【投稿】日米首脳会談:高市「世界平和を実現できるのはあなただけ」

<<トランプ「奇襲攻撃に関しては日本ほどよく知っている国はない」>>
3/19、日米首脳会談で高市首相は、こともあろうに、世界中に緊張激化と戦争を仕掛け、とりわけイランに対して、合意寸前と言われた核開発をめぐる協議の最中の2/28に、突如、違法な先制攻撃開始を開始したトランプ大統領を、「ドナルド、世界平和を実現できるのはあなただけだと確信しています」と持ち上げて、卑屈な媚びいる姿勢を露骨に示してしまった。

 気を良くしたトランプ氏は、日本の記者から、「なぜイラン攻撃前に、日本のような欧米の同盟国に戦争について知らせなかったのか?」と問われて、高市氏に目を向け、「我々は非常に強硬な攻撃を行ったが、誰にも知らせなかった。奇襲攻撃に関しては日本ほどよく知っている国はないだろう? なぜ真珠湾攻撃のことを私に知らせなかったんだ?」と冗談めかして切り返した。 この発言に一番驚いたのは高市氏であろう。それまでの笑顔がさっと引き、目を見開き、身じろぎをし、時計を何度も気にしだし、会見中のホワイトハウスの「部屋中にうめき声が響く」と形容される雰囲気となり、「日本の首相が、まるでこの狂人から逃れるために部屋を見回して出口を探している人質のように見える。」事態となったのであった。

日本帝国主義の1941年のアメリカに対する違法な先制攻撃は、トランプ氏にとっては非常に適切な見本であったのであろう。たとえジョークであったとしても、イランへの「奇襲」攻撃を正当化するために真珠湾攻撃を引き合いに出す、それは好都合であると同時に、こうした歴史的なトラウマを「取引上の武器」として利用する、トランプ氏お得意の「してやったり」の「ディール」なのである。
もちろん、たとえ本人が気に入っていたとしても、こうした「取引」で、事態の本質を隠しおおせるものではない。高市氏以外に、こうした先制攻撃を公然と支持できる首脳は無きに等しく、トランプ氏は世界中から孤立してしまっているのである。だからこそ、トランプ氏は「世界平和を実現できるのはあなただけだ」と礼賛する高市氏を、「非常に人気があり、力強い女性」「素晴らしい女性」と繰り返しほめたたえたのであった。

<<会談のツケは、お互いの持ち上げでは終わらない>>
この日米首脳会談で、どのような具体的な合意がなされたのか、意見の相違が存在したのか、いずれも定かではないが、いくつかの重要な問題点を列挙すれば、
* 日本が、ホルムズ海峡の安全な航行を確保するための「適切な取り組み」に参加する用意があると表明した。(ロイター通信 3/19)
* 日米同盟の抑止力・対処力の強化のためミサイルの共同開発・共同生産を含め幅広い安全保障協力を進めるということで一致した。
* 会談に同席したベセント長官によれば、「日本の海上自衛隊は世界最高水準の掃海艇と機雷探知能力を有しており、東京は支援を行う上で最適な立場にある。また、世界の石油市場への圧力を緩和するため、日本は石油備蓄を放出すべきだ」と述べている。
* 軌道上からの脅威を探知、追跡、そして場合によっては迎撃することを目的としたミサイル防衛構想「ゴールデンドーム」への参加を日本が希望していることを、日本政府関係者2人が明らかにした。(ロイター通信
* 米国における小型モジュール式原子炉(SMR)の建設に向けた約400億ドル規模の協力協定を発表。このプロジェクトは、米国のGEバーノバ社と日本の日立製作所が共同で進め、テネシー州とアラバマ州の建設予定地を対象としている。

いずれも。危険な動向である。
高市氏は、ホワイトハウスでの夕食会で「より強い日本とより強いアメリカ、より豊かな日本とより豊かなアメリカ。この共通の目標を実現する上で、ドナルドと私は最高の親友であると確信しています」と述べ、対するトランプ氏は、「日本は本当に積極的に行動している」、「NATOとは違ってね」と応じている。当然、会談のツケは、お互いの持ち上げでは終わらない。

最も肝心なのは、戦争の拡大を停止させること、米・イスラエル共同先制攻撃作戦を即刻停止させることが、中東の戦争拡大阻止の最も喫緊の課題であり、石油・エネルギー危機解決の最短の道であるにもかかわらず、日米両首脳、どちらも触れようとしなかったことである。世界の平和と緊張緩和に敵対する日米の立ち位置を改めて露呈してしまったのである。
(生駒 敬)

 

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