青年の旗 193号(1993年12月15日)
【投稿】 ロシア総選挙の結果について
◎ロシアの新議会選挙で、フィンランドの併合まで公然と唱える極右のジリノフスキーの党が躍進した。彼がエリツィンと大統領の座を争った2年前に比べ約2倍強の支持を集めた。この結果が判明するや、大統領報道官のコスチコフは「ジリノフスキーともうまくやっていける」と言ってのけた。これは一見奇異な感じを与えるが、ソ連邦崩壊後の対外政策を振り返って見れば、それほど驚くに値しない。
◎ソ連邦崩壊後エリツィンが、クリミヤの返還を要求したりカザフのロシア人居住地域の領有を主張したりしたことに見られるように、ピョートル崇拝者のエリツィンにとって、ジリノフスキーの言動の明快さは羨ましい限りのものに映っているのではなかろうか。
◎CIS内部でのロシア人保護の名目でロシア軍の平和維持活動の合法化を求めたり、旧ワルシャワ条約機構参加諸国に対するNATOの攻勢にプレジネフドクトリンの復活ともとられかねない論理を展開して見せたコーズレフ外相の最近の発言は、エリツィン・ジリノフスキー連合があながち幻ではないことを物語ってはいないか。
◎最近制定された国章は「双頭の鷲」を形どった帝制ロシアのそれに酷似したものであり、採択された新憲法もその時代を思い起こさせるものであるといっても過言ではない。この面でも体制の整備が進んでいると見るのはうがち過ぎであろうか。今後、エリツィンが「国内の反動勢力を押えるために」という、かつて最高会議を隠れ箕にしたのとおなじ手法で、徐々にロシア帝国の復活の道を突き進むことだって十分考えられる。
◎「民主主義者」エリツィンを支持しその権力基盤の強化に手を貸してきた西側に以外と大きなツケがまわってこないと断言できる根拠はない。国内問題もさることながら、軍事ドクトリンを含むロシアの対外政策についてロシアの改革諸派がどのような態度をとり、大ロシア主義にかわる新しいアイデンティティを国民の前に明示しその発展を促すことができるか大いに注目されるところである。(0) 

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