青年の旗 1988年1月1日 第129号・130号・131号合併号

【労働】 「連合」を闘いの場に!中味の変革を!

 十一月二十日に、「全日本民間労働組合連合合(略称・連合)が発足した。正式加盟の五十五単産(五百三十九万人)に、一オブザーバー加盟、六友好組織を合わせて、約五百五十五万人の組織人員。これは、全組織労働者の四五%、民間組織員の六〇%で、総評(四百十一万人)を上廻り、「日本労働運動史上最大の中央労働団体(ナショナルセンター」が「誕生」することになった。
 しかし、「右翼再編反対」の批判をまつまでもなく、今日まで「連合」は、「労使協調」「反共」の「右派幹部」のイニシアチブの下、準備が進められてきている。そして、この路線の下では、今日の労働運動の「危機」の打開、労働者の要求の実現にはほど遠いばかりか、逆に大衆的で階級的な労働運動の「破壊を狙う」ことさえ、否定できないだろう。
 「史上最大の」と形容されるほどの「多数」を「結集」しつつも、「右派指導部」の中に労働者の利益を守る政策、「意図」がない−−このように相矛盾する二面性をもった「連合」が、今、スタートした。
 我々にとって問題なのは、はたして「連合」は、今のままで「推移」するのか、その変革は不可能なのか、また、そのためには、どういう政策・闘いが必要なのかということである。

<「連合」の背景と二面性>
 日本の労働運動は、「春闘十数連敗」「組織率二八・二%への低下」 「青年労働者を中心とした組合ばなれ」等、その矛盾はもはや眼界にきている。これは、基本的には、「企業別労働組合」として企業別に分断された状況が、克服されぬまま推移し、今日の不況の下で、「企業主義」が更に強まっていることに起因している。「連合」の結成は、この状態を克服する一つの条件として登場する「必然性」をもっていた。
 こうした中で、直接的に推進したのは、現在、日本の労働運動全体の中で「指導的」地位にある右派幹部であった。今日の労働運動の「危機」は、彼らの「指導の危機」でもあり、この危機を、労働運動の中から左派の影響力を排除し、弧立化させ、労働戦線の圧倒的多数を、「右寄り再編」することにより、「克服」しょうとしている。彼らは、そのためにも「統一(本音は再編であるが)」の旗をふらぎるをえなかったのである。
 また、「利益誘導型政治」から「国際国家型政治」への転換をはかっている政府・独占にとっても、政界再編の「受皿」としての、労働戦線の「再編」「統一」を、必要としていた。
 したがって、「連合」は、主に右派幹部の意図に代表される.「右寄り再編」としての側面と、労戦統一が本来もつ、「分裂状態の克服」をはかり、産別組織へと移行し、日本の労働組合運動総体として戦闘性保持に耐えうる主体を形成していくという側面を、同時にもっている。

<左派のイニシアチブ拡大のために>
 「連合」の二面性---このことは、たとえ困難であっても、左派の働きかけいかんで、「連合」を変革する余地のあること、その可能性と現実性を示している。
 しかし、残念ながら、「左派」は「分裂」をくり返し、「連合」発足という重要な時期に、更に孤立化を深めようとしている。統一労組懇は「階級的ナショナルセンターの結成」を「卜ーンダウン」させつつ、社会党左派グループとのセクト的な「統合」を目論んでいる。また、これまで総評労働運動の中で、国労をはじめとした活動家層の間に一定の影響力をもってきた「左派結集」グループは、「連合」の発足という情勢の下で、その中での本来の役割を発揮するのでなく、「左からの分裂」という方向に進もうとしている。
 彼らは、「総評解体に反対」することを前提に「闘っている部隊を残す」「その廻りに左派組合を再結集させる」ことを、具体的な方針=組織方針として提起している。しかし、今問われているのは、「先進的」な組合が「結集」することよりも「連合」の下で、右派幹部のやり方に不満をもちつつも、具体的行動に立ち上がる展望を見い出しえていない圧倒的多くのの労働者に影響を与え、左派のイニシアチブを拡大強化し、「連合」を変革する闘いに総結集することではないのか。こうした中身の論議と方針をあいまいにし、組織論上の「左派結集」にのみ足ることは、客観的には、自らの闘いの場を放棄し、右派幹部に手をかす結果になるのではないか。

<今、問われる階級的路線とは>
 今、左派の求められているものは、右派のイニシヤの下に進められる「統一」を逆手にとり、連合を、内外から変革、即ち、長い意味で階級的路線を堅持していく為にはどういう政策と戦術をもって、労戦統一に対応していくかを、具体的に提起していくことである。
 第一に必要なことは、今回の全民労連の下における、労働組合の分野での産業別統一を明確に提起する構想を提示することである。ナショナルセンターの成立が、同時に産業別の単一の産業別組合の組織化に結びつく、あるいは、そういう方向を踏まえて、ナショナルセンターの再編を考えていくことが必要である。その際、産別の最低賃金、公正労働基準の確立、雇用保障・過当競争・不公平競争の抑制、未組織対策等が産別闘争の課題となるであろう。
 この点では、十月八日の、睦・海・空の交通運輸労働者の大結集をめぎす交運労協の結成は、一つの前進であり、今後の動向が注目される。
 第二は、ナショナルセンターが出来てからの闘争課題としての制度闘争の目標を明確に提起しておくことが必要である。労働時間、住居問題、土地問題等、基準を明確に示していくことである。
こうした課題は個々の企業別労働組合では困難な課題であり、ナショナルセンターとしての真価が正に問われるところである。
 第三は、未組織労働者の、組織化を進めるための具体的な課題と運動を提起することが必要である。労働者の一番基本的な最低賃金を決めるというその領域について、統一行動を行っていくことが大切である。特に産別最賃を決める場合、組織率がポイントとなるため、産別組織がそれぞれに協力するとともに、未組織労働者への波及・共闘・組織化の客観的基盤がある。
 第四は、平和運動の新たな形態での展開である。米ソ間のINF交渉の進展に象徴されるように、軍拡・対立ではなく、軍縮・協力による平和の道が、現実的に提起される中で、自民党政府の軍拡政策は、その矛盾を益々明らかにしてきている。海員組合の、「シーレーン防衛問題、イラン・イラク戦争の問題」に関して平和のための積極的発言に見られるように、労働・生活に根ざした、平和運動の新たな展開が求められている。
 今から、新たな闘いの準備にかかろう。それを担いうる大衆的活動家を総結集しよう!そして、政治指導部隊の結集軸として、労青の全国的正式結成をかちとっていこう。

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