【資料】第8回臨時中央委員会 報告 (1975年5月4日)
民主主義学生同盟第8回臨時中央委員会報告
現在、同盟組織内部に生じている学生党的偏向と、それに基づく組織的混乱に対する全国諸同志の真剣な闘いの成果として、同盟第8回臨時中央委員会が、5月4日東京において開催された。
<1 はじめに>
3月26日、27日に予定されていた第8回中央委員会は、一部常任委員によって、その開催を妨害され、同盟第14回全国大会は、開催の目途さえたたないまま延期されてきた。
3名の中央委員、1名の府委員に対して「スパイ、挑発者」「組織破壊行為」なる、ありもしないレッテルを貼り、指導部から排除すること、並びにそれによって引き起こされる「紛糾」を口実に、中央委員会、全国大会を無制限に引き延ばすこと、これが、一部常任委員が自らの理論的、思想的破産を隠蔽するために考えついた、全く許し難い策動の実態である。これを批判し、同盟活動の機能回復のために、規約第14条にのとって9名の中央委員が、中央委員会の即自開催を要請したが、一部常任委員はこれを拒否し、以降デモクラート発行など、規約無視、機関無視の挑発的行動を続けている。
このようにして引き起こされた同盟の組織的混乱、大衆闘争への著しい悪影響に一刻も早く終止符を打ち、同盟の原則的諸活動を全国的に開始し、強化すること、このことに13名の中央委員をはじめ諸同志の努力が傾注された。
今回の第8回臨時中央委員会の開催は、それら全国の諸同志の粘り強い諸活動の成果である。
第8回中央委員会は、一部常任委員の全くの指導放棄、それと表裏一体をなす官僚主義的引き回し、同盟機関の私物化の下で、同盟指導部としての責任を自覚する中央委員会副委員長によって招集され、それに答えた11名の中央委員の出席と2名の委任状によって成立した。
以下、第8回臨時中央委員会で論議され、確認された事項を報告し、更に、同盟の統一と団結のために努力を結集されんことを、全国全同志に訴える。
<2 同盟内に現れた偏向に対する闘い>
現在、同盟内に現れている偏向は、反戦学同の「社学同」への「転形」以来、日本学生運動が幾度となく繰り返してきた誤り=学生党的偏向である。学生同盟独自の二面的な任務—-反独占民主主義闘争の巨大な一翼たる「層としての学生運動」の大衆的な展開を担う指導部隊としての任務、他方、同盟趣意・規約に体現された「人類の到達した先進的理論、科学と民主主義の理論を学ぶ」という「マルクスレーニン主義の学校」としての任務–のうち、後者を一面的、主観的に強調することによって、前者の軽視乃至否定をもたらす傾向、同時に、そのことによって、大衆的学生同盟たる民学同を「小型共産党」「学生共産党」に変質させようとする傾向、これら、我々にとって目新しくない。しかし、二度と繰り返してはならない試みを、一部常任委員は、「常任委員会」を僭称して強行しようとした。
我が同盟は、68年の「プロレタリア学生同盟」との、又70年の「学生共闘派」諸君との2度にわたる分裂という苦い経験を噛みしめている。中でも、70年「学生共闘派」諸君との同盟趣意・規約の立場の放棄と同盟隊列からの脱落という、我が同盟にとっても、日本学生運動にとっても手痛い損失をこうむりつつ、我々は、それを理論的思想的に批判し克服する努力を行なってきた。そして、その成果は、今回の組織的危機に際し、その克服のための諸同志の献身的な努力と活動の中に集中的に表現された。とりわけ、関西大学支部、大阪市大支部の諸同志は、一部常任委員による「常任委員会」僭称、同盟機関の私物化、引き回し、組織破壊的行為に対し、断固たる原則的批判を浴びせ、その本質を暴露し、全同盟、全同志の注意を喚起した。更に、全国全同志の冷静で科学的な判断は、中央委員13名緊急アピールを中心として、3名の常任委員による中央委員長への意見書、4月19日、東京都大会における「同盟の統一と団結を回復するために」中央委員会、全国大会の早期開催を呼びかけるアピール、等々として表現されている。同盟内部に生じている理論的、思想的、組織的偏向に対する、全国全同志一丸となった闘いは、民学同創建以来の輝かしい同盟趣意・規約の精神を守り、発展させ、民学同を「学生党」に変質させようとする試みを〇〇させている。一部常任委員とそれに呼応する部分は、ますます孤立を深め、それを隠蔽するための官僚的統制によって内部の矛盾を深めている。また、彼らの影響下にあり、事情をよく知らされていい支部、諸同志の間にも「13名アピール」はじめ、我々の働きかけによって、深刻な疑問と動揺、更には原則的立場への復帰が広がっている。他方、それらの動揺を抑えるための個人的関係、卑俗な権威主義の押し付け、他支部中央委員や諸同志に対する排外主義的不信の宣伝、分派行動の扇動等のデマゴギーが系統的に行なわれている。
しかし、これらの〇〇も、もはやいかんともし難い事態の前に早晩〇〇らざるをえないであろう。
第8回臨時中央委員会は、以上のように、同盟内部に生じた理論的、思想的、組織的偏向を批判し、同盟趣意・規約の精神を守り、その上に同盟の組織的統一の回復を希求する全同盟の強固な支持の下で開催され、その成功的な実現のための組織的〇〇をかちとった。
<3 当面する大衆運動の方針と、それを担う中央指導部確立にむけ
第14回同盟全国大会を全国全同志の力で成功させよう!>
全国の同志諸君!
