青年の旗 1989年8月1日 第148号

【政治】 参議院選挙の勝利をバネに反独占・反自民勢力の総結集!
             衆議院解散総選挙に向けて更なる前進を!


 七月二三日、参議院選挙が行われ、その結果は自民党の大敗、社会党の躍進ー与野党逆転であった。

<選挙結果の特徴点>
 今回の参議院選挙結果の特徴点は、@自民党が改選議席を約半減の三六議席となったのに対し、社会党は倍増の四五議席となったこと。A連合の会が十一議席を獲得し、注目的な成果を上げたこと。B社会党以外の野党が、「反自民」の追い風にも関わらず、議席減となったこと−とりわけ共産党・民社党が議席を半減させたこと、等である。
 これらの特徴点から言えることは、消費税の強行導入、リクルート問題に代表される権力汚職、更には、独占が海外経済進出等で巨大な利潤を生み出す一方で、土地高騰による住宅難、永年にわたる労働者の賃金抑制、長時間労働等に見られる生活不満の増大、くわえて自民党の農業切り捨て政策等々の中で、国民・大衆の中に極めて広範に反自民意識が形成されていたことをものがたっている。特に自民党が、こうした国民の意識をそらすために、「自由社会を守れ!」とか「安全保障」の問題を持ち出したにも関わらず、問題提起自体が今日の国際緊張緩和の定着の中において非現実的で、国民・大衆の自民党に対する不満の前には何の効果も持たらさなかったことを見ても明らかである。
 そして、こうした反自民意識は、単にそれにとどまるだけではなく、これまでの独占本位・大衆収奪の政治から勤労者の生活と命を守り、独占の利潤を再配分させる政治へと変革の意欲が高まっており、それを実行する政権・政治勢力の結集を期待し始めている。
 今回の選挙結果で見られた反自民票が社会党や連合政権の樹立に積極的な役割を果たすことを公約として闘った連合の会に集中したことは、そのことを如実に示すものであるし、自民党政府にとって替わる受け皿として「よりましな政府」ー連合政権を現実的に求め始めていることを意味している。
 それだけに今までより真剣に社会党を中心とした反独占・反自民戦線の形成を追求していかなければならない時に来ているといえよう。
 しかしながら一方、共産党は、選挙期間中においても相変わらずの社公民批判と自らの「純潔性」のみを強調するセクト的対応に終始した。国民・大衆はこれに対しても「NO」の審判を下したが、共産党は、天安門事件−反共宣伝を理由に党の方針の誤りを依然、認めようとしない。共産党は勤労者・国民の意識を全く理解していない。今日の勤労者・国民の意識は、例え「反自民」の立場であっても、ことさら「違い」を強調する勢力よりは、多少の意見の相違があっても、それを許容し、広範な勤労者大衆を結集しうる勢力に期待して真に統一を求めているのである。共産党は、自らの方針に対する自己批判と転換なくしては、近い将来に予想される衆議院解散総選挙においても一層の大衆的批判を浴びることになろう。

<選挙結果が与える今後の課題>
〈政 局〉
 選挙結果がほぼ判明した七日二四日、宇野総理大臣は辞任を表明、自民党は後継総裁を選出して、選挙後三十日以内に招集される国会でもって、新たな首班指名が行われることになった。これに対し社会党土井委員長は、再び繰り返す自民党の内閣タライ回しを批判、即時に野党に政権委譲し、選挙管理内閣の下、衆議院解散総選挙を行うことを要請した。同時に消費税廃止法案を早急に四野党共同で参議院に提出し、公約の実行を明言した。
 今後、政局は首班指名から消費税の取り扱い、更には衆議院解散総選挙に向けて揺れ動くことが予想されるが、こうした状況の中で社会党を中心とした反自民勢力が有利に展開するためには、自民党にとって代わる連合政権が、決して非現実的なものでないことを明確に示し、より具体的かつ実行可能な政策を労働者・国民の生活と権利を守る立場で大胆に提起していくことにある。
 そのためには、四野党の政策協議の中において、例えば安保・自衛隊の問題においても、存続に関する基本的問題と当面の非核三原則・軍事予算の抑制等の当面の政策の一致など、中・長期的課題と短期的な政策とを区別し、当面の共通した施策・取り組みについて、社会党のリーダーツップの下に統一案を積極的に打ち出していくことが必要である。また、こうした政策提起とは別に、実際の政局にあたっても、連合政権が党派間の様々な調整・コンセンサスが必要であっても、自民党政権に替わるものとして国民大衆に明らかにすることが必要であり、そのためには、当面、四野党の参議院における首班指名の統一候補、衆議院解散総選挙に向けた院内外の共同闘争、更には連合の会も含めた反自民勢力の結集を目指した選挙協力の具体化など全ての面で不断に野党の結集−連合政権への期待に応えていくことが求められている。
 そして、更に重要なことは、こうした反自民意識がいわゆる「一票一揆」という形で選挙結果に反映されたものの、これを組織的・継続的なものにすることが必要であり、選挙期間中に見られた様々な市民運動、個別課題に基く団体・グループをより広範に結集し、統一した全国的ネットワークとして広げていく努力が求められている。

〈労働戦線〉
 今回の参議院選挙結果で与えるインパクトとして見逃してはならないものが、労働戦線に与える影響である。
 連合の会が圧倒的勝利を収めたのに対し、共産党は統一労組懇の拠点である大阪、京都で落選するなど相反する違いを見せた。このことは、八七年の連合発足以降から本年において官民統一が成し遂げられる中で、連合の持つ社会的・政治的役割と影響力が大きなものであることが明らかになったと同時に、日共=統一労組懇の分裂策動が、社会的な評価としても破綻したことを意味している。
 今後、連合は自ら掲げる労働者の要求実現に向けた闘いはもとより、政治戦線においても選挙で主張した「反自民勢力の結集!連合政権への潤滑剤」として積極的貢献が期待されている。これに対し日共=統一労組懇は、労働界における少数集団として、一層の孤立化は避けられないし、教条的・セクト的な「左」意識においては、現実の労働者の社会的・日常的な諸要求に対し、何ら応えることができないことが、より明白となってこよう。今日の官民統一を巡る組織問題が依然、続く中にあって、彼等の徹底した自己批判と分裂方針の撤回なくしては一層、不幸な状況となることを断言せざるをえない。
参議院選挙結果
当選者 改選数
自民 36 69
社会 46 22
公明 10 12
民社 3 6
連合 11 0
共産 5 8
社民連 0 1
諸派 5 5
無所属 10 3

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