青年の旗 1988年8月1日 第138号

「労働青年同盟結成趣意(案) 」 労働青年同盟結成準備会全国会議

(一)
 人類の破滅か、平和共存か!、第三の道はない!
 すでに地球を何回も破壊するに足る核兵器が存在し、地球と人類を脅かしている。世界史の現段階は平和と軍縮の問題を人類にとって最も重要な問題として全面に押し出している。
 人類の生存を脅かしている「核の脅威」に対して、全世界の人々が平和と核兵器の根絶を求めている。世界の平和を愛する人々の闘いは、反核・平和の闘いに対する帝国主義陣営の様々な妨害にも関わらず大きなうねりとなつて広がり米ソの核軍縮推進の新たな投階を創り出しつつある。一九八人年五月批准された米ソINF全廃条約は核兵器の廃棄・完全軍縮に至る巨大な前進である。アメリカをはじめとする帝国主義、好戦勢力はなおも核抑止論、SDI戦略など核兵器にしがみつき、宇宙までも戦場にしようとしている。我々は、全世界の平和を求める勢力と連帯して、平和と平和共存、完全軍縮のために闘う。
 膨大な軍事費は経済の発展を疎外し、今や社会発展のしっこくとなっている。軍縮の前進は、南北間題や飢餓、環境の破壊、累積債務などの世界規模の諸問題の解決を可能にする力を持っている。そして平和と軍縮を求める闘いは、対話と相互信頼の新たな世界、新しい文化を創造する闘いである。戦争に反対し、平和と軍縮と求める闘いは思想・宗教・イデオロギーを越えて、もっとも広範な人々を結集することが可能である。
 平和のための統一、すなわちソ連をはじめとする社会主義世界体制・民族解放勢力・国際労働者階級を中心とした世界中の平和愛好勢力の闘いの統一こそ平和の保障であり、我々は国際連帯と共に日本に於ける平和運動の大同団結・統一のために闘う。

(二)
 一九一七年のソビエト社会主義革命、以降、東欧の社会主義諸国の誕生・アジア・アフリカ・中南米の民族解放諸国独立などの歴史は、帝国王義による世界の全一的支配と植民地支配を遠い過去のものとして葬りさった。今や社会主義、民族解放諸国は地球の三分の二以上を占め、平和、民主主義、差別と抑圧からの解放の砦としてますますその地歩を固めている。
 アメリカ帝国王義をはじめ帝国主義陣営は資本主義の全般的危機が深まる下でその支配領域を狭められている。
 世界の憲兵を自認していたアメリカ帝国主義は、軍事的支配・ドルによる経済的支配のいずれにおいても、その地位を後退させつつある。七十年代をつうじてアメリカは基軸通貨であるドルの乱発を続け、八十年代にはいっては軍拡と社会保障の切捨てにより、危機は一層深化した。八十年代に入っては、債務国への転落に象徴的なように、貿易赤字と財政赤字という双子の赤字とドルの地位の低下を生み出した。そして、米帝国王義は後退しつつあるとはいえ、軍事力、経済力、先端技術分野に於ける帝国主義陣営内での優位性を維持し、巻き返すために必死の抵抗を試みており、それは同時に帝国主義間の矛盾と対立を強めるものとなつている。
 資本主義経済は通貨・貿易と複雑に絡み合いながら、経済の不均等発展法則が貫徹し、資本主義諸国間での抗争と政治経済的危機を不断に引き起こしている。
 独占体と国家の力を結合した国家独占資本主義の下で、膨大な規模に達した生産力と資本主義的生産関係のあつれきはますます激しいものとなり、経済の内的不安定性が強まっている。全般的な成長率の鈍化、周期的・構造的危機の絡み合いと深まりはその象徴的事実である。大量の失業、慢性的業病と化したインフレ、赤字予算、累積する国家の債務、不断の通貨・金融不安は国家独占資本主義自体の危機の探さと鋭さを示している。生産的投資を見いだし得ない膨大な過剰資本は、利潤追求の熱病にとりつかれた投機資本となって世界経済を深部から攪乱している。資本主義の腐朽性と寄生性はより一層深まっている。
 しかし、帝国主義は、自らの地位の後退と帝国主義間の矛盾と対立の激化ゆえに民族独立、社会主義への人民の闘いに対して、無謀で残忍な武力介入・反社会主義の陰謀をやめてはいない。これに対して世界のあらゆる地域でで民族解放と政治的・経済的独立、社会主義をめざす諸国人民の闘いは続いている。
 我々は、平和を愛する人々、民族独立、民主主義・社会主義を求める人々と連帯して闘う。