我々は、3月29日、30日に全国大会を開催し、急変するインドネシア情勢はじめ、内外の情勢の科学的分析、核防条約即時無条件批准に向け全国の平和民主勢力を結集する大衆的闘争のための方針、全国国公私学学費値上げ阻止闘争の方針、更に平和運動、教育学園闘争、学生解放研運動、その各戦線の方針を確立する予定であった。全国の各級機関においてその準備は進められ、代議員の選出をも終了していた。しかし、一部常任委員は「常任委員会」を僭称して、同盟分裂をも招きかねない挑発行動を繰り返し、中央委員会、全国大会の開催をかたくなに拒否しつづけ現在にまで至っている。
このような事態の下で、第8回臨時中央委員会は、以下のことを確認及び決定した。
いまだ全国大会が開催されず、全国的政策、方針の提起決定すらなされていない現在、我々は、当面する教育学園をめぐる、平和運動をめぐる、部落解放運動をめぐる全国大会を開催すること、そして全国的政策・方針を具体的に練り上げて過程で、現在同盟内に存在する理論的、思想的対立を克服していく、その第一歩を踏み出すことが必要である。
そのために、早急に同盟第14回全国大会を開催する。
(a)第14回同盟全国大会は、本来の定期大会の任務に加えて、現在同盟内に現れている理論的、思想的問題の克服を、大衆闘争方針の確立と結びつけて行ない、今日の不幸な事態を同盟の統一と団結、大衆的発展の積極的なモメントに転化させることを任務とする。
しかし、我々に与えられている時間は限られており、無制限な議論は許されない。そのために今回の組織問題の全面的、深刻なかつ大胆な総括は○○べき大会(第15回大会)をできるだけ早期に開催することを前提として、その準備○○として14回大会を位置づける。
(b)大衆闘争の方針の確立とともに、それを担う指導部を確立することは○○である。一部常任委員によって踏みにじられた同盟指導部への信頼を回復するための努力は極めて重大である。我々は、このことを一部常任委員の政治的責任の追及と結び付けておこなうが、それは、彼らを排除することではなくて、深刻な自己批判とともに、彼らが同盟の原則的立場に復帰することを追及する。粘り強い働きかけの第一歩とするものである。
(c)これらの任務をまっとうするために、全ての同盟員に代議員資格を与え、大会の○○について発言、決議権を保障する。今日、当面する諸問題について同盟全体の認識を一致させ、諸困難の克服のための同盟一丸となった闘いを展開するために、大会を全同盟員総会とすることは不可欠の処置である。
(d)以上の諸活動を首尾よく行なうために、第8回臨時中央委員会は、第14回大会草案起草委員10名を選出した。大会草案起草委員会は、大会草案を第9回中央委員会に提出し、第14回同盟全国大会の準備のためにイニシアティブを発揮する。
<4 全ての中央委員は、第9回中央委員会に結集し、14回大会成功に全力を!>
(3)の確認の下に、14回大会準備、大会草案の検討を任務とする第9回中央委員会を、5月9日、10日(予定)に開催することを8中委は決定した。第13回大会選出の全ての中央委員は、これに参加する義務を有している。
<5 尚、8中委は、現情勢に鑑み、以下の特別決議を採択した。>
★核拡散防止条約の日本即時無条件批准を求める決議
★ベトナム・カンボジアに関する特別決議
※本文書は、ガリ版刷りであり、一部判読不明箇所は、〇〇と表示しています。