【投稿】戦後最悪の人災となった安倍政権

【投稿】戦後最悪の人災となった安倍政権
―災害対応放棄し三選工作に奔走―

豪雨をよそに大宴会
7月5日夜、東京赤坂の衆議院議員宿舎では、安倍を筆頭に岸田、竹下、小野寺などが集まり「赤坂自民亭」と銘打った酒宴が開かれていた。
既に近畿地方を豪雨が襲い、15万人に避難指示が出され、地元自治体はもちろん国交省、警察庁、防衛省などが警戒態勢に入るなか、政府、自民党首脳が一堂に会するのは本来、災害対策会議であるべきだが、集まったのは酒の席という前代未聞の愚行を演じていたわけである。
この席で安倍は山口の銘酒「獺祭」岸田は広島の地酒「加茂鶴」を持ち込み、上機嫌で参加議員にふるまったという(しかし7日の豪雨で「獺祭」の蔵元は壊滅的被害を蒙ってしまった)。
また宴会には、オウム7人の死刑執行を翌日に控える上川も「女将」として参加するなど、件の大宴会は緊張感のかけらもないものだった。死刑囚がそのことを知ったなら、死んでも死にきれないと思ったのではないか。
さらに件の集合写真をツイッターに投稿した兵庫選出の西村官房副長官は、秘書の情報として「地元の雨は峠を越えた」などと放言したが、翌日神戸市で大規模な土砂災害が発生し、恥の上塗りともいうべき醜態をさらした。
参加者が帰路につき惰眠を貪るなか、眠れぬ夜を過ごす被災地では、広島、岡山など5府県が自衛隊に災害派遣要請を行い、6日午後に至って首相官邸に官邸連絡室が設置されたが、被害は拡大するばかりであった。
7日午前、ようやく関係閣僚会議が開かれたが、二日酔い然たる面持ちで出席した安倍から具体的指示は出されず、連絡室を対策室、8日午前に災害対策本部へと泥縄式に漸次拡大するのみであった。
対策本部の初会合後、安倍はいけしゃあしゃあと「時間との闘い」などと口にしていたが、失われた66時間は取り返しのつかないものであった。さらに安倍は7,8日に予定していた総裁選対策の鹿児島、宮崎訪問は中止したものの、EUとの経済連携協定署名を理由とした10日からの欧州、中東への外遊に固執し、日程短縮をしてでも出発しようとしていたのである。

露わになる本性
豪雨被害が拡大し、安倍らの動向への批判が拡大しだすと官邸は方針転換し、9日に外遊中止を発表、同日「宿敵」中村愛媛県知事の支援要望を神妙な面持ちで聞かざるを得なかった。
外遊取りやめで日程が空いた安倍は11日に岡山を視察、迅速な激甚災害指定、地方交付税の前倒しなどを明らかにし、対応の遅れを「取り戻す」のに躍起となっていた。
さらに西村、竹下ら「赤坂自民亭」参加者も弁明に追われ、小野寺も11日「会場から防衛省に指示を出していた」と「飲酒運転」ともとれる釈明をしたが、防衛省職員から否定され13日になって誤りを認めた。
同日、公明党の井上幹事長は記者会見で「赤坂自民亭」を「軽率のそしりは免れない」と批判したが、同党の石井国交相は災害対応そっちのけで、カジノ法案成立にしゃかりきになっており、白々しいというものである。
14日になり安倍は翌日予定していた広島視察を「足が痛い」として取りやめた。同日広島を訪れた石井が被災者から批判を浴びたのを見て怖気づいたのではないか。結局、安倍は21日になって広島県内を視察し面目をとり繕った。
こうしたなか「赤坂自民亭」に呼ばれなかった議員も非常識な言動で醜態を晒した。麻生、二階は「飲み会のなにが悪い」と擁護し、麻生に至っては返す刀で自派の研修会を中止した石破らを批判した。安倍に恩を売ろうという魂胆が見え透いているが、内心は嘲笑っているだろう。
安倍の代理としてフランスを訪問した河野は、フランス外務省内に再現されている王族のベッドに、得意げに寝そべる姿をツィッターにアップ、7月14日革命記念日の軍事パレードでも、河野は各国来賓が威儀を正して観閲するなか、写真を撮るためスマホを操作するという軽薄さを披露した。
こうして西日本各地を襲った未曾有の水害は、図らずしも政府・与党重鎮の人間性を露呈させることとなったのである。

