青年の旗 1989年8月1日 第148号

【主張】 極東の緊張激化を許さず平和政策への転換を!

<太平洋演習を許すな!>
 九日から十月にかけて、太平洋演習(PACEX)が、米・日・カナダ・韓国・オーストラリア・フィリピン・タイ等の参加で行なわれる。米軍は空母戦闘部隊四グループも参加し、その中には四隊で八百発にも及ぶ核兵器を搭載したまま演習が計画されている。又米軍は海軍のみではなく、陸・海・空・海兵隊すべてを網羅した統合演習として、これまで太平洋上各地で毎年くり返されてきた対ソ戦を想定した軍事演習の集大成が今回の演習と言える。
 この中で、日本の自衛隊は十月一日から十六日までの予定で参加を予定している。「太平洋演習のシナリオは正式には発表になっていないが、自街隊はソ連の太平洋艦隊極東軍の太平洋進出を封じるため、機雷敷設などを行い、いわゆる三海峡を封鎖し、同時に対潜哨戒機P3Cを動員し、ソ連原潜を突きとめ、「同盟軍」と共同して、これを壊滅させるという行動が想定されている。今年四月に発表された米国防報告の中でも、日本の役割について「東アジア・太平洋地域の米国防政策のかなめ石」「日本はソ連の太平洋進出に対して侮りがたい盾となっている」と述べられている。この様に太平洋演習は自衛隊なくしては考えられない状況である。
 一方、防衛庁はこの演習に関して「太平洋演習の米側シナリオがどうあれ、自衛隊としては米軍の支援を得て、日本を侵略から守るという日米共同訓練の枠組みを緒み越えることはできず、その範囲でしか同演習には参加できない」と述べているが、米軍の位置付けや参加国の多さを見ても、日本の自衛隊のみ独自であり得るわけがない。
 INF全廃条約締結以降、海洋核兵器とりわけ太平洋地域での軍縮が求められている中での今回尾の演習は太平洋での新たな緊張を高める。又、自衛隊の海外派兵、軍事力強化につながる自衛隊の参加を許してはならない。

<平和政策へ転換を!>
 今回の参院選での自民党の自滅、社会党の躍進という事態は、消費税・リクルート等が焦点ではあったが結果として、平和政策においても我々の闘い如何によっては大きな成果をもたらす可能性が出た。今後六年間、最低でも三年間は参議院での自民党の単独過半数は維持できない。参議院の各委員会でも委員長の自民党による独占はできないということである。
 すでに被爆者団体では、援讃法制定に向けて、参議院での先行採決めざし行動を強めている。野党間で一定の合意の取れる非核三原則の遵守問題でも、核持込みを許すのか否か、法制化も含めて討議を進めることができる。とりわけ、一九六三年に起きた沖縄沖の水爆搭載機「落下」事故で表面化された様に「持ち込ませず」に関しては守られていないことが白日の下にさらされた。「米軍から事前協議がなかったので、核の持ち込みはない」と繰り返してきた日本政府の詭弁はもはや通用しない。この点での取り組みが、ニュージーランドで成し得た様に、日米安保を揺るがすものとなつていく。
 又、都議会でも社会党が躍進したことにより、東京都における非核都市宣言が実現可能なものとして検討される状況になってくる。これが、三宅島のNLP基地建設問題にも波及するであろう。
 ここ数年の平和勢力の闘いによっては、平和政策の転換が勝ち取れる絶好の機会である。しかし、残念なことに、総評・原水禁という平和連軌のセンターがなくなるという事態である。我々のより一層の職場・地域での取り組み強化が求められる。

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