<<11月中間選挙の期日前投票を呼びかけ>>
10/17の「権力は人々の手にある」――2026年中間選挙に向け、反トランプ・「ノー・キングス(No Kings)」イベントは、当初2000以上とされていたが、その後、3,000以上と報じられている。この日、米全50州で3,000を超える「ノー・キングス(No Kings)」集会が開催された。これは、2026年11月の中間選挙を控え、有権者に期日前投票を促し、投票所へ足を運ぶよう呼びかけることを目的としたものであった。
これまでの「ノー・キングス」デモはドナルド・トランプ大統領や共和党の政策に対する抗議が中心だったが、今回のデモは、来月の選挙において、アメリカ国民が自身の投票を確実に反映させられるようにすることを主眼に置いたものとなっている。「ノー・キングス(No Kings)」のウェブサイトにおいて、主催者らはこのイベントを「超党派の有権者参加の日であり、コミュニティとして互いにつながり、投票資格を持つすべての人が投票計画を立て、選択肢を把握し、自身の声を確実に反映させる準備を整えるための日」と位置づけている。
ジョージア州アトランタで開催された「ノー・キングス」のイベントで、政治団体「インディビジブル(Indivisible)」の共同創設者リア・グリーンバーグ氏は、トランプ政権による選挙介入の試みを阻止する上で、期日前投票がいかに重要であるかを強調した。
グリーンバーグ氏は、「アメリカにおいて権力は国民の手にあり、私たちは投票箱を通じてその力を行使するのです」と述べた。さらに、「この権利は権力者から与えられたものではなく、何世代にもわたる献身的で聡明、かつ勇敢な活動家たちが、自らの命や自由を危険にさらしながら、この国が掲げる約束を果たすよう求めて勝ち取ったものだということを、ここに集まった皆さん以上に深く理解している人はいないでしょう」と語った。
グリーンバーグ氏は、トランプ氏が自身の任期を通じて、いかに投票プロセスを攻撃してきたかを指摘。その例として、異例の「10年ごとの区切りを待たない選挙区再編(ミッド・ディケイド・リディストリクティング)」の強行や、郵便投票の権利を制限しようとする動きなどが挙げられる。「彼らは投票所で混乱や恐怖、困惑が生じることを望んでいるのです」とグリーンバーグ氏は指摘。「期日前投票は、こうした権利を守るための第一歩です。今日投じられた一票は、投票所の長い行列や閉鎖によって失われることはありません。」
10/15に行われたジャーナリストのスティーブン・ベッシュロス氏とのインタビューで、「インディビジブル」の共同創設者エズラ・レビン氏は、「ノー・キングス」の集会が「アメリカ史上最大の中間選挙投票率」につながることを期待すると述べた。その理由として、トランプ氏という「権威主義的な人物」が、あらゆる不確実性を悪用しようとしていることを挙げた。
ミネソタ州選出の連邦上院議員候補である民主党のペギー・フラナガン氏は(同州は昨冬、連邦移民局捜査官による取り締まりの標的となった)、土曜日にソーシャルメディアへ投稿し、「ノー・キングス」の集会への支持を表明。フラナガン氏は、「今年、ミネソタ州の住民は『私たちは王(独裁者)を認めない』という姿勢を世界に示しました」と記し、「今日、私たちは再びそれを示します。どこにいても、自分の声を届けましょう」と呼びかけている。

同じく、デリア・ラミレス連邦下院議員(民主党、イリノイ州選出)も、この活動に支持を寄せ、 「王はいらない。権威主義者も、戦争屋も、専制君主もいらない」、「全米各地で、アメリカの人々が街頭に繰り出し、隣人たちと民主主義を守るために組織的な動きを見せている! 忘れないでほしい、あなたには権利があるということを」と訴えている。
<<メタ社、事実上の検閲か>>
なお、この日、SNS大手のメタ社が、No Kings の公式アカウントを何時間にもわたり停止させ、全米各地で行われているデモの様子を収めた動画や画像を投稿をできなくさせていたことが明らかになった。Meta社の広報担当者は、「今回の『No Kings』のInstagramアカウントで起きたのは、投稿、シェア、コメントの頻度が非常に高い場合、自動化システムが作動することがあります。まさにそのケースです。この措置は明らかに誤りでした。心よりお詫び申し上げます」などと言い訳をしているが、「No Kings」の支援団体「Indivisible」は、「この言い訳は事実と合致していません」、「何が起きたのか、そして再発防止のためにMeta社がどのような措置を講じるのか、詳細な説明を求めます」と述べている。巨大IT企業による検閲への懸念が、実際上の現実として浮上していることが明らかになったのである。
11月3日の投票日を前に期日前投票を呼びかける、このような活動は、ニューヨークやロサンゼルスなどの民主党の地盤となる都市部はもちろん、トランプ支持、共和党支持の州まで含めて、全米各地の小さな町まで広がったという現実は、トランプ政権にとっては、手痛い政治的危機をさらに深めている、と言えよう。
(生駒 敬)
