【資料】第9回中央委員会報告 (1975年5月17・18日)

【資料】第9回中央委員会報告ならびに第14回全国大会(全同盟員総会)への招請

 5月17・18日、第3回起草委員会、及び第9回中央委員会が開催された。

(1)大会草案について
 第3回起草委員会によってまとめられ、9中委に提起された大会草案について、闘争方針を中心に基本的討議を行ない、中央委第1次案として下部討議に付すことを確認した。
 なお、内外情勢、一般任務方針は未だ文章的にも未整理なので、下部討議と併行して起草委員会が再検討し、10中委に提起する。

(2)組織問題について
①起草委、中央委は組織問題についての充分な討議を行なうことに注意を払った。そしてその全般的総括は15回大会に向けて組織することを確認しつつ、当面同盟の統一を回復し、指導性の確立に必要な総括を今大会において行なうことを確認した。
②組織総括のために、以下の諸問題点をあげ、総括の視点とする。
(イ)機関紙デモクラートの発行体制とその内容。
 現在一部常任によって私物化されているデモクラートは、その内容において、民学同の組織性格、基本路線を大きく逸脱しており、これを「機関紙」として押し付ける非民主的運営が行なわれている。
 すでに13名の中央委員アピールで明らかにした通り、我々は、デモクラート62号以降を正式の機関紙とは認めない。
 ここに現れた誤りと民学同の組織性格、基本路線、大衆的政治新聞としての役割についての検討は、総括の第1の課題である。
(ロ)イと関連する機関の運営と活動内容
 同盟内に表れた誤れる傾向がいかなるものであり、それとの闘争をどのように行なったか。
 各機関における活動内容をふりかえることによって、誤れる傾向をいち早く指摘し、それの克服を目指す活動が当面する大衆運動の方針との関連でどのように行なわれたのか、を明らかにすること。
(ハ)組織内の論争の性格と、それがもたらした大衆組織と運動への影響について
同盟活動にあらわれた大衆運動軽視の傾向は、運動、戦線における均等な発展と結びついていることを明らかにすること。
(二)これらの諸点を中心にした総括の上に、大衆に支えられ、大衆運動に対する生きた宣伝、扇動、組織する機関紙発行体制の確立と、その内容充実をめざすことを基軸にした同盟活動の強化のための方針を確認する。
(ホ)中央委を先頭として、科学的政策・方針の確立を、組織内民主主義の貫徹の下に、全同盟一丸となって闘いとる組織的保障、中央指導部確立を各級機関の強化と結びつけて行なうこと。
 この活動の展開、成果の上に立って、15回大会における総括は生きたものとなることができる。

(3)同盟の統一のために
 最後に、9中委は第14回大会が同盟隊列の統一と強化をめざすものであり、それへの参加は全同盟員の義務であり、権利であること。この組織的保障なしには、現在の組織的混乱は解決できないことを再度確認し、この中央委のよびかけに対して一部常任委員を含む全ての同志が積極的に応える行動をおこすこと、大会成功のために全ての機関であらゆるとりくみを開始することを要請する。各級機関で中央委員会と大会成功に向けた支持アピール・決議を集中すること、他支部、機関、諸同志への呼びかけを強化すること、などが、自主的に行なわれるよう心から訴える。

(4)「青年同盟」に関する経過報告
 8中委の確認に基づいて「青年同盟」を準備する人々に依頼し、それに応じた「青年同盟結成準備会発起人会」代表(大阪、東京より各1名)より次の通り経過報告がなされた。
(イ)現在、「準備会よびかけ」案、「行動綱領」案、「規約』案が作成され、既にそれをもとに「準備会」結成にむけたはたらきかけを開始している。
(ロ)昨年来の「青年同盟」をめぐる混乱については、理論的・思想的明確さと諸問題に対する真摯な自己批判で克服すべきだと考えている。
(ハ)民学同との組織的関係についても、一部に見られる「私的・個人的結合」であってはならないと考える。
(二)結成のメドは、8月準備会結成、行動綱領と規約にもとづく準備会活動を展開し、正式結成をめざす。
これらの基本的活動をもとにして趣意を作成してゆく。
(ホ)「よびかけ」案、「行動綱領」案に示すとおり、広範な青年の要求と闘いを基礎にする。組織の大衆的性格にもとづいて可能な限り最大限の広範な呼びかけ、討議をおこない、あらゆる青年グループの結集を追及したい。(以上 大阪代表)
(へ)「青年同盟」は民学同の闘いの歴史的成果であることを確認してほしい。
(ト)この間の混乱、誤りの克服は積極的方向へ「一歩前進すること」にある。
(チ)平和共存、反独占民主主義を基軸にした幅広い統一戦線こそ巨大な力になる。(以上 東京代表)