(三)
 平和で搾取と差別無き社会の建設、被抑圧民族の解放をめざすソビエト連邦をはじめとする社会主義世界体制はいまや歴史発展の重要な位置を占めている。世界史の現役階は平和と民主主義・社会主義・民族解放勢力に有利に展開している。現代の世界は資本主義から社会主義への移行の時代である。社会主義と平和を求める人々の闘いは、世界戦争による危機の解決を不可能にしている。社会主義の存在は、帝国主義による世界戦争を防止する諸国民の平和と民主主義、差別と抑圧からの解放の砦である。
 社会主義ソ連では、この間の停滞、悪しき官僚主義からの脱却をめざして民主主義を基調とする新たな社会主義的変革をめざすへレストロイカが開始されているが、これは国際関係にも緊張緩和の新たな条件を与えつつある。
 帝国主義の後退とは対照的に、アジア・アフリカ、中南米、中東において帝国主義の民族抑圧・主権の侵害・経済的支配と闘う民族解放勢力の闘いは、次々と帝国主義と結び付いた独裁政権を打破し、ますますその力を強めている。
 帝国主義の抑圧と闘う労働者・勤労者・民族の解放を求める人々・平和な世界を目指す闘いを進める人々の連帯の は決してくずれることはない。
全ての闘いは深く連関し、人類解放の歴史発展を支えている。社会主義世界体制、民族解放勢力、国際労働者階級の闘いは、絡み合い連帯して平和で搾取無き社会と人類解放の闘いの勝利の保障となっている。

(四)
 第二次世界大戦の敗北から、日本資本主義は朝鮮戦争を経て日米安保体制の下、高度成長を遂げ、七十年代の石油エネルギー危機を労働者・勤労大衆への犠牲転嫁=総需要抑制策と主要産業における徹底した合理化、技術開発、労働組合弾圧政策による支配の強化によって乗り切り、高い技術力と国際競争力をもち、今や世界のGNP第二位の先進工業国となり、米・欧と並ぶ主要な帝国主義のセンターとなった。
 日本資本主義の成長を支えたのは、他の先進資本主義諸国に類を見ない、政府・自民党と独占資本の癒着・独占優遇政策であり、その下での徹底した合理化、長時間労働であり、他方における福祉・教育などの民生部門における緊縮と抑制である。また日米安保体制の下で、「軽武装」が可能であったことは独占の成長を助けた。
 しかしこの日本資本主義は今日、日米経済摩擦、日・欧の経済対立など鋭い国際矛盾にさらされている。バックス・アメリカーナの崩壊、日・米・欧の激しい矛盾と対立、NIES(新興工業経済地域)の台頭など日本帝国主義を取り巻く外的諸条件は著しく変化し、この急激な外的諸朱件の変化によって日本帝国主義が直面している政治的・経済的・社会的危機の深さと鋭さは急速に高まっている。
 こうした危機への対応策である「戦後政治の総決算」路線は、戦後民主主義一平和・福祉・教育・労働など諸権利と民主主義の破壊であり、緊縮反動路線により全ての犠牲を勤労諸階層に転化するものである。それは外交に於ける反ソ反共冷戦政策、軍事費対GNP比一%枠撤廃にみられる「西側の一員論」を「口実」とした軍事拡大であり、福祉・教育における自助努力による公的保障の削減と営利福祉の導入、多様化によるエリート教育・能力主義教育の徹底であり、労働法の一連の改悪と労働組合への弾圧路線である。そしてこれらは、国家主義・民族排外主義による反動イデオロギー攻撃をともないながら、改憲をもくろむものである。さらに産業構造においては、大量失業を伴いながらハイテク産業への転換の推進、産業の空洞化も辞さない多国籍化、海外進出である。また、累積国債発行残高が百五十兆円を越えGNPの四十四%を占め、国債費が毎年の国家予算の二十%を占めるという事態の下で政府・独占は大型間接税導入など不断に増税と、勤労者の負担の増大による国家財政破綻の「解決」を狙っている。
 しかし、政府・独占の危機対応策は、他方に於いて抱える政治的・経済的・社会的矛盾を著しく深めている。従来自民党の支持基盤であった農民、中小零細資本、都市自営業者などにまで本格的な犠牲を強いらざるを得なくなっている。大量失業と増税は資本と労働者階級との矛盾と対立、独占資本と労働者階級・中小零細資本・農民・・・非独占諸階層との深刻な矛盾と対立を高め、反独占諸階層の客観的な利害の一致を急速に目覚めさせ、闘いにより多くの人々が参加する結果を生んでいる。一九入七年の売上税導入を粉砕した歴史的闘いは、その実例であり、今後の闘いの教訓となるものである。それだけに、政府・独占は政界・労働界をより体制協調的なものにするような再編の狙いを強めている。
 また、産業構造の転換と外交政策を巡る支配階級内部の意見と利害の対立は不断に表面化している。米国が反ソ反共冷戦政策の下で軍事支出を拡大し、経済の軍事化構造を作り出した一方で経済力と相対的な地位の低下を余儀なくされつつあることは、日本の支配階級にとってその安全保障政策・経済路線を巡る路線対立を深刻なものとさせている。一九八六年、第二十七回ソ連共産党大会を契機として進むいわゆる「新しい思考」による経済・文化での東西接近の状況の下で、対ソ関係の改善・平和共存・東西貿易の中に活路を求めようとする衝動が資本の中にすら強まっている。
 一方、資本主義各国間の経済摩擦の激化の中で、市場の開放、内需の拡大が日本政府の経済政策に対して要求され、他の先進資本主義国と比較してすらあまりに劣悪な労働条件・長時間労働などや、脆弱な社会資本などまでが日本との間での貿易不均衡の中で指摘されるまでになっている。また、世界第三位となった日本の軍事費に対しアジア諸国からは不安の声が寄せられ、米国当局者内部にすら日本にこれ以上の軍事費拡大を要求すべきでないと言う者もが現れている。更に、米国の反ソ反共冷戦軍拡路線と一体になり、独占資本の海外進出を助けるための日本の戦略的な政府開発援助のあり方に対し開発途上諸国を初めとして批判の声が強まってい一る。
 日本は、いま、政治・経済・外交・社会のあらゆる分野に於いて大きな選択の道に立たされてい る。
 独占の横暴か、反独占の規制か。軍事的大国化・反社会主義外交か、平和と善隣友好の外交か!独占の利害か、労働者と勤労者の利害か、独占資本とその擁護者と労働者・反独占諸階層との対決点はますます鮮明になっている。
 反独占民主主義の旗の下、労働者階級と反独占諸階層の統一した闘いの勝利は約束されている。民主主義を守り、発展させる闘いは統一を要求し、統一によって勝利をかち取ることができる。我々は、統一を瞳の如く大切にし、民主主義闘争の先頭に立つ。

