(第14回)大会成功の意義と民学同の統一のために

(第14回)大会成功の意義と民学同の統一のために(「新時代」紙 改題1号)

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 民主主義学生同盟第十四回臨時全国大会は五月二四・五日の両日、大阪の地において圧倒的成功を収め開催された。同盟内に発生した深刻な意見の相違を克服するための全国全同志の真剣で、ねばり強い努力の過程で新たに生じた、一部指導的幹部の手による中央諸機関、政治機関紙「デモクラート」の私物化、中央委員会・全国大会開催義務の放棄など一連の組織内民主主義の破壊は当面する大衆闘争の全国方針の欠如、中央指導の崩壊などの新しい政治的、組織的困難をもたらした。
 即ちそれは一部に生じた、これらの諸偏向から自己を区別し、平和と平和共存、反独占民主主義、学生運動統一の旗を片時も降すことなく、常に学友大衆の死活の利益を擁護し、高い理論的水準と思想性を、そのなによりの保障として闘い抜いてきた輝ける我が同盟の伝統、揺るがすことのできない党派性、この立場を守るための闘いを緊急かつ焦眉の課題として提起した。

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 大会は、直面する平和と平和共存のための 闘い、相つぐ学費値上げ攻撃、深まる大学と教育の危機の下で勤労人民の教育権確立を目ざす闘い・学生解放研運動をはじめとした諸戦線の闘い、その方針の確立と実践、その発展を保障する中央指導の回復と中央機関紙、誌の発行体制の確立が、我が同盟が全国学友に負う必要最小限の任務であるとの確信の下に、その任務を達成した。
 大会は、このことが、存在する理論的、思想的誤診と混乱、組織的対立を固定化させるものではなく、その克服の基礎を据えるものであることを確認した。臨時第一四回全国大会が決定した我が同盟の直面する最重要の組織的任務は、混迷する学生戦線の現状が端的に示すように、同盟隊列の統一の回復と強化であり、大会に参加した全ての同志は、総力をあげてこの目的実現に遭進することの意志統一を克ち取った。
 大会は、同時に、この理論的、思想的諸問題において我々は無謬主義的立場と明確に一線を画し、独善主義を排し、夏に予定される 統一大会を目標に深く全面的な検討を批判と自己批判の同志的討議に基いて行なうことを確認した。結集した全ての同志は、この任務が大会不参加の少なからぬ同志を含む民学同全国全同志の共同の事業であり、その達成が同盟の政治的組織的統一をより確固不動のものとすることを確認した。

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 同盟中央委員会は、大会の課した任務を、次の立場に基いて遂行することを声明する。
日本学生運動が、幾多の不幸な分裂を代償として得た貴重な教訓『政治的見解の相違を理由に統一した闘いへの努力を放棄し、特定政党政派の利己的利害を大衆団体の利益の上におく・・セクト主義を拒否する』 『同盟が、学生運動における指導部隊としての役割を果すためには、科学性と戦闘性、なによりも同盟の隊列の強固な統一が必要とされる。組織内民主主義の発展こそ、科学的な政策と方針にもとづく同盟隊列の統一をつくり出し同盟の指導性をうち立てる最大の基礎である。』(同盟趣意)
 同盟中央委員会は、労働者階級をヘゲモンとする反帝反独占統一戦線の自覚的一翼を構成する学生運動自体の独自的展開と闘いの中で人類が獲得した最高の科学的理論を学ぶ。”マルクス・レーニン主義の学校”としての性格をもつ大衆的政治同盟の基本性格を断固として堅持し、”大衆運動と切り離されて理論的強化を語り、同盟を大衆組織から遊離させ孤立させ、統一戦線に客観的に敵対する分離結合論、少数理論活動家集団化”を拒否する。
 同盟中央委員会は、大会に参加した全ての同志を代表し、一部指導的幹部とその影響下にある全ての同志に呼びかける。平和運動をはじめとして大衆運動の統一を守り、共同行動をねばり強く追求し実現するための努力を直ちに開始すること。同時に、趣意と規約の立場が無条件に要求する組織的統一の回復強化に向け我々は、政治的、理論的、思想的ーーあらゆる組織的統一に関わる諸問題の卒直で同志的な話し合いのテーブルを設定する用意があるし、それを現実化させるための努カを直ちに開始することを呼びかける。

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 同盟中央委員会は、この任務が、大会によって明らかにされた諸方針の下に、全国学園において不抜の大衆的闘争を創出すること、一昨年の筑波法案粉砕闘争をはじめ東理大・市大・関大・洋大・その他多くの同盟拠点支部において闘い取られた明日の日本学生運動の姿を指し示した典型的な闘いの教訓に学び、それを一層発展させること、そのことを通じて同盟力量の飛躍的強化と分つことのできない課題としていることを確信する。同盟中央委員会は、全ての同志の最先頭に立って、何よりも第一に、大衆に支えられた政治機関紙の定期的発行と紙面の充実、それを基軸とした組織活動を確立すること、同盟内の理論的思想的、関心を一層高め、政策論議を巻き起こし、政治的、組織的教訓を継承させるために発行が停止している理論政策誌の発行を達成することを通じて貢献するであろう。
 同盟中央委員会は、当面緊急に要求されている諸闘争を以下の如く提起する。
 ベトナム、インドシナ人民の達成した歴史的勝利、プロレタリア国際主義の旗の下にその連帯を行動において表明すること、それは二つの革命政府を直ちに日本政府に承認させ、ベトナム以降の戦略ー戦争挑発と冷戦、反ソ反民族解放、東アジアの残された唯一の足場、日「韓」、日米、米「韓」 の同盟を打破すること、それは日本帝国主義の 「核安保」政策を根本的に転換させることである。全ての野党が全く正しくその意義を認めることのできない核防条約即時無条件批准を闘い取り、日本独占資本の独自核武装化の手をしばり、軍需独占体へのくれてやり政策の基礎を奪い取る闘いを被爆三〇周年世界大会の原則的統一開催実現に向けて展開することである。
 深刻なスタグフレーション、過剰生産恐慌の犠牲を人民に転嫁し、階級協調思想に基づく労働運動の内部からの懐柔、政治的反動を一見進歩的ベールでまとった三木内閣の下で学生生活は困窮の測に追いやられ勤労人民の教育要求は全く満たされていない。大学と教育の危機を突破する大学の反独占的改革を展望した、国公私学学費値上げ阻止の闘いを基軸として、学生生活擁護、民主的権利獲得の闘いをクラス、サークルから全ゆる大衆の闘うエネルギーを組織して闘うことである。

全ての同志諸君!全ての民主的学友諸君!
 同盟中央委員会は、以上の諸任務完遂に向け、全国学友の最先頭に立って共に闘い抜くことを熱烈に呼びかける。そして、これらの闘いが必ずや偉大な成果として結実し、明日の日本学生運動統一の事業に貢献するであろうことを確信する。

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