ASSERT 401号 (2011年4月23日発行)

【投稿】 浜岡原発を即刻停止させよ!
【報告】 東日本大震災と「計画停電」問題
【投稿】 福島原発事故とトモダチ作戦の狙いから見る日本の核の闇
【日々雑感】 大震災に思う@
【コラム】 ひとりごと---統一地方選挙雑感---

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【投稿】 浜岡原発を即刻停止させよ!

<<「絶対的にできる保証はない」>>
 原発震災は深刻きわまる人災であり、その放射能汚染の無責任な垂れ流しは、国内的のみならず国際的な犯罪でもある。その危険極まりない原発災害収束のめどはついたのであろうか。
 4/17に東電が発表した「福島第1原発事故の収束に向けた工程表」は、「1〜3号機の原子炉を安定状態に持ち込むには、6〜9カ月程度かかる」との見通しを示し、3カ月程度で「放射線量の着実な減少傾向」を、6〜9カ月程度で「放射性物質の放出が管理され、線量の大幅な抑制」を目指すとしている。しかしこんな発表を誰も信じてはいない。東電の勝俣会長自身が会見の場で「絶対的にできる保証はない」と答えている。
 明らかなことは一ヶ月以上を過ぎた現時点でもなお、原発災害の拡大には未だ歯止めがかかっていないし、放射能汚染は拡大し続けているのである。
 この原発災害を押さえ込み、これ以上の放射能汚染を拡大させないことが緊急かつ最大の課題であるが、そこには重大な障害が存在している。
 そもそも今回の原発震災では、初動からして事態をより深刻にさせる東電ならびに菅政権の自己保身が最大の障害となっていることが指摘されなければならない。東電は利益優先から原子炉の廃炉をまぬかれるためにホウ酸冷却処理を拒否し、それと歩調を合わせ、東電の言いなりになってパフォーマンス優先でヘリコプターで現地視察をして戻ってきた与野党党首会談の席上、菅首相が「原発は大丈夫だ」と説明しているさなかに、問題の1号機の原子炉建屋が吹っ飛ぶ水素爆発を自ら招きいれたのである。初動の重大な犯罪的な誤りは、次から次へと水素爆発を招来し、すべてがずるずると後手後手処理に回らざるをえなくなった事態をもたらした。この初動の責任は覆い隠せるものではないし、単なる責任以上の犯罪的行為であるとさえ言えよう。かれらの言い訳は、すべて「未曾有の」、「想定外の」自然災害という言い逃れである。しかしこの初動における本質的な過ちは、自然災害の名の下に許されるものではないし、これは明らかな彼ら自身による水素爆発と放射能汚染を招いた直接的で犯罪的な「人災」だと言えよう。国内外に対して明確な責任を取るべきであろう。

<<「日本に無能と言いたい」>>
 責任も取らずに、原発危機の対処は他の閣僚に任せ、手前勝手な復興構想に逃げ出し、政権維持に汲々とし、首相への居座りだけが自己目的と化しているのが現在の菅政権の実態と言えよう。
 しかしその間にも、汚染放射能の放出量は膨大な量に達し、原子力安全・保安院は3/18に米国で79年3月に起きたスリーマイルアイランド事故と同じ「レベル5」と評価していたものを、4/12になって急遽、最も深刻な「レベル7」へと2段階引き上げたのである。問題は、菅政権も原子力安全委員会も3/23時点で「レベル7」相当の放射性物質の放出があったと認識していたにもかかわらず、情報を隠蔽し、事態の深刻度を公表せずに、事態を乗り切るためのしかるべき対処・対応を完全に遅らせてしまったことである。最初の2回の水素爆発を招来した時点で、1時間1万テラベクレルの放射性物質を放出しており、すでに「レベル7」に達していたことは間違いがないと言えよう。「最も驚いたのは、大量の放射性物質が出たと公的に認めるまでに1カ月もかかったことである」(米紙ニューヨーク・タイムズ)と指摘される、菅政権の危機管理能力の欠如である。
 そしてこの危機管理能力の欠如と無責任さの極めつけは、4/4に放射能汚染水を直接太平洋へ放出するに当たり、その三日前には政府が事前に米国側と協議し、内諾を得ていたが、韓国や中国、ロシアなど近隣諸国にはまったく知らせず、福島県内漁協には放出する直前にFAXで知らせたという、そのあきれ果てたやり方である。自民党以上の対米従属路線の帰結がこれである。海洋放出を避け、地上で保管する方法が存在しており、そのための努力さえせずに、現代の世代ばかりか未来の世代にまで悪影響を及ぼす、絶対に避けるべき海洋放出を平然と一方的に行うその無神経さ、民主主義を根本から否定するその行為が問われているのである。近隣諸国から抗議を受けてその実態が明らかになったのであるが、事前の対処や周知、準備や意見をさえ表明させない、そして市民の生命・健康を完全に無視したこの稚拙なやり方は、これまた犯罪であり、国内法にも国際法・条約にも背反する行為である。ロシアの原子力専門家は、日本の汚染水放出を「国際犯罪だ」と批判し、韓国の金首相がこの海洋汚染の日本の対応について「日本に無能と言いたい」と発言したのは、当然だと言えよう。周辺諸国のヒューマニズムと善意にもとづいた災害支援の「絆」を自ら断ち切るような、民主主義の最低限の約束さえ守らない、国際的信頼を裏切り、失うこんな政権が存続すること自体が恥ずべき事態である。こんな事態が長期化すれば、日本への同情が怒りへと変化するであろう。

<<「謝罪をするつもりはない」>>
 事態が楽観できないことは、菅政権の対応能力の無さばかりではない。危機が長期化しかねない重要な要因に、日本列島全体がこれからまだまだ現実的に起こりうる巨大な地震災害におびやかされており、それでもなおかつ53基もの原発が稼動しており、第二、第三のフクシマの現実的危険性があるにもかかわらず、原発をストップさせるという根本的政策転換がこの期に及んでも明確に提起されていないという根本的問題点が存在していることにある。しかも電力各社は原発依存・拡大路線を撤回するどころか、あくまでも推し進めようとしている、その今回の地震から教訓を学ばない異常さである。
 与謝野馨経済財政相に至っては、「今後も日本経済にとって、電力供給にとって、原子力発電は大事だ。(原発を)推進してきたことは、決して間違いではない」と述べ、「原発を推進してきた立場として今回の事故に謝罪をするつもりはないか」という記者の質問に対し、「ないです」と述べる無責任の極みである。
 しかし自然災害は、こんな菅政権の無責任極まりない姿勢を容赦なく揺さぶり続けている。今回の東日本大震災の大きな特徴は、引き続く余震の強大さ、数の多さ、広がりの不気味さであろう。東南海地震に連動する、あるいは誘発する現実的可能性が存在しているのである。
 4/7の最大震度6強の余震でも、東北電力東通原発と日本原燃六ケ所再処理事業所では外部電源を喪失し、東北電力女川原発では、外部電源4回線のうち3回線が遮断される、など軒並み危機寸前の事態に追い込まれている。東南海地震ではその震源地に最も近い浜岡原発は今や危険極まりない存在と化しておりながら、平然と運転が続行されている。一刻も早く停止させなければならない存在である。
(生駒 敬)