【コラム】 ひとりごと

【コラム】 ひとりごと

○小泉人気はすさまじいものがある。この点については、本号の生駒さんの投稿でも述べられている。確かに、森政権の時には考えられない「改革」政策を掲げている。小泉政権が長続きするかどうかわからないが、小泉人気のある内に少しでも、旧来の自民党政治の様々な政権維持システムの「破壊」が進めば、一面しめたものだと言う気がするのは、私だけだろうか。○道路特定財源の問題、さらに特殊法人の整理、公共事業の合理的削減など。小泉首相が政権を維持しようとすればするほど、自民党内に強力な基盤がないだけに、「国民的支持」を維持しなければならない。「永田町の変人」というコピーは、旧来の自民党政治に飽き飽きしている国民に直接訴えるメッセージだし、改革実現には国民の「ちから」を私(小泉)に、というのも、直接国民・有権者に訴えるメッセージだ。○そういう意味で、人気があるだけに、今後、有権者の監視も一層厳しくなってくるだろう。他方、少々不甲斐ないのが民主党ということになる。明らかに小泉の「改革」は、ほぼ7割位は、鳩山民主党の政策だ。無駄な公共事業の縮減しかりだ。おかぶを取られた感じは否めない。さらに、「指導者」としての党首イメージも、残念ながら、鳩山と小泉では、「庶民性」や「大胆さ」という意味でも、小泉の勝ち、ということだろう。○しかし、共通点もある。小泉につづく「改革イメージ」の自民党次期リーダーは存在しない。一方、民主党も、菅、鳩山に続く3番目のリーダーは、今のところ見当たらない。菅は国民的人気は一定あるにしても、議員の中では既に過去の人となっており、再登板はあり得ないらしい。民主党の今後については、機会を改めて論じてみたいが、都議選・参議院選挙の結果、そして小泉政権をめぐる様々な暗闘の中から、新たな政界再編の可能性も否定できない。○細川政権が圧倒的な国民的支持を受けながら、急速にしぼんだことは記憶に新しい。小泉首相がんばれ、という国民の声の裏側にある政治への「期待と不信」が、流れを決定することには変りはない。(H)

 【出典】 アサート No.283 2001年6月23日

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