【投稿】悪質な人種差別画像投稿:トランプ氏、謝罪を拒否

<<「オバマ夫妻を猿に見立てる」>>
2/6、トランプ米大統領が自らのソーシャル・メディアTruth Socialに、元米大統領バラク・オバマとミシェル・オバマ夫妻を猿に見立てた、悪質極まりない人種差別的な画像を含むビデオを投稿し、これがたちまち大問題となり、一夜にして炎上、与党共和党陣営からさえ厳しい批判を招き、反発の高まりに耐え切れず、撤回・削除に追い込まれる事態を引き起こしている。
 ただし、トランプ氏自身は、謝罪を拒否している。

ニューズウィーク誌は2/6、「トランプ米大統領のTruth Socialアカウントに投稿された動画には、トランプ大統領が「ジャングルの王」に、対してバラク・オバマ夫妻を猿に見立てた人種差別的な描写が含まれていた。投票機に関する62秒の動画の最後に、ザ・トーケンズの曲『ライオンは眠る』が流れる中、猿の体にオバマ夫妻の顔が約1秒間映し出される」と報じている。

Axiosの報道によると、この動画は2/5木曜日の夜にトランプ大統領のアカウントとして投稿され、翌2/6、12時間近くにわたってオンライン上に残っていたものであるが、現在は削除されている。
ホワイトハウス報道官のキャロライン・リービット氏は2/6、この反発を「偽りの憤り」と一蹴していたのであるが、抗議の高まりに抗しきれず、動画の削除に追い込まれ、「スタッフが誤って投稿した」と責任転嫁の姿勢に変更。つまりは、現在のところ、トランプ政権は、トランプ大統領の許可なく動画を投稿した匿名の「スタッフ」のせいだと責任を転嫁している。

しかし、問題の「スタッフ」は匿名のままであるが、この責任転嫁も実は、トランプ氏自身の発言と矛盾しているのである。2/6にSemaforが報じた記事によると、トランプ氏は、Truth Sociaの自身のアカウントにアクセスできるのは自分と広報担当補佐官のダン・スカヴィーノだけだと述べていたのである。「彼は私の番号を知っている唯一の人物だからだ。」と。

トランプ大統領自身は、記者団の質問に対し、この件について距離を置き、直接の関与をあいまいにし、「謝罪するかどうか」を問われると、トランプ氏は「いいえ、間違いは犯していません」と謝罪を拒否。「動画の内容を非難するかどうか」問われると、「もちろんです」と答え、「動画の最後に、人々が好まないような映像があったと思います。私も好まないでしょうが、見ていません」と逃げの弁解に終始している。

<<「トランプ氏の周囲に、真実を告げる勇気のある人物はいるのか?」>>
ガーディアン紙は、「アメリカ史上初の黒人大統領とファーストレディであるオバマ夫妻を人種差別的に描写したこの動画は、投票集計会社ドミニオン・ボーティング・システムズが2020年大統領選でトランプ氏から不正選挙を盗んだという、虚偽かつ反証済みの主張を助長する1分間の動画の最後に登場している、と報じている。同社は2023年、画期的な名誉毀損訴訟でFox Newsを相手取り7億8750万ドルで和解している」と報じた。2月6日の投稿で、経済学者でPAICEのCEOであるラース・クリステンネン氏は、「これがアメリカだ。アメリカ国民の皆さん、しっかりしてこの男を排除すべきだ。恥ずべきことだ」と投稿した。

 共和党のティム・スコット上院議員は、この動画を「ホワイトハウスで見た中で最も人種差別的な行為」と非難し、「これが偽物であることを祈る。ホワイトハウスから出たものの中で最も人種差別的なものだからだ。大統領はこれを撤去すべきだ。」と手厳しい。

さらに、ペンシルベニア州選出の共和党議員、ブライアン・フィッツパトリック氏は、この投稿は「重大な判断ミス」に当たると述べ、「明確かつ明確な謝罪」を求めている。

トランプ支持派の牧師マーク・バーンズ氏(Mark Burns) は2/6、Xに長文の声明を投稿し、人種差別的な動画を投稿したスタッフを解雇するよう大統領に強く求めている。「大統領は私に、この投稿はスタッフによるものであり、彼自身によるものではないことを明確に伝えました」と述べ、「私は大統領に直接、そして断固とした勧告を行いました。そのスタッフは直ちに解雇されるべきであり、大統領はこの行為を公に非難すべきです。」と。

 元共和党下院議員でネバー・トランプ派の保守派であるデビッド・ジョリー氏は、オバマ夫妻の投稿は共和党のより広範な問題を浮き彫りにしていると主張し、「皆さん、今回の選挙はもはや政策の問題ではなく、私たちの国民的アイデンティティ、私たちが何者であるかの問題です。大統領はオバマ夫妻を猿のように描き、フロリダ州知事候補は反ユダヤ主義を扇動し、それを支持した。また別の候補者はイスラム恐怖症を煽り立て、ICE(移民税関捜査局)の捜査官はウサギの耳とスパイダーマンのリュックサックを背負った5歳児を拘束し、エプスタイン事件のファイルにおける信憑性のある疑惑を隠蔽した…。これは本当にひどいことです」と投稿している。

CBSニュースとFOXニュースの両方で活躍するゴールドバーグ氏は、ザ・ヒル紙の記事で、トランプ氏が移民税関捜査局(ICE)を使って米国内の移民や抗議者を標的にしていることは、ますます不評になっていると指摘し、さらに、アメリカ人の68%、共和党支持者の48%がそう感じていると指摘し、「これは一つの疑問を投げかける。トランプ氏の周囲に、真実を告げる勇気のある人物はいるのだろうか? 」

おべっか使いの閣僚ばかりを選び、彼らに取り囲まれたトランプ氏には、そんな人物がいないことはすでに実証済みのことであろう。

ウクライナでボランティア活動をしたことで知られるロンドン在住のリチャード・ウッドラフ氏は、「アメリカ合衆国のクソ大統領が、黒人アメリカ人はみんな自分にとって猿だと何気なく投稿したばかり…路上でアメリカ人を撃ち殺し、今度はオバマ一家をクソ猿呼ばわりしている。クソトランプ。アメリカよ、今日中に何か行動を起こせ!!!」とツイートしている

今や、まだ任期が3年近くもあるというのに、トランプ政権の存続そのもが、全世界で問われている事態である。
(生駒 敬)

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