【投稿】トランプ氏「5000ドルの配当金」:冷ややかな反応

<<空席多数の選挙集会>>
9/10、トランプ米大統領は、テキサス州ダラスで開かれた共和党の選挙集会で、「もし共和党が下院と上院、その両方で勝利すれば……私は米国のすべての成人市民に対し、5,000ドルの配当金を支給する」と述べた。一部の熱狂的支持者は、「これは巨大な勝利」だとしているが、この選挙集会、2万1000席のアリーナが「満員」だと主張したが、同氏の演説中、上階席の大半は空席のままであった。11月3日に行われる米中間選挙を目前に控え、支持率低迷から脱出できない焦り、切迫感から飛び出したのが、とんでもない、票を金で買い取るという、事実上違法な買収提案であった。

この「トランプ配当(Trump dividend)」、2億7,000万人の成人に5,000ドル(約77万円)を支給する場合、米国政府の負担額は約1兆3,500億ドルに上る。しかもこの提案は、米国の公的債務がここ数週間で初めて40兆ドルを超えたタイミングでなされたものである。

支給の仕組みは明らかにせず、その合法性も不明だ。米成人は約2億7000万人で、この案には約1兆3500億ドル(約207兆1700億円)ものコストがかかるとみられる。

<<「実現の可能性ほとんどなし」>>
中間選挙は2026年11月3日に開催され、下院の全435議席、上院は3分の1の35議席が改選される。調査会社「デシジョン・デスクHQ」は、民主党が上下両院で過半数を奪還し、上院は民主党系51議席、共和党49議席、下院は民主党系230議席、共和党系205議席になると予測している。(c)AFP

米国の負債総額は40兆4,047億ドルに達し、1日で610億ドル増加

ブルームバーグのストラテジスト、マーク・カドモア氏は、大規模な財政投入が、米国債の軟調、ドルの下落、コモディティ(商品)やその他の実物資産への需要といった、市場における既存の圧力をさらに強める可能性があると警告した。
「市場の反応は極めて限定的ですが、それはまさに、誰もこの案が実現する可能性をほとんどないと考えているからです。米国経済は好調で、すでに過熱のリスクを抱えています。そのような状況下で、資金調達への圧力がかかっているにもかかわらず、これほど巨額の追加財政刺激策を投入すれば、市場がすでに注視しているあらゆる力学――米国債の軟調、ドル安、コモディティや実物資産への資金流入――を悪化させることになるでしょう」とカドモア氏は述べている。

なにしろ、米国の負債総額は40兆4,047億ドルに達し、1日で610億ドルも増加しているのである。

(生駒 敬)

 

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