 以上簡単な報告があり、資料として以下の「準備会よびかけ」案、「規約」案ならびに「行動綱領」案のコピーを提示された。なお、これらの文書は、これからの大衆的討議に付される、いわば「たたき台」であり、一層の豊富化、そのための論議を追及してゆく旨の説明があった。
 更に以上の報告をもとに若干の質疑応答を行なった。
①「青年同盟」をめぐる混乱の主要なものはなにか。
(イ)一昨年より準備をすすめ、組織性格、名称をめぐっていくつかの議論があった。
(ロ)その中にあった一つの主張–党的結集、綱領を大衆闘争に先立てる、「前衛党なくして大衆闘争なし」–が強く前に出されてきた。
(ハ)それと関連して組織の大衆的性格を否定する傾向があらわれてきた。
(二)これらについて徹底した討議を行ない、組織的確認を充分行なわなかったことに問題がある。
(ホ)特に、綱領最優先、大衆運動の軽視に対しては批判し、平和、平和共存、反独占民主主義、統一戦線の路線をはっきりさせる必要がある。
(へ)この点で一致できる勢力を最大限結集すべきであり、それらのグループ、個人に対するセクト主義的な政治的評価によって結集を妨げるべきではない。
(ト)このような組織の「性格、目的、路線」についての確認が充分でないために、誤った傾向を是正できなかった。
②具体的なとりくみについて
(イ)東京における3月4日の集会、在版共産主義者連絡会の活動などを積極的に評価し、それらに連帯する青年を中心にまず呼びかけを行なっていく。
(ロ)今回の混乱にかんがみて、過去いくつかの経験にもとづいて、「あくまでも職場を基礎とし、労働運動を最も重要視しながらも大衆的活動を展開すること」「インテリ的焦燥感、急進主義からは、はっきり自己を区別すること」が必要だと考えている。
(ハ)8月準備会結成をめざしてあらゆる民主的先進的青年グループに呼びかけ、積極的な検討を要請していく。
2、以上の報告を基礎にして同盟内で議論を開始するが、現在の組織内の意見対立の解決の方向を追及するため、当面、今回の報告、並びに資料として提出された諸文書についての組織的決定を行なわないことを9中委は確認した。
 尚、青年同盟とそれに関連する問題の総括的討論については14回大会において極力確保し、15回大会に向けてそれを組織することを主張する意見が起草委員会、中央委員会において大勢を占めているが引き続き討議の課題とする。

民主主義学生同盟第14回全国大会(全同盟員総会)への招請

 全国の同志諸君!インドシナ人民の歴史的勝利に示されるような、社会主義、民族解放、国際労働者階級の闘いで、全般的危機の更なる深化をその内容とする、国際情勢、並びに国内情勢の大きな転換、歴史的転換の下で14回大会は開催される。このような情勢が要求する諸課題、諸任務を遂行するための同盟組織と運動の強化が無条件に必要な時期に、我々は、大きな組織的困難に直面している。
 来るべき第14回大会は、その困難と、全国全同志の英知と粘り強く献身的な努力を結集して闘い、同盟隊列の組織的危機に際して、その統一と団結を回復し、それを強化することを目的としている。
 中央委員会を先頭とする全国全同志の趣意に基づく原則的活動を集中し、同盟組織と運動の飛躍的発展をめざして、第14回大会の圧倒的成功をかちとろう!

開催要綱
同盟第14回大会(全同盟員総会)を規約第12条、13条及び8中委、9中委の確認の下に以下の要綱で開催する。
日時 5月24日 (PM7~9)
5月25日 (AM9~6)
場所     口頭にて
参加資格   すべての同盟員
なお、資格審査は、各支部機関の報告を基本とし、中央委員会が必要と認める支部同盟員についても、これを中央委員会で審査する。
全ての支部機関は中央委員会の指導の下に、10中委に基礎数、名簿を提出しなければならない。

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