民学同第3次分裂

民学同 第3次分裂について

 民学同第3次分裂は、学生同盟に限れば、1975年3月の「第13回大会第7回中央委員会」における「第14回全国大会草案」議論を端緒とし、様々な経過を経て、同年5月24,25日の「第14回臨時大会(全同盟員総会)開催」、新執行部確立によって終結した。
以後、民学同を名乗る組織は、我々「新時代派」、そして「新デモクラート派」「学生共闘派」の3組織が存在することとなった。

 この第3次分裂の発端は、背景に同盟OBを中心とする「青年同盟」の結成に向けた準備段階での、同盟OB、関係者間で「組織の性格」をめぐる議論と混乱が存在した。それが、民学同内部に波及した、或いは波及させられたとも言える。
 その意味では、本来の問題である同盟OB、青年グループ内での論争・分岐について、意見の相違や論争の経過について、別のチャンネルで「総括」されるべきであろう。

 このサイトでは、「民学同第3次分裂」の経過に限定し、時系列と事実関係、論争経過について、可能な限り、機関紙記事等(双方の主張)について、簡略化することなく紹介していくことにする。この文章を書いている私自身、まさに当時者であった。第7回中央委員会以後、当時の四常任委員による「組織内民主主義の破壊」「同盟、機関紙の私物化」に対して、反対意見が続出することとなった「大阪市大支部総会」(3月23日・25日)にも参加している。
 
 この第3次分裂が不可避であったのかどうか、私個人はそうは思っていない。「革命か改良か」「同盟の政治的思想的原則的統一の必要性」などについて、組織内に相違する意見があったとしても、組織分裂に至る必然性は、少なくとも、我々の側にはなかった。
 しかし、彼ら「新デモクラート派」は、「強固な意志統一」「原則性での一致」など、学生党的な「鉄の団結」に固守した。正規の中央委員会の開催を無責任にも拒否、同志をスパイ扱いする行為、そして「修正主義、解党主義との非妥協的な闘い」などと、「組織強化なくば、恐慌下では闘えない」として組織分裂を引き起こしかねない態度に終始した。(当時の四常任委員に、分裂の覚悟があったとも思えないのだが)
Hさん
,Mさんは市大支部出身である。支部総会では、一部常任委にモノ申す採決は、賛成53,反対11,棄権3、保留5(参加者72)という圧倒的な結果であった。出身支部からも見放された。OB論文にいう「戦闘的で強固な指導部」がこの有様であった。
 その後の経過では、彼らは圧倒的少数派に転落し、拠点も「阪大、学大」のみ、市大にも少数ながら存在した。東京の足場は皆無だった。事情の分からなかった支部も、彼らと袂を分かった。拠点の「阪大、学大」でも支部が再建された。
 彼らは「鉄の団結」の組織、少数ながらも、かなり長期に組織は存続したようだ。
 
 同盟の機関会議(常任委など)に、同盟OBが出席し「指示」を出すなどの「不当な介入」を恥も外聞もなく行なったことは、内容以前に論外であり、彼らの「組織強化」とは、「OBが同盟を指揮・介入する」という、どこかの「日和見主義政党」並みの行為によってしか、成り立たなかったシロモノであったことは、しっかり記憶に留めておこう。
 
 デモクラートNo62以降の各号には、この組織問題について「外部からの無責任な指揮が系統的に行なわれていることを示している 」(常任委声明)のような書きぶりが再三登場する。「自分たちがしていることは、向こうもやっているに違いない」と考えたのだろう。同盟の基本路線からの逸脱に対して、全支部・同盟員がこれに反発するのはあたりまえだろう。権威主義に屈服しない、官僚主義、行政的処分主義は許さない、それは同盟支部・同盟員が健全な証拠である。
 
(余談だが、聞くところによれば、「鉄の団結」を追求した組織も、1978年前後に分裂したとか、しないとか。関係文書あり。文責:佐野秀夫)

 以下は、1974年2月から1975年5月までの分裂の経過をまとめました。

【民学同 第3次分裂の経過について】

1974年
1974年2月20–22日   民学同第13回全国大会
           「民学同の10年と青年同盟結成の意義」
            同報告 同盟中央委員会報告

1974年12月10日   「知識と労働」10号発行 「特集にあたって」
           ※従来とは異なる発行経過、一部編集委員により独断発行
            これによって、「意見の分岐・対立」の存在が表面化する            
            「特集にあたって 74年の大衆運動とマルクス主義」

1975年
1975年1月17日   市大支部 総会(通常総会、議案書あり)
1975年1月20日   デモクラート60号
1975年2月12日   デモクラート61号
1975年3月3日   市大学生唯研ビラ(No11)「知労10号 小野論文の問題点」

1975年3月3日  「知識と労働」討議資料発行(10号特集派批判)

1975年3月11・12日  第7回中央委員会
(第1次草案を巡り論議、討論内容で豊富化した
第2次草案をもって、下部討議に付すことを確認)

1975年3月16日  「大会特集号は発行しない」とのH中央委員長とY書記長との確約
         (翌日、特集号初稿ゲラが仕上がってた。誰が編集した?)
1975年3月16日  「組織活動強化に関する決議(案)」を「常任委」で決定(?)

