青年の旗 1989年11月1日 第150・151号

【主張】 「新連合」を闘いの場に内外から変革の闘い強化を

<十一月二−日「新連合」発足、 労働運動新しい局面へ>
 十一月一二日、総評が解散し「新連合」が発足する。一九七八年の民間先行による労働戦線統一への動きは、一九八二年の「全民労協」、続く「連合」を経て、ようやく官・民の「統一」へとこぎつけたのである。
 しかし、新連合の発足が労働戦線統一の背景にあった春闘の連敗、組織率の低下などに象徴される「労働運動冬の時代」に終止符を打つ第一歩となるためには、克服しなければならない課題が山積みされている。
 第一に、「新連合」への参加をめぐって、ここ数年に渡り単産で職場で激しい組織戦が行われた。その結果、多くの民間単産・官公労が「組織分裂」を余儀なくされた。特に、新連合の中で総評労働運動を継承発展させていくべき勢力であった「自治労」「日教組」の分裂は、今後の労働運動にはかりしれない損失を与えた。
 そして、「新連合」発足を前後して、日本共産党の指導のもと「闘うナショナルセンター」と、連合にいけない組合の結集を目指す社会党「左派」を中心とした「全労協」とが発足するという事態が生み出された。かくして、お互いがお互いの立場を否定し合うことによる、労働運動の再編の新たな出発となったのである
 第二に、「新連合」発足への過程で、「労働運動冬の時代」を克服するための真剣な討議は行われたのだろうか。「連合への参加・不参加」を決定する過程で、「何故このような事態になったのか」「克服するために何が必要なのか」という討議は、実は空回りしていたのではないか。
 労働運動にとって最も重要な「統一と団結」が、かくもはかなく崩壊していく姿は、政界再編がそのまま労働運動の独自性を無視して行われた結果としか考えられないのである。
 そして、諸外国から非難の的となっている日本の労働者の低賃金・長時間労働の克服を、そして未組織労働者の組織化を含めた組織率の拡大を、産業構造転換に対応した労働運動のあり方等、こうした諸課題については今後に先送りされているのである。
 第三に、「連合」の目指す労働運動の姿が、ここ二度の「連合春闘」や「消費税反対闘争」の中で明らかになったことである。
 それは、従来の末端からの要求積み上げとその中での討議による統一と団結の強化を背景に、団体交渉・ストライキによって要求を実現していく運動とは全く別のものである。「連合」の重視するものは、数の力を背景に政策提案を行い、その政策の「質」によって要求を実現していこうとするものである。そして、産別、地域、職場での独自課題は、それぞれが自主的に(連合の基本政策から逸脱しない範囲で)自決すべきという運動路線である。
 こうした路線では、「労働運動冬の時代」を克服できないことは明らかである。(しかし、この点を指して「連合は労働組合でない」という立場を取ることは誤りである)
 そして、組織・未組織労働者の不満や要求はその多くが産別、地域、職場の課題へと追いやられることにより、そこにおける闘いのあり方が今後の「新連合」の方向性を左右する勢力の創出の重要課題となるのである。

<「新連合結成」と日本共産党の果たした役割>
 統一労組懇結成から今日まで、日本共産党は自党支持者でないものは「反共=右派」と決めつけ、「右派」指導下にある労働者を「右派」へと追いやることに全精力を費やしてきた。労働者の真の要求を導き出し、粘り強く説得し実践の力で「反動」の中でも組織作りを行う任務を「堂々」と放棄し、そのことによる「右派」の「選別排除」を口実に別の「闘うセンター」を組織しようとしている。「右派」「左派」の闘いの熾烈烈な闘いの現場を放秦し、その責任を「右派幹部」へと一切転嫁する姿に共産主義者の指導性はかけらもない。
 にもかかわらず、彼等の指導下に存在する約一八〇万人(公称)の労働者は極めて献身的で優れた活動家である。
 そして、彼等の対応の不統一は、平和運動での社民主要打撃論(社会党は平和の敵)、国政での課題による統一戦線指向、労働運動での赤色組合主義の純化と矛盾をあらわにしている。そこに統一して流れていることは、選挙対策の大衆追随主義である。そして、「闘うナショナルセンター」は、そのための実行部隊としての役割を担わされている。

<「全労協」はどこで闘うのか>
 そして、「連合へも統一労組懇へも行けない組合・活動家の結集を目指した」労研センター・「全労協」は、結果として「新連合」を内部から変革し得る総評労働運動が育てた最も素晴らしい勢力を、その最も困難な闘いの場から遠ぎける役割を果たしてしまった。
 日本の労働運動を変革するために、日本の基幹産業である第三次産業を組織する「新連合」を変革しなければならないのである。そのための勢力が、「連合の外」で結集し外から変革の旗を振ろうとしている。
 それで労働運動が階級的に変革することが可能ならこうした事態にはなっていないはずである。

<単産・地域・職場で、真の活動家を結集する努力を>
 労働運動に新しい局面が到来している。それは、「新連合」の発足を、結局は政界再編の小道具に解消するセクト主義に追いやってしまうのか、それとも「労働運動冬の時代」を克服し得る全労働者の労働運動へと取り戻していくのかの闘いである。
 その舞台は今、単産、地域、職場でどのような闘いを、党派を超えて献身的で職場の仲間や職場のあり方を産業のあり方を真剣に考える活動家を、いかに組織していくことができるかということにかかつていると言っても過言ではない。
 そのカギは、「あなたはどこを支持するか」ということではなく、「長時間労働と低賃金と、住宅・年金問題に示されるように将来も見えない生活に、産業が生き残るためには多少の犠牲もやむを得ないという「正当」らしき議論に、豊かさというキャンペーンにどこか首をかしげる人達」に、展望と確信を与えることのできる、政策の提案と地味ではあってもその実践が、その積み重ねと豊富化が求められているのである。
 「職場で、地域で連合の運動の限界を克服する運動を、連合の内外で創出しよう!」

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