(五)
 日本の労働者階級と民主勢力は平和と民主主義、生活と権利を守る闘いに輝かしい闘いの歴史を刻んで釆た。我々は偉大な先駆者の開いに学び、教訓を闘いの中に継承する。
 平和と反独占民主主義の闘いにおいて、最も重要な位置をしめるのは、労働者階級の闘いである。今日労働者階級は、勤労者の圧倒的多数をしめ、社会革新の決定的な勢力となっている。
 しかし、労働者階級の闘いは革新勢力の中にある根強いセクト主義・政治主義によって、分裂を持込まれ、労働者の闘いに対する信頼を充分に克ち取ることができなかった。また、階級的な粘り強い指導と、具体的な政策に基づく広範な闘いと統一の不充分さ故に、労働組合への組織率は漸減し三割を割るにまで至っている。このような結果として、階級協調的勢力に分断の口実を与え、民主的大衆的労働運動の力を弱めてきた
 政府・自民党と独占資本が危機対応策として進める日本資本主義の産業構造転換は、国際競争の激化の中で、ハイテク産業への転換の推進、産業の空洞化も辞さない多国籍化、海外進出として大量失業を不可避のものとしており、更に労基法の改悪・派遣労働の容認から労組法改悪策動など、労働者を苦しめ、犠牲にして行われようとしている。しかし労働者の要求は眠り込まされてはいない。賃上げ・時間短縮・雇用保障や、住宅・年金・福祉・医療・教育など、生活全般にわたる要求が渦巻いている。何より人間としての尊厳を取りもどす闘いは、不断にその重要性を増している。
 我々は、労働者階級の立場に立ってあらゆる産業・職場に拠点を建設し、労働運動の先頭に立つ。そして、進行しつつある労働戦線の再編の中で、これが三割の組織労働者内のみの統一に留まらず、現状では未組織下におかれている労働者も含めた労働者全体の統一、資本と闘う大衆的で民主的な労働運動の統一へと前進するよう闘う。分断されている労働戦線の統一なくして労働者階級の力は正しくは発揮されない。労働運動の統一は闘いの前進を客観的に準備する。闘いの中に参加することによってその経験から労働者とその運動は鍛えられ前進する。

