★民学同の10年と青年同盟結成の意義
民主主義学生同盟第十三回全国大会決議 (「新時代」誌 第6号)
民主主義学生同盟は創立以来10周年をむかえた。
我々は、、この10年間、わが同盟の諸先輩によって同盟結成趣意と規約の中に簡単にかかげられ、第四回大会をはしめ大会諸文書 の中に具体化されている“平和と平和共存、反独占民主主義の政綱に導かれ、また、科学と民主主義の立場にもとづく一貫した原則的な思想・理論に導かれて、粘り強く不屈の政治的組織的活動を展開してきた。
民主主義学生同盟のこの10年間の活動は学生運動の分裂と混乱が続く中で、 一貫して国際学連の旗じるし「平和と民主主義、よりよき学園生活」のスローガンのもとに、学生運動の統一を実現することにささげられた。それは、左右の日和見主義—-一方では、街頭行動中心の一撲主義と労働者階級のヘゲモニーを否定する小ブルジョァ急進主義、すなわち学生先駆性論的革命論、他方で民族主義と選挙活動を最優先させる議会主義的日和見主義との絶えざる闘争の歴史であった。
われわれの闘争は、安保闘争・大学闘争、原水禁平和運動・ベトナム反戦闘争・原潜寄港阻止闘争・日韓条約反対闘争・部落解放運動等々のわが国の社会的政治的発展と世界政治にとってきわめて重要な意義をもつ各闘争において、輝しい成果をあげてきた。これらの闘争を通じて、われわれはつねに、民主主義的大衆的学生運動の再組織と統一、学生運動と労働運動の連帯と統一、労働者階級を指導部隊とする反帝・反独占統一戦線の結成のためにたたかってきた。
この10年間に、学生の客観的な社会的地位は、科学技術革命と、それにもとづく大量の知識人のプロレタリァ化に照応して、大きく変化した。同時に、学生の数はいちぢるしくぼう大なものになった。このことは一方では、学生の将来を知識労働者の大群の中に、労働者階級の同盟者として位置づけている。他方では、学生大衆のあいだに自分の二面的で流動的な地位に対する深刻な不安と動揺、現在の社会体制そのものに対する自然発生的な不満と憤激を生みだすと同時に、それ自体思想的混乱と左右の日和見主義の客観的源泉となっている。
われわれは、この10年間、うまずたゆまず思想的理論的闘争の決定的な重要性を主張し、思想闘争における非妥協性と一貫性によって学生のなかに労働者階級とともに進む民主主義的大衆的学生運動の強固な一翼を形成してきた 。
同時に徹底した民主主義者としての確認と民主主義と社会主義のための闘争における戦闘性と献身性を身につけた大量のOBを知識人労働者の隊列の中に送りだしてきた。彼らは研究者・技術者・科学者・事務管理者・教員・医師・看護婦・等々、知識人労働者の一員として労働者階級と一体となって活動している。これらのわが同盟の諸先輩達は、日常不断に、国家権力と支配階級による執勘なしめつけ、弾圧とたたかいながら、工場・事務所・学校・研究所等で、その他ありとあらゆるところで闘争を組織している。生活擁護をはじめ、労働者階級の社会的権利と解放のために闘う青年労働者とかたく結合し、労働組合運動においても、意識的で献身的な分子として活動している。
今日、彼らの結合された活動の力は、関西と関東と労働組合運動の内部で一定の持続した影響力をもつようになった。彼らによって組織される大阪労働講座と東京社会科学講座は、 マルクス・レーニン主義の立場に導かれてプロレタリア国際主義と反独占民主主義・反帝反独占民主主義の統一戦線の旗を一貫して高くかかげている。彼らの活動と結びついたわが同盟の一活動は、 一九六五年のヘルシンキ世界平和大会、一九七三年のモスクワ世界平和勢力大会へ代表を派遣し、これらの巨大な国際的潮流と連帯して、 わが国で国際主義に立つ平和運動を展望する原動力のーつとなってきた。
いまや諸先輩の活動は平和共存と反独占民主主義を旗じるしとする民主集中的な組織規律をもつ組織活動に発展すべき時機を迎えようとしている。たえず階級的抑圧の下におかれている職場のきわめて困難な条件のもとで活動している青年労働者の革命性と献身性がそのことを要求すると同時に可能なものとしている。労働者階級との連帯と統一を追求し 、同盟諸先輩と戦闘的革命的青年労働者による政治的組織的援助と助言を求めている若い真面目な学生の闘争は、そのことを真剣に強く要求している。
今日、資本主義世界は全般的危機の新しい局面に入った。独占とその政府によるとめどもない物価騰貴が勤労人民の生活を深刻な危機におとし入れている。
勤労人民と学生の生活は、異常な物価騰貴によってたえがたいまでに悪化している。公共部門を中心とする予算縮小と金融引締め政策の強化は、景気後退の中でインフレーションのいっそうの悪化と人民大衆の生活の窮乏を激しくしないではおかない。
