☆民学同第1次分裂の経過について
1963年に関西で産声をあげ、1960年代中期までに全国化を達成し、学生運動統一への力強い前進をした民学同。しかし、その後、1968年3月に第1次分裂、1970年3月第2次分裂、そして1975年3月に第3次分裂を経験する。
このページでは、第1次分裂に係る新聞記事、諸文書について、「収集」してみたい。
今後、資料を追加していく予定だが、まず、「統一」紙面上の、学生運動関係記事を整理する。第1次分裂のひとつの要因は、「共労党」の存在であろう。「統一」は、共産主義労働者党の機関紙である。
今回、所蔵する「統一」の全紙面を再点検した。ベトナム反戦運動や学園紛争の高揚期に、「自派の学生部隊」を持ちたかった共労党が、民学同から「左」の部分を切り取ったというのが私の印象である。
その後、71年の共労党解体によって、さらに、「ゲバルト主義」の退潮と共に消えていった。1972年大阪市大には一人もいなかった。全共闘の中に埋没し、消滅。フロントも同様に。
共労党機関紙「統一」上の学生運動関連記事一覧
1968年4月1日 | 共労党「統一」 NO269 | 民学同大会が成功 右翼分裂主義者は脱落 |
1968年4月8日 | 共労党「統一」 NO270 | 激動の70年代を担う戦闘的政治同盟の建設をめざして(民学同第9回大会) |
1968年4月8日 | 共労党「統一」 NO270 | 自治会共闘 4月下旬に再び全国闘争 |
1968年4月8日 | 共労党「統一」 NO270 | 民学同9回大会の意義と任務 |
1968年4月15日 | 「民主主義の旗」(共労党系)No46号 | 7月全国学生自治会共闘の結成から単一全学連再建 |
1968年4月15日 | 「民主主義の旗」(共労党系)No46号 | 「先進的学友は民学同に結集せよ!」民主主義学生同盟の性格と任務 |
1968年4月15日 | 共労党「統一」 No271 | 4月闘争の爆発へ 野戦闘争をふまえ |
1968年4月22日 | 共労党「統一」 No272 | 全力あげる民学同 各自治会の指導権確立も |
1968年4月29日 | 共労党「統一」 No273 | 全学連の再建めざし 7月全自代の成功のために |
1968年7月8日 | 共労党「統一」 No283 | 70年闘争を担う自治会共闘運動の強化のために 共労党学対部 |
1968年7月15日 共労党「統一」 No284 | 自治代へ結集を 6学生自治会が訴え |
1968年9月9日 共労党「統一」 No292 | 70年安保を担う同盟の戦闘組織への発展を 民学同第10回大会が確認 |
1968年10月28日 共労党「統一」 No298 | 自治会共闘 東西で最大限動員 騒乱罪粉砕のため |
同上 | 御堂筋・大阪駅を占拠 職場反戦・自治会共闘先頭に |
1969年4月7日 共労党「統一」 No319 | プロレタリア学生同盟結成 |
1969年4月14日 共労党「統一」 No320 | プロレタリア学生同盟結成宣言 |
1969年5月12日 共労党「統一」 No323 | 大学治安立法粉砕へ プロ学同中央委員会が訴え |
1969年5月19日 共労党「統一」 No324 | 自主規制-改革案と対決し、大学制度を告発せよ–プロ学同島根大支部– |
1969年5月29日 共労党「統一」 No325 | プロ学同が全国動員を決定 6月闘争に総力を |
「民主主義の旗」紙上の、第1次分裂関係の記事
1967年4月7日 民主主義の旗 No38/39号 | 誌上討論(核防条約の評価をめぐって)※1 |
1968年4月10日 民主主義の旗 No46/47号 | 同盟破壊分子の脱落とその教訓 |
1968年4月20日 民主主義の旗 No48号 | 同盟脱落分子(共労党系)のわが同盟に対する組織的暴力行為を弾劾する |
1969年4月25日 民主主義の旗 No59号 | 同盟5年の歩み その5 情勢の転換と同盟の再編成 |
※1 メモ書きは、小野先生によるもの。執筆者氏名等と思われる。
諸文書(「日本のこえ」紙掲載記事を含む)
1968年(発行日不詳) | 「2月27日代表委員会の経過」 <資料>2月27日「代表委員会」の事実経過について※2 |
1966年4月26日 日本のこえ No92号 | 民学同第6回大会開く 活動通じ真の統一を |
1967年3月21日 日本のこえ No138号 | 明治大学学費闘争前進のために |
1967年4月11日 日本のこえ No141号 | 民学同第7回全国大会開く 核拡散防止条約を基本的に支持 |
1967年8月29日 日本のこえ No161号 | 最近の学生運動とネオ・トロッキズム–原水禁学生集会を中心に– |
1967年9月12日 日本のこえ No163号 | 民学同第8回臨時大会 一部のネオトロッキズム的偏向正す |
1968年3月19日 日本のこえ No189号 | 民学同 分裂策動を克服へ 大会へ統一の努力 |
1968年9月11日 日本のこえ No212号 | 結成5周年 民学同第10回大会開く |
※2 同文書は、1968年2月27日の「同盟代表委員会」の経過について、実名で書かれているので、掲載を見合わせます。
また、同文書には「代表委員会強行」に対する、各支部の議論経過・見解が収められている。
「大阪府委員会の要請事項、東京都委員会決議、阪学大支部の確認点、神奈川大学支部決議、京大支部要望事項,早大支部決議」など、いずれも「9回大会開催要綱」が、組織内民主主義を逸脱していることを指摘し、全同盟員の討議が必要であることを、その内容としている。