、SDI反対の米科学者グループ三団体がSDI反対の新たな行動計画を発表、二〇日にはワシントンなど全米各地でSDI反対の大衆的デモが展開されるなど米国内部においてもレーガンとその陣営が依存する産軍複合体に抗議する声は日増しに高まっており共和党内部においても様々な意見が出されてきており、経済政策の失敗とともに中間選挙においてもレーガンは苦しい闘いを強いられるのは必至である。

<問われる日本政府の姿勢>
 こうして世界はもとより米国内部においても孤立を深めるレーガン政権にとって、唯一といってもいい支持者が中曽根である。中曽根は一四日、SDIで米支持の講演を行い、一七日には、倉成外相がSDIのために米の核実験を容認する国会答弁をするなど中曽根政権の姿勢は極めて反動的である。また、日本政府のSDI研究参加以来、日本企業の米国の産軍複合体への接近が急速に進んでいる。今こそ、中曽根の軍拡、SDI容認政策に対する闘いを強め、国際的な反SDIの闘いの一翼に合流することが何よりも問われている。

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