それに対する大衆の不満と下からの自然発生的な反坑・闘争が急速に高まりつつある。広範な人民大衆は、この危機からの脱出口を真剣に求めている。
しかし、労働者階級と勤労人民の政治的指導部隊は、適確で現実的な出口を指示しているとはいえず、客観的な条件の尖鋭化にもかかわらず、この面での主観的条件のいちぢるしいたちおくれがみられる。日本共産党の現指導部は、主要な活動を大衆闘争から切り離された議会活動とそのための選挙運動におき、労働者階級と勤労大衆の生活の危機を、わが国の全体的な反独占民主主義改革を通じた社会主義の展望のなかに位置づけて、大衆的な社会階級闘争のカによって解決する方針を提起していない。日本の社会主義政党では、「高度成長」に「安定成長」を対置することによって、支配階級の「引締め」政策に、絶好の口実を与える方針が支配的なものとなっている。
本来、日本におけるすべての民主的青年を結集すべき日本民主青年同盟は、これまでからの小ブルジョァ民族主義、セクト主義、右翼日和見主議の諸偏向に加えて、今日では、議会選挙のための運動に一切の政治闘争の任務を解消する議会主義的偏向による決定的制約を課せられている。
かれらは、戦闘的な青年・学生の要求とその実現のための闘争に運動の高揚した決定的局面で常に敵対し、右からの大衆運動の破壊者として行動している。民青の誤った方針と、それにもとづく行動は、青年・学生戦線の統一と原則的発展の大きな障害となっている。
民青内部の指導者と広汎な層をとらえた、いわゆる“新日和見主義”の発生は、こうした誤謬に対する自然発生的な反発であった。
その主張は一定の積極的意義と正しさを含みながらも、依拠する思想と政策は民青現指導部と同様の小ブル民族主義の枠を越えることができず、その折衷主義と組織的堅固さの欠如によって、党と同盟の指導部によって官僚主義的に抑圧され、抹殺されるにいたっている。
共産党現指導部は、青年を労働運動や学生運動、平和運動において大衆的闘争に組織する活動を「大衆運動唯一論」としで批判し、アメリカ帝国主義の後退を認める見解や日本帝国主義との闘争を前面に出す見解を「米帝国主義の過小評価」として批判している。それによって彼らは、青年運動を議会主義と無原則な民族主義の誤った侠溢な枠の中におしとどめようとしている。
こうした現実は、原則的な思想と政策に依拠する政治的指導部隊とその下に組織される大衆運動の実践的な力なしには、民青同盟それ自身の内部に、自らの力で正しい立場に復帰する力と展望がないことを示している。民学同が結成趣意で批判した民青の基本的な誤りは、この十年間少しも是正されず、拡大再生産されている。
かってない危機のなかで、このようなわが国の異常な政治的組織的条件の特徴は、戦闘的で革命的な青年労働者に対する政治的指導部の確立を、広範な勤労人民と学生大衆の焦眉の要請とするにいたっている。
民主主義的労働青年の政治同盟の結成とわが同盟との兄弟的同盟関係での固い結合は、学生運動の原則的・大衆的発展に決定的な貢献となると同時に、わが国における反独占民主主義闘争とその主要な一翼をになう労働青年の隊列を不断に強化する重要な源泉となるであろう。
今日、広範な知識人労働者の利害は本来の労働者階級とますます接近しつつある。圧倒的多数の学生が、自己の将来の客観的な地位を自覚し、労働者階級と一体となって、わが国における民主主義的・社会主義的変革の積極的推進者として活動する時にのみ、国家独占資本主義の下での抑圧と搾取の体制から、全社会とみずからを解放しうることを理解しつつある。
かかる歴史的時代の到来は、労働青年と学生の同盟およびその強化を客観的に不可避なものとしている。わが同盟の同盟員として、たたかいの中で学び、獲得した理論と思想、政治的・組織的経験を学生時代だけでなく、卒業後の将来もまた労働運動に積極的に参加し、自分の専門的職業活動に従事しながら、生涯にわたって社会的進歩と勤労人民の解放のためにたたかうことは、確信ある同盟員の強く、熱烈な要求となっている。
われわれは、わが同盟の諸先輩が、このような要望と期待にこたえ、わが国の反独占民主主義と社会主義をめざす確固たる組織に発展・転化されることを強く熱望し、それと固く連帯して前進することをちかうものである。
民主主義学生同盟創立十周年万才!
青年同盟結成万才!
青年同盟との兄弟的連帯万才!
青年労働運動と学生運動の偉大な連帯万才!
一九七四年三月二十二日
民学同第十三回全国大会