青年の旗 1987年2月1日 第120号

【主張】 税制改悪粉砕・中曽根退陣へ!

<異例の幕明け>
 一月二六日、第百八通常国会が再開されたが、その幕明けは異例なものであった。昨年七月の衆参同時選挙で大勝し、三〇五議席を背景に自らが掲げる「戦後政治の総決算」路線を完成すべく、あわよくば自民党総裁の任期長期延長を狙い、首相の座に固辞する中曽根であるが、彼は今回の施政方針演説のなかで、衆参同時選挙での「大型間接税は導入しない」という公約を破棄した売上税の導入・マル優廃止を中心とする税制の抜本的改革、そしてかっての四次防に至る中期防衛計画という総額明示方式に対する厳しい反省に立って設定され、一九六〇年以来、自民党政府が一貫して公約してきた防衛費の対GNP比1%枠の突破という戦後政治を画するような重大な課題に対して、ほとんど何らといっていいほど説明を行わなかったのである。このため野党は一致して首相の「補充演説」がなければ代表質問ができないとの主張を行い、当初の日程を五日間も遅れての論戦となったのである。こうした事態は、三〇五議席を背景とした中曽根の国民を愚ろうした力の政治姿勢を示すとともに、政府・自民党の予想を上回る売上税反対の世論の高まりを前にして、何とか焦点をずらし、論議を避けようという姿勢のあらわれでもある。

<売上税の重罪>
 ここで、改めて「売上税」の問題点を整理しておこう。売上税は、四三の例外品目を除きあらゆる物とサービスの取引に、製造、卸・小売の各段階でかかる間接税で、最終的には消費者がまとめて負担する仕組みとなっている。大蔵省の試算でも純増収分だけでも二兆九千億円、物品税や電気・ガス税など八つの既存の間接税を吸収すると五兆八千億円の規模にふくれあがる、まさに典型的な「大型間接税」なのである。
 売上税の導入によって、まずもたらされるのは物価の上昇である。大蔵省の試算では五%の税率の売上税が導入された場合の物価上昇率は一・八%となっているが、便乗値上げや端数切上げによる値上げ、公共料金上昇などに伴う人件費増、流通業者の事務費負担増などを考えると、一・八%を大きく上回ることは間違いない。また、売上税導入による物価値上げは、急激な円高による不況の進行のなかで、さらに消費者の消費意欲に水を差すとともにその一方で、輸出並びに海外投資の促進を伴い、国内においては、不況が一層進行し、国際的にはアメリカを中心として貿易摩擦問題がますます深刻化するであろう。
 第二に、今回の所得税・住民税の改悪案と同じように、低所得者ほど負担が重いという逆進性が強く、税制の原則の一つである累進制に基づく(垂直的)公平性の確保から大きく後退するものである。なぜならば売上税は、生活必需品にも原則として課税されるので収入に占める消費支出の割合が相対的に大きい所得の低い世帯ほど税負担の割合が大きくなるからである。
 第三に、中小企業・小売りは税の自己負担と事務負担の増加で、経営そのものが脅やかされ、売上税倒産ともいうべき事態を通じて流通の合理化が進むことが予想される。年間一億円以下の事業所は免税としているが、こうした事業所は、現行の流通機構のなかからはじきとばされてしまうであろう。
 第四に、今回の売上税導入は、「防衛費」の対GNP比一%枠突破と政府が再提案を狙っている国家秘密法と加えて「軍拡路線をひっぱる三頭立ての馬車」(社会党土井委員長)であることは明らかであり、歯止めなき軍事費増大へと連続するであろう。売上税は、いったん導入されれば、税率が一%アップで一兆一千六百億円もの増収となり、政府にとっては国民に直接的な痛みを感じさせないで容易に増税できる税制なのだ。こうしたことは当初の導入の際にくらべて軒並税率が大幅に上がっているEC諸国の例を引き出すまでもない。

<売上税粉砕の一大国民運動を>
 こうした公約違反の大型間接税である売上税の具体的内容が明らかになるにつれて売上げ反対の声は高まり、一大国民運動へと発展しようとしている。すでに二十日、社会、公明、民社、社民連の四野党で結成された「売上税等粉砕闘争協議会」の初会合が開催され四党は、売上税などの粉砕をめざし、院内にとどまらず院外においても結束して運動を展開していくことを確認し、そのためにも百貨店協会、売上税反対中央連絡会議をはじめ各業界、消費団体に呼びかけ連携を密にし、幅広い国民運動を展開することを決めている。
 また、四野党と全民労協を含めた労働五団体は「中曽根政権の退陣を含む全面的な政治対決も辞さない」とする共同闘争宣言を発表し、二月一日には、「税制改悪、売上税粉砕二・一中央集会」を一万人規模で開催することを決定している。総評も「不公平な税制をただし、大型間接税の導入をとりやめ、所得税の大幅減税を求める」一千万名著名運動を独自で展開するほか統一自治体選の立候補者に対して売上税反対を誓約させる運動を展開することを決めている。
 中曽根の国民収奪・軍拡路線を許さず、国民諸階層の広範な結集を克ちとり、統一地方選勝利から中曽根を退陣においこもう。

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