青年の旗 1988年1月1日 第129号/130号/131号合併号

【政治】 深まる弧立、強まる分裂主義
        ---日本共産党第18回大会---


 一九八七年十一月二五〜二九日、日本共産党は第十八回党大会を開催した。党創建六五周年という記念すべき年の大会は、日本共産党の国際共産主義運動からの離脱、国内における全ゆる分野での分裂主義、セクト主義の徹底、深まる共産党の弧立を明らかにした。

<国際共産主義運動からの離脱>
 大会決議(以下、決議)では二年前の第十七回党大会において党綱領から「『資本主義の全般的危機』という規定を削除した」ことが「世界の共産主義運動にとっても、わが国の反核闘争の発展にとっても重要な意味を持っている。」と自画自賛され、追認されている。
 資本主義から社会主義への移行を基本的特徴としている現代世界は、社会主義世界体制と資本主義世界体制の間の基本矛盾の下で発展しているにもかかわらずこれを確認しない共産党指導部は、当然、今日の発展する歴史過程の推進力たる社会主義世界体制、民族解放勢力、資本主義国の国際労働階級の有機的に統一した闘いの必要性を導びき出すことができず、逆にこれらの闘いから離脱、弧立する道にすすみつつある。
 昨年三月、モスクワにおいて世界経済・国際関係研究所の主催で開催された国際理論シンポジウムにおいて日本共産党は「資本主義の全般的危機」という概念そのものを削除することを要求した。今回の党大会決議はこれをもって「国際会議でもわが党の立場を積極的に明らかにし」「国際的にも注目をあぴた」と報告している。しかし、日本共産党のかかる主張は「資本主義の全般的危機の概念自体の不適切という見地は(会議では)支持されなかった」という主催者総括発言に端的に示される通り、弧立したものとなっている。

<原水禁運動分裂の理論化=反核国際統一戦線>
 決議は反核国際統一戦線を具体化するとして五点方針を掲げた。第一点は「反核統一戦線は、反帝、反資本主義の統一戦線ではない。思想、信条、社会体制選択の相違をこえて核戦争阻止核兵器廃絶の目標で共同できるすべての団体・個人がこの戦線を構成する。包囲し弧立させるべき対象は核兵器固執勢力である。」となっており、核戦争防止、核兵器廃絶という人類的課題のために誰もが賛成できるものである。しかし、第四点は、「核兵器廃絶を口ではとなえながらも、その国で実際には好核勢力と連合したり、また連合をめざし協力関係をもつ政党、勢力や個人は構成員とはしない。」と排除の論理そのものである。これは今日の原水禁運動の分裂を引き起こした彼らの行動を正当化し、理論的に「高める」ものでしかない。

<労働者楷擬の闘いに分裂を持ち込む”連合”批判>
 決議は全日本民間労働組合連合(連合の発足を「労働組合運動の「産業報国会化」「反共主義、体制擁護路線」と批判している。
 連合の結成が一方においては日本帝国主義が直面する国家独占資本主義の危機の深刻さ故の独占資本の側からの労働戦線「再編」であり、他方においては連敗し続けている労働者階級の側からの統一の要求の反映であることの分析、共産党自らが「国民的闘争」と認める売上税粉砕の闘いにおいて連合に結集している労組、労働者が日本共産党の指導とは無関係でありながら極めて大きなカを発揮したことについての評価、そしてなによりも自らが正しいと力説する統一労組懇がなぜ全労働者の統一を作りだせず、右寄り再編が進行してしまったのかという総括などは決議には全く述べられていない。
 これらの点の評価を抜きにした連合への「右翼的再編」決めつけと批判、そして一方での統一労組懇を中心としたセクト的な「階級的ナショナルセンター」結成の方針は、この党の指導部が、労働者階級の中で、その先頭に立ち労働者階級の利益のために闘うということを見失ない、逆に、政府・独占による労戦の右翼的再編に左から手を貸していることを端的に示すものである。

<社会党主要打撃の強調と新たな分裂主義>
 今回の大会決議で特徴的であったのは社会党主要打撃の強調であり、更にはソ連共産党に対して社会党との関係の清算を迫り、「一部社会主義国の覇権主義が社会党美化などの傾向をふくめ・・・・重大な誤りである」等々と、この社会党への非難を通じて国際共産主義運動の先頭に立つソ連共産党と国際共産主義運動に対する新たな分裂主義を示し始めたことである。
 決議は、社会党について「自民党との連合をめざして、安保条約、自衛隊容認など自民党への同調路線をうちだし」「日本の原水爆禁止運動の変質・分裂をはかる妨害勢力」と決めつけ、批判している。たしかに今日社会党の中で進められつつある「現実路線」は誤まれるブルジョア議会改良主義の中に益々深く入り込み、総評労働運動を基盤としてこの党が闘ってきた護憲・反安保の闘いの成果を自ら掘りくずすものである。しかし、共産党大会決議での社会党主要打撃の強調は社会党をしてその誤まれる方向へ益々追い込むものであり、労働者階級の利益に反するものである。
 更に社会党主要打撃を通じて、ソ連共産党に社会党との関係の清算を迫ることは、無用の混乱と、国際共産主義運動からの離脱への新たな理由付けの道を開く危険性を持っている。
  ◇  ◇
 宮本議長は閉会あいさつで社会党批判の為「政党が自分について述べている言葉をそのまま信用するのではなくてむしろ実際にやっていることを見なくてはならない」というレーニンの言葉を引用した。これはそのまま今の日本共産党に問いかけられねばならない。前衛政党が政府・独占の手によるだけでなく自らの手で労働者階級から弧立していくことは人民にとっての不利益である。産業構造再編と円高の下で益々犠牲を押しつけられ増税攻撃にさらされる労働者階級の利益を守る闘い、反独占の統一闘争の構築とその政治指導部隊の建設が益々求められている。(T)

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