青年の旗 1988年9月1日 第139号

【主張】 消費税導入策動粉砕へ

 現在開会中の臨時国会の会期は九月二十六日までであるが、政府・自民党が成立を目論んでいた消費税法など税制改革六法案は八月末時点で未だ衆議院での趣旨説明すら行われていない。
 竹下首相は八月二十九日、中国西安での記者会見に於て次のように今国会での消費税導入にかける決意を強調した。「あくまで今国会中で(税制法案を成立させる)との表現で全てが言い尽くせる」、「(今国会で法案が成立しなっかた場合の)責任の取り方は政治家として承知している」「(福島県知事選、参院福島補選の)結果によって今後の考え方が変ることはない」
 八九年夏、参議院選挙、八九年秋、自民党総選挙選、九〇年夏、衆議院議員任期満了、という今後の政治日程から政府・自民党にとっては今秋こそが間接税導入を強行できる残り少ない機会となっている。それだけに今回は、昨年の売上税の失敗を「教訓」に自民党内や支持団体からの反発をかなり押さえつけ、少なくさせている。
 政府・自民党は現在、「税制改革六法案の早期審議入り」と「税制改革特別委員会の設置」を提案している。政府・自民党が減税を先行させ(八人年度減税切り離し)、今国会での首相所信表明演説にこぎ着けた時に、日本経済新聞は、今後も政府・自民党は「不公平是正の与野党協議機関設置」、「来年四月一日から実施予定されている消費税導入時期の六ケ月、あるいは一年間延期」、「衆参同時選挙はやらないとの約束を野党に与える」などの野党切り崩しのための妥協案を用意していると指摘した。民社党の中には「不公平是正の与野党協議機関設置と引き換えに税制改革特別委員会を設置してもよい」との声もあり、政府・自民党による切り崩し策が進展する危険性は強い。間接税(今回の消費税も間接税の一種である)が歳入増加のためのきわめて有効な手段(すなわち増税のための手段)であることは洋の東西を問わず、ブルジョアの経済学者ですら認めるところである。政府自民党にとってはともかく間接税を導入することが狙いであり、その他の点に付いては様々な妥協をすることが考えられる。現行の税制も、シャープ勧告に基づく当初の税制以降、独占資本の資本蓄積のために様々な租税特別処置が導入され、独占と、資産家に有利に変えられてきたことを忘れてはならない。日本経済新聞が指摘したような妥協案に留まらず、キャピタルゲイン課税、パーティへの課税などの妥協も予想されるが、基本的な政府・自民党の狙いがどこにあるのかを常に暴露しておかなければならない。一方、社会・公明・民社の各党は「リクルート疑惑の解明、リクルート問題等調査特別委員会の設置(この点に付いては、リクルートコスモスの社長室長が、社民連の楢崎議員に対して、リクルートコスモス疑惑の追求に手心を加えてくれるよう贈賄工作を働いていたことが楢崎議月自身のよって明らかにされた)」、「不公平税制是正の協議機関の設置、不公平是正の与野党協議を先行させるべき。税制改革六法案との並行審議は認めない」(国会の正規の機関ではない。国民の目が届かない、いわゆる密室の与野党協議機関の設置を野党の方から言い出すことは極めて大きな問題であると言わねばならないが)、「税制特別委員会の設置のために衆院本会議が開かれる場合はこれをボイコットし税制改革特別委員会の名簿は出さない。(社・公明党のみ)」とし、社会・公明両党は解散・総選挙も辞さないとの構えである。また、共産党はといえば、消費税に対する評価、批判は正しく指摘しているが、消費税導入策動を粉砕し、間接税導入策動が二度と起こってこないような世論、組織された力をどのように形成するかという方針は持っていない。「消費税は公約違反、解散して国民に信を問え」との主張を強調し、自らの正しさのみを強調することによって来る選挙で自派の拡大をかち取ることのみに目がいっている。「大型間接税導入に反対する中央連絡会」が七八年、鈴木内閣時代の一般消費税導入策動の時から間接税導入阻止の闘いの統一組織として結成されているにもかかわらず、ここを中心とした広範な消費税導入阻止の闘いを展開する道を自らのセクト主義故に塞いでいる。国会会期末を控えた九月十八日に全国規模で全力の集会を呼びかけているが、社・公・民への攻撃、連合批判なども絡めた自派の集会である。このため国会会期未でありながら「大型間接税導入に反対する中央連絡会」が幅広く全体に呼びかけた行動を展開することが難しい状況になっている。
 八月三十日、大蔵省は八九年度予算の概算要求を締め切り、発表した。一般歳出全体の伸び率は今年度予算比二・八%であるにもかかわらず、国債費は四十・九%増強で十六兆二二二一億円、一般会計要求額の四分の一を占めるに至りまたその内、利払い費が十一兆円にもなっている。防衛費は六二%増の三兆九二七三億円、内いわゆる「思いやり予算」(米軍駐留経費負担は十六%増の一三九七億円。ODA(政府開発援助)は九・四%増加である。ここに政府・自民党があくまで大型間接税=消費税導入を狙う背景が示されている。労働者・勤労人民に犠牲、負担を押し付けることによって軍拡の財源作りと国家財政破綻の「解決」を狙い、一方で日本の独占資本が国際的に首尾よく進出していかんがために、また後退しつつある米国の影響力を帝国主義陣営の一員として補わんがために戦略的な対外後助を拡大する必要に迫られているからである。九月四日の福島県知事選、参議院補欠選挙は自民党の勝利となったが、これは福島県民が消費税に賛成の意を示したものではない。朝日新聞社の選挙終盤の選挙情勢調査によれば、消費税導入に反対が五十八%で、賛成は十八%に過ぎなかった。又知事選、参議院補欠選挙ともに当選した候補者の支持層の五十%前後が「消費税導入に反対」と答えている。知事に当選した佐藤氏は、「私の支持者の中にも(消費税に)反対の人がたくさんいることが解ったので(選挙中は)うっかり口にすることができなかった」と述べている。意図的に消費税を争点からそらしてきた自民党が今回の選挙結果をもって、消費税が支持されたということはできない。
 国会会期未が迫り、闘いの強化が一層要求されている。職場、地域で消費税導入策動粉砕へ奮闘しよう。

トップ アイコン【青年の旗索引簿】へ戻る
直線上に配置