【投稿】河口堰を止める10万人のアクション–長良川DAY–

【投稿】河口堰を止める10万人のアクション–長良川DAY–
               現地参加報告 こんな楽しい運動もあったのか!

この連休にキャンプでも行こうかと思ってきたところへ,BEPALという雑誌で4月29日に長良川河口堰反対の現地行動があることを知り、これは面白そうだと(そんな軽い気持ちで)一度行ってみようと思い、参加をしました。

前夜 カヌーイスト300人がプレキャンプ
大阪から車で4時間走り、前夜の宿営地の長良川と木曽川の背割堤の松林に到着。早速受付をすまし、テントを設営。はじめて長良川にきたのですが、なかなかの景観、雄大な川のほとりで、自然を守れの意味もこれならわかるというものです。
午後8時からミーチングとのことで行ってみますと、だんだんと集まってきます。その数最終的には300人ぐらいかな(?)。
ミーチングと言うより集会と行った感じで、最初は「長良川河口堰に反対する会・東京」の方が、運動の現状みたいな硬い話をされました。
この運動がここ1年ぐらいで建設省と対等の立場で運動が盛り上がり、建設阻止できるかは現在五分五分まで来ていること、相模川など他の川問題での盛り上がりも出てきて、土建業者のための河川「整備」か、みんなの川をどう守るのかを大きな世論にしてきたこと、前環境庁長官をして運動の盛り上がりの中で長良川現地を視察させてきたことなどを報告されたように思います。
長良川は、日本で唯一ダムのない川で、カヌーでの川下りが可能で、かつ自然が残っている、その川を一番「知っている」カヌーをする人達が、この運動に火をつけたようです。東京の人の報告の後、皆さんお待かねの野田知祐さんの登場となります。
野田さんは、ここに集まった連中は別に革新でもなんでもなく、ただ自然をそのままにしておくべきだと思って、そして楽しんで参加している、だから強いんだ、それぞれのやりかたでやって行こうと言うような取り留めのない話をされたんですがこれでぐっと盛り上がってしましました。
次に、東京で相模川の河口堰反対の運動をしている人が現地報告をされます。そしてそこへ前環境庁長官の北川石松衆議院議員(大阪選出)が現れ、我々を激励の挨拶、これもなかなかのもの。
最後は、カヌーイストのローリーさんが、自分のカヌーに名前を書いてくれ、これを今度の建設省への行動にもって行くからと提案されると、みんなで思い思いに、名前を書きましたが、これもなかなかの盛り上がり。(この辺から私も酒が入り、初めてあった人と意気投合に!)
事務局からは、明日の行動の説明がありました。午後2時に参加者が思い思いの方法で河口堰建設反対をアピールしようと言うのが趣旨で、デモなんかより一人一人のやりたい方法で表現したいというのが狙いだとの説明。ここらでもう10時過ぎ、初めてあった人から明日カヌーに乗りませんかとの誘惑に耐え、ひとまず眠りにつきました。

雨も上がって、盛り上がる長良川DAY
アクションは思い思いに
4月29日朝9時30分にイベント会場に到着。事務局は路上駐車はしないようにと警告放送。チャンと警察の妨害が始まっていた。建設省も河川敷の集会には最後まで抵抗していたとも聞いていました。
朝からかなり強い雨で、会場は少し調子が悪かったのですが、なんと10時30分には晴れはじめ、なかなか調子がいい。挨拶にたった反対する会の代表の天野さんも、長良川の運動は絶対晴れると言っていました。河口堰建設が始められてから始まったこの運動が、だんだん現地の人々の中で生きづきはじめ、長島町の住民アンケートでも3割の人が反対し、町長選挙でも善戦をしたことなどが報告されました。 次に北川前環境庁長官が挨拶し、自民党から参加するなの圧力があったが、自然を守るのは保守も革新もない、市民の立場で考えてここにきた、明治9年に木曽川と長良川のあいだに背割堤をつくった先輩の苦労を考えれば、建設はやめるべきだと、なかなか戦略的な発言。(結構受けていました)
今度は、旭堂小南陵参議院議員がでてきて、全国の河川行政について、建設省を批判、農業水利の博士号だけあってなかなか詳しい。自分の問題にしている、なかなかこいつはやるな、次の選挙も行けそうと言う感じ。(翌日の赤旗は長良川DAYを報道しながら、小南陵さんの挨拶について、名前も報道せず、まさに真実を伝える新聞だけのことはある?) ここでも、野田知祐さんが出てきてひとくさり、だんだん盛り上がってきた。

カヌー700艇も反対の意志表示
バンダナ、凧、気球、鯉のぼり、仮装でアピール

いよいよ2時になった。12時に上流から出発した700艇約1000人のカヌー部隊も河口堰に近付く。怒りのシンセサイザーに乗って、全員が反対をアピール。カヌー部隊はパドルをかざし、みんなはバンダナをまわして、・・・こうして長良川DAYの一日は盛り上がったのです。

こんなスタイルの運動、なかなかいける!
主催した「長良川河口堰に反対する会」は、なかなかの強さ。それに何よりみんな楽しんでやっています。前夜の集会で野田さんが「ここに来ているのは楽しいから来ているんだ、それでいいんだ」と言っていました。私自身もその通りだと思う。
革新と言われる労働組合の姿もない、政党も大きな顔をしていない、汗をかいているものが楽しくやっている、住民の考え方も変わってきている、この運動なかなか面白いと思い、良い連休になったと感じて帰ってきた次第です。(大阪 H)

【出典】 青年の旗 No.163 1991年5月15日

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