アサート No.309(2003年8月23日)

【投稿】 ひよっとして政権交替?
     
・・・・・民主・自由合流で解散総選挙を占う・・・・
 いよいよお盆明けから政治の季節に突入する。
 
 <9月自民党総裁選挙>
 9月8日には自民党総裁選挙告示、20日投票で自民党新総裁が誕生する。総裁選挙は大方の予想は小泉再選で揺るぎはないとはいえ、地方の自民党県連で小泉を支持しない動きが出てきている。橋本派の候補者選び・調整は8月28日に行われ、最大派閥の橋本派の動向が注目されている。
 今回の総裁選挙の特徴のひとつは、総裁公選との触れ込みの党員投票が、前回は各県に3票与えられたのに対して、300票となったこと。全体では300票+国会議員一人1票の合計となり、地方の比重が増えたことである。自民党改革・構造改革を目標としてぶち上げ、ライオンブームとまで盛り上がった小泉フィーバーも今は萎んで、地方からの小泉支持は不透明である。もちろん、しっかりした対抗馬が出ればの話ではあるが。
 
<支持率低下に苦しむ小泉内閣>
 一時回復したかに見えた内閣支持率だったが、特にイラク戦争への態度、自衛隊派遣を含むイラク特措法の強行を境に、内閣支持率は、低下ないし横ばい状態が続いている。「抵抗勢力」と言われる野中や江藤、亀井が、言葉の上でだが小泉打倒を叫んでいることは、小泉人気が衰えてきている現時点では、内閣の不人気を拡大する。
 もちろん、総裁選を越えた時点では、選挙に向けて挙党体制を敷くことにはなると思われるが、政治家がお笑い番組にまで登場する現在、選挙に入っても国民はそれまでの発言や放言を忘れることはなく、小泉独裁内閣の弱さは、どこかで露呈することは必至と思われる。
 
<民主・自由の合流で期待高まる>
 私自身も予想していなかったのが、自由党の無条件での民主党吸収・合流だった。野合だ何だというつもりはない。むしろ、その後の世論調査によって、この合流が好感されていることが明らかにされており、小沢の政治感覚の鋭さ(?)には敬服といったところか。
 自民党・公明連合に対抗できるには、小沢の歯切れの良さやそこそこ悪いこともやってきた「安心感」が必要なのかも知れない。
 共同通信のシュミレーションによれば、合併効果によって「16議席増、小選挙区95、比例70で166議席となり、自民党は小選挙区で11減らし、単独過半数を失い、3党の連合でようやく259となり過半数は維持」という結果だという。前回の総選挙の得票を基礎にしているわけで、現実にさらに自民批判・与党批判が強まれば・・・・。
 社民・民主の選挙協力も具体的な決着には至っていないとは言え、少なくとも与党側の出遅れよりは、前を向いていると思われる。
  
<自民に不安定要因>
 小泉・反小泉の中央における対立を反映してか、全国の自民党の選挙区事情は決して安心できる状態ではない。調整が追いつかず、候補者乱立の傾向も出てきている。また10名を越える大物長老議員の引退が予定され、「世襲制」により二世候補が当たり前のように擁立される傾向は、親が死んで弔い合戦ならいざ知らず、平時に「世襲」がまかり通る事態には批判が出てきている。官僚あがりか二世議員しかいない政党が国民に支持されるものであろうか。もちろん、自民党では政治家になれないのなら、民主党で、というのもいかがなものか、とも思うけれど。

<戸惑う公明に危機感>
 さらに、民主・自由合流に危機感を募らせているのが公明党である。自民党の悪政に加担しながら、おこぼれのような福祉で点数稼ぎをしつつ大臣病に重度感染したこの宗教団体(政党)も、イラク特措法あたりから、小泉と心中はできないと少しは思い始めたらしい。そして民主・自由の合流が国民から好感されている現実の中で、危機感を自民党以上に募らせているようだ。事前の政党ポスターも「与直し公明党」と。
 日経新聞の世論調査調査での、「投票したくない政党」比率は、共産党に次いで依然高い。自民党との選挙協力も進んでいないと報道される中、池田会長が檄を飛ばしているという報道もある。

<政治は政(まつりごと)、変化の期待がバケルかも>
 合流民主党が伸びても、保守2大政党制が強化されるだけで、国民のためにならないというのが、「新左翼」や小政治グループの主張に見受けられる。現実政治にコミットしたくなければそれでいい。しかし、自民党は小泉人気で息を吹き返したように見えているが、すでに命脈は尽きている政党でしかない。ただ、対抗できる・信頼してもいいかもしれないという勢力の登場があれば、瓦解させることが可能である。小泉を最後の自民党出身の首相にしてしまう可能性は大いにある。
 自民や公明は「野合」だと言っている。自らが「野合政権」であることを忘れて。例え政権交替がないとしても、小泉では勝てないという状況が出てくれば、次のステージの幕が開くのである。
 
<すべてを先送りにしている政権>
 構造改革という言葉が踊っているが、年金改革・医療制度改革しかりで問題先送りしかしてこなかったのが小泉政権である。消費税についての態度然りである。
 イラク「復興」の泥沼化、北朝鮮問題での手詰まり、株価が1万円を回復したとは言え、経済にはまだ灯りは見えていない。道路公団民営化・郵政民営化では国民の負担増は必至であり、「痛みを伴なう改革」が「改革という国民負担増」という中で、1票を投じてもいい選択肢としての「新々民主党」への期待は結構基盤はしっかりとしたものであると言える。
 実は民主党にも、このチャンスを最大限生かすことができない場合の大きなリスクを抱えている。一頃の党内不和は表に出てきていないが、確かに右も左も共存している党である。しかし、成功の経験は不和を抑えるし、統一しなければ勝てない場面でのまとめ方もそろそろ「旧々民主党」結党以来10年の経験によって党内運営のルールを形成してきていると期待したいものだ。
 いずれにせよ、今秋の解散総選挙は、与党・野党の双方にとって試練であり正念場であることに変わりはない。読者各位の政治への関わりを期待したい。(佐野秀夫)

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