「アメリカ包囲網」の脆弱
安倍が自らの保身を最優先させ、お粗末な災害対応を繰り返す中、国際情勢は大きな動きが相次いだ。
トランプ政権は7月6日中国製品340億ドルに対しての追加関税を発動した。アメリカは3月下旬以降、安全保障を口実として中国のみならず、日本、EUなどに対して、鉄鋼、アルミ製品への追加関税を発動してきたが、今回ついに本丸への攻撃を開始したのである。
これに対して中国も同規模の報復関税を発動、事態は世界貿易戦争の様相を呈し、アメリカは第2次世界大戦以降、自らが築いてきた自由貿易体制を崩壊させようとしている。
さらにアメリカ主導の安全保障体制も大きな転換点を迎えている。7月12日ブリュッセルで開かれたNATO首脳会議で、トランプは公然と同盟国を批判、軍事費のGDP比2%達成を強く要求した。直後の7月16日、ヘルシンキで開かれた米露首脳会談でトランプは、緊張緩和に向けた協議の継続で一致、対露軍拡を決定した先日のNATO会議など忘れたかのようであった。さらにロシアの大統領選挙への介入疑惑を否定(帰国後に撤回)するなど、なりふり構わず我が道を進んでいる。
このようにトランプ政権は、将来のビジョンを描かないまま、第2次大戦後の既存システム解体に進んでいる。これに対しては公正貿易、平和、人権の価値観による国際協力体制の構築が不可欠であるが、平和、人権に背を向ける安倍政権は振り回されるのみであり、自由貿易を推進しアメリカを牽制する多国間協力も思うように進んでいない。
7月1日東京で、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)閣僚会合が開かれ、年内の大筋合意を目指すことで一致したと報じられた。アメリカの保護主義に対抗するものとされているが、成果を急ぐ日本と中国、インドとの間では隔たりも大きく、有効性には疑問符がつく。
日欧EPAは安倍の訪欧中止により、EU大統領らが来日し7月17日東京で署名された。(これはもともと外遊が必要でなかったことを物語るものである)これが19年3月に発効すれば、2027年に日本の自動車に対する関税が撤廃される。しかし2020年代には欧州でのガソリン、ディーゼル車の販売は大幅に規制される動きがあり、電気自動車の開発が遅れる日本に対しては非関税障壁となる可能性がある。
今回EUの代表は訪日前に中国を訪れており、反保護主義、WTO改革、投資拡大で合意した。中国は世界の電気自動車販売台数の5割を占め、燃料電池車の開発も進んでいる。現在は国内販売が主流であるが、EUの方向性と合致しており近い将来には、中国製NEV(新エネルギー車)が日本車を押しのけ、ヨーロッパを席巻することになるだろう。

主導権は中国へ
中国はこの間、「一帯一路」構想、上海協力機構、アジアインフラ投資銀行など、中国主導の多国間経済協力を推進している。さらに軍事面でも6月28日中国国防部は、年内にASEAN10か国との合同海上演習を実施することを明らかにした。
現在、ハワイ島と周辺海域ではアメリカが主催するRIMPAC2018(環太平洋合同演習)が行われ日本、韓国、フィリピンなどが参加している。2年ごとに開かれる同演習では、今回中国が招待を取り消されておりネトウヨなどは鬼の首を獲ったかのように喜んでいる。
しかし、中国は自前で中国版RIMPACともいえる演習を準備しようとしており、今秋には青島近海の東シナ海でロシアとの合同演習(海洋協同2018)も予定されている。
これに対して安倍政権は、引き続きイギリス、フランスを「中国包囲網」に巻き込もうと躍起になっている。7月13日には河野が日仏物品役務相互提供協定(ACSA)に署名、翌日の革命記念日のパレードには陸上自衛隊員7人が参加した。
この間英仏両国の艦艇がアジアを歴訪しており、これを中国に対する牽制と安倍政権は評価している。とりわけフランスについては、海外領土の安全保障の観点からまことしやかな中国警戒論が吹聴されている。
しかし、ポリネシアなど仏領の島々は赤道以南の南太平洋に点在しており、中国の「一路」レーンからは遠く離れている。さらにニューカレドニアでは20世紀末の独立闘争からの自治権拡大を経て、11月4日には独立を問う住民投票が行われる。
フランス、イギリスの艦艇派遣はASEAN諸国に対する武器セールスの側面が強く、これとRIMPACへの比、越の本格的参加をもって対中シフトの強化と評価するのは早計であろう。
安倍は保護主義反対、自由貿易推進を言うのであれば中国と協力しなければならないはずであり、表面上は融和を進めている。7月5日の毎日新聞によれば安倍は3選を前提に、10月の訪中を検討しているという。日中首脳会談だけの訪中となれば7年ぶりとなるが、「中国包囲網~帯路分離」に固執している限り、事はそう簡単には運ばないだろう。
RIMPACでは実艦標的の撃沈訓練が実施されるが、今回初めて日米の地対艦ミサイルによる実射が行われた。この陸自ミサイルは宮古、石垣、沖縄本島に配備される方向であり、標的を中国艦に見立てていることは公然の秘密で、あからさまな威嚇である。
朝鮮半島では米朝首脳会談以降、非核化に向けた作業部会の設置、米兵遺骨の返還、8月の米韓演習の中止など、紆余曲折を経ながら緊張緩和が進んでいる。これを踏まえ日本政府も、常時警戒態勢の解除、避難訓練の中止などを実施している。
それにも関わらず、イージス・アショアの配備は進めようとしており、真の狙いが徐々に露わになってきている。安倍らは少し前まで「北朝鮮の微笑みに騙されるな」と罵ってきたが、習近平こそ「安倍の微笑みには騙されない」と考えているだろう。
安倍は外向けの笑みとは違う満面の笑みを「赤坂自民亭」で振り撒きながら、災害対策を追いやり「参院定数6増」「カジノ法案」を矢継ぎ早に強行採決した。このように戦後最悪の災厄となった安倍政権を一刻も早く終わらせ、生活と平和、人権の復興を進めなければならない。(大阪O)

【出典】 アサート No.488 2018年7月

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