青年の旗 161号(1991年3月15日)
【投稿】 91フォーラム関西(2/3)に150名が参加
 去る2月3日「91フォーラム関西・・社会主義・・その根源を問い直す」が部落解放センターで開催され、150名以上の参加者があり、5時間におよぶ討議が行われた。
 このフォーラムは、松江澄さんはじめ12名の呼びかけ人から提起され、激動する社会主義の現実を前にしてこれまでの立場、諸個人の関係を越えてフリーに意見交換することを目的に準備されてきました。1月15日にはプレフォーラムも持たれ、事前討議も行われました。
 当日の問題提起者は松江澄さん、生駒敬さん、松本健男さん、田畑稔さん、大賀正行さんの5名の方々でした。(発言予定であった大阪唯研の田畑氏は大学入試のため出席が遅れたため、最後にレジュメについて簡単な説明をされました。)
 
 はじめに司会の小森春雄さんから開催に至る経過説明、さらにフォーラムという形態(参加者の自由な発言を保障する形態)、集会の進行の説明がありました。

 松江さんは、現存社会主義の崩壊は全面的であり、根底的なものである。根底から見直す視点はフランス革命・パリコムミューンの歴史を歴史的文脈として見直すこと。ソ連東欧の問題では、政治的民主主義と市場経済の成立には相互関係があること。市場経済の中で民主主義をつくりだす契機があり、ソ連にはそれがなかったのではないか、との指摘がありました。
 現状の貧困や差別・不平等をなくすための運動、民主主義運動を強めて新たな政治的バランスを作ることを始めるべきではないかと問題提起されました。
 生駒さんは、社会主義の名の下にこれまで自明とされてきたものが問い直されているとして、「民主主義・市場・社会化・全人類的課題・・反省と克服の視点」と題した報告がありました。社会主義の名の下にこれまで自明とされてきたものが問い直されている。民主主義に対しては、社会主義よりも低次元のものとして軽蔑する傾向はなかったか、民主主義の土台のない社会主義は存在できず、その欠落は権威主義・官僚主義的な体制とならざるを得ないこと。また、市場については、市場経済を無政府性と同一視し、計画経済に対置してこなかったか。
 社会化については単純に国有化と理解し、形式的な社会化を行い、国家機関の所有集中に変質させ、勤労者の地位を喪失させてきた。また、全人類的課題については、階級的視点こそが決定的であり、人類的問題を言うのは日和見主義との傾向があった。これによって労働者階級にとって人類的課題こそが自らの利益の最高の表現であると言うことを忘れさせ、平和・環境・経済になどの課題に対する広範な協力、統一運動を疎外してきたことなどを指摘され、民主集中については、組織は本来自主・自覚に基づくものであり、原則として出入り自由・二重加盟OK・目的に沿ったネットワーク的組織が望ましいことが強調された。
 松本弁護士は、ペレストロイカの経済的側面についての分析について報告された。生活物資について安易に準備もなく、市場経済を導入したことが、現在の食糧危機を招いているのではないか、との私見も述べられた。
 最後に大賀さんは、新しい思考について、社会観におけるコペルニクス的転回であり、新思考の前提には人類的な危機の深刻な認識があること。新しい思考の条件としては、平和勢力の世界的形成、経済の相互依存関係の形成、などをあげられた。教訓としては、反宮本勢力の敗北について、またセクト主義は人類思想の欠如の表れであることなどを報告された。
 その後参加者から、各々の経験や考え方から意見が述べられた。主な発言者では荒木さん(社会主義理論センター)山本正美さん(労研)友永さん、村岡さん(稲妻社)荒木さん、柴山さん(労研)志賀多恵子さん、脇田さんなどが発言し、あっと言う間に5時間が経過した。
 最後に松江さんが、違いがあっての統一を大切にしたいと締めくくられ、今後フォーラムを継続していくことを確認して終りました。
 フォーラムの報告集の発行が準備されているとのことです。 (大阪 H) 

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