1975年3月24日   デモクラート62号 「主張」「小野批判」

1975年3月25日   大阪市大支部総会 上申書決定(23日の支部総会を再開)
          デモクラート62号発行とその内容に批判噴出
1975年3月26日   第1回事情聴取(午後5時) T中央委員・市大支部長に対し。
1975年3月26日   H中央委員長含む四常任委員、第8回中央委員会の開催を拒否
          「組織破壊行為、スパイ行為の関係者事情聴取が先だ??)
1975年3月27日   第2回事情聴取(午前8時)第3回事情聴取(午後3時)

1975年4月1日 付 「デモクラート」63号「組織強化に関する決議案」掲載

1975年4月15日   阪大支部に、デモクラート63号配布
            
1975年4月16日  「阪大支部での63号配布」にT市大支部長が、H中央委員長に確認
         「四常任委員の多数決で、常任委を開催し、『決議案』を決定した」
         「今後、市大支部は、常任委が直接指導する」と発言
        (「特別決議案の説明文では、『常任委の全員一致で決定』と記載)

1975年4月17日  私物化「大阪府委員会」、4名の府委員に連絡なし (権利停止?)
          「デモクラート64号の発行を確認、一部常任委が私物化」
1975年4月18日付 デモクラート 64号

          64号の内容
          【主張】現在の学生運動の意義と民学同の任務」
          常任委声明「同盟の飛躍的強化を」
          思想闘争の課題と修正主義批判の伝統」(大阪唯研・北山肇)
         「同盟趣意の歪曲について」(S署名)

1975年4月19日   「中央委員13名の緊急アピール」発出
1975年4月19日   同盟東京都大会 「全国大会早期開催のアピール」

1975年5月4日   副委員長呼びかけ第8回臨時中央委員会及び起草委員会(東京)

1975年5月15日付  デモクラート65号

1975年5月17・18日  第9回中央委員会★ 及び 第3回起草委員会(14回大会招請文)
1975年5月24・25日  臨時第14回全国大会 (全同盟員総会・大阪)
1975年6月12日    同盟機関紙「新時代」発行 (改題1号)
1975年6月14日   第10回大阪府大会 天理大支部、京都、和歌山の各大学支部も参加
              (議案書あり)
1975年8月27・28日  第15回全国大会 (東京)
1975年9月9日     大阪学大支部 再建

【関係文書】
1974年2月20–22日     第13回全国大会文書
            「民学同の10年と青年同盟結成の意義」
             同報告 同盟中央委員会報告
1974年12月10日     「知識と労働」10号
            「特集にあたって 74年の大衆運動とマルクス主義」
            「74春闘の成果と残された問題」
1975年1月20日      デモクラート60号
1975年2月12日      デモクラート61号
1975年3月3日      市大学生唯研ビラ(No11)「知労10号 小野論文の問題点」
1975年3月12日      第7回中央委員会報告
1975年3月       「知識と労働」討議資料発行
1975年3月16日     「組織活動強化に関する決議(案)」(「常任委採択?)
1975年3月24日     「デモクラート」62号 「主張」
1975年3月25日     大阪市大支部総会 上申書
1975年4月1日     「デモクラート」63号「組織強化に関する決議(案)
1975年4月18日     「デモクラート」64号
            【主張】現在の学生運動の意義と民学同の任務」
            常任委声明「同盟の飛躍的強化を」
           「思想闘争の課題と修正主義批判の伝統」(大阪唯研・北山肇)
           「同盟趣意の歪曲について」(S署名)
1975年4月19日     「中央委員13名の緊急アピール」
1975年5月4日      副委員長呼びかけ第8回臨時中央委員会報告
1975年5月17・18日   第9回中央委員会報告及び4回大会招請文
1975年6月12日     同盟機関紙「新時代」発行 (改題1号)
(第14回)大会成功の意義と民学同の統一のために

デモクラート、新時代 各号

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