(六)
 内外の客観的情勢は、自民党による政治独占を打破し、重要基幹産業及び全ての金融機関の国有化など反独占政策の断行、外交政策を平和共存政策と軍縮の政策に全面的に転換させるような反独占革新統一戦線に支えられる政府の樹立をもとめている。この間いは職場と地域に組織される強大な反独占統一戦線、議会内外の大衆闘争によってのみ力強く前進できる。平和と平和共存、反独占民主主義、労働民主運動の統一の旗を掲げる幅広い統一戦線が今はど求められているときはない。この流れを積極的に作り出す様々なイニシアチブを発揮することこそ我々に求められている。
 客観情勢の成熟に対して、主体的状況はきわめて立ち遅れていると言わざるを得ない。それは、労働者階級の前衛たるべき日本共産党にこそ重大な責任がある。日本共産党は未だに日本を帝国主義と規定せず、対米従属論から「独立と民族解放」を綱領とし、その戦術においては、議会主義を完成させている。また未だに反ファッショ闘争の国際的な教訓である「統一戦線戦術」を理解せず、社民主要打撃論によるセクト主義、独善主義により、反独占闘争・平和運動、労働運動を分断し、統一を破壊する役目を果たしている。
 日本共産党の誤りに対して、これへの反発から「小型共産党」的政治組織の提起や実践が幾度となく繰り返されてきた。これらは結果として、日本共産党のセクト主義を継承し、民主主義闘争・大衆運動の軽視と一層の戦線の分断をもたらすものでしかなかった。われわれは、決意主義・政治主義・セクト主義を断固拒否する。
 また総評労働運動を基盤として護憲・反安保の旗を掲げて、戦後の民主主義闘争・民主勢力の闘いの大きな柱としての役割を果たしてきた社会党は、今日でも国政選挙に於いては一千万を越える国民の支持を集めるという現状にありながらも、労働者、勤労諸階層の中にある自民党政権への不満や、変革へのエネルギーを自覚的・行動的なものに充分には組織できないでおり、逆に、大衆闘争への影響力を後退させている。
 我々は民主的諸団体との連携を更に強め大衆闘争の前進のために闘う。
 我々は何よりも民主主義闘争を基調とし、その中に於て、指導的進歩的役割を果たし、大衆と大衆運動の前進に貢献する民主的大衆的同盟として闘う。
 日本共産党の誤れる路線に抗して、平和運動・学生運動、青年・労働運動の利害に忠実な闘いは、一九六十年を前後して様々な組織と個人によって引き継がれ、強められてきた。
「平和と平和共存・反独占民主主義・統一戦線」の旗は、これらの実践を通じて、ますますその正しさを確認され、その意義を深めてきた。われわれは、断固として平和・反独占・統一戦線の旗を守り、発展きせる。
 同盟は科学性と大衆性・民主主義を最大限に組織と活動に生かすことで、その発展が保証される。同盟と同盟員は、大衆運動を瞳のごとく大切たし、その利益と大衆組織の発展のためにうむことなく活動する。
 同盟は平和と反独占の聞いにおける幅広い統一のために闘う。
 我々は闘いの中で、マルクス・レーニン主義を学び、徹底した科学と民主主義の立場を貫き、相互批判と組織内民主主義を徹底し、組織の発展統一のため献身的に闘う。

(七)
 青年労働者の革命的エネルギーは広範に存在している。生きる喜びと闘うことに人間的誇りを与える現在と未来のための闘いの具体的提起によって、力強く組織されるにちがいない。現在と未来に生きる青年に、全国の職場、地域に生きて働くすべての青年労働者に、民主的で大衆的な政治同盟が今ほど求められているときはない。平和と平和共存・反独占民主主義・統一戦線を闘いとるため、青年の情熱と献身性が求められている。
 職場から、地域から青年の創意と熱情を結集する労働青年同盟が今こそ必要である。
 我々は、平和と平和共存、反独占民主主義、統一戦線の旗の下に日本の政治・経済・社会の根本的改革、社会主義をも展望した反独占民主主義政府の樹立と、それを支える統一戦線の一翼を担い、貢献するために労働青年同盟を創建した。
 すべての民主的青年は、労働青年同盟に結集しよう!

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