【投稿】米中間選挙の結果と民主党の「財布」=仮想通貨取引所FTXの破綻
福井 杉本達也
1 米国は徹底的な金権選挙
米国の中間選挙が11月8日行われた。当初、「赤い波」が起きるといわれていたが、上院で民主党が50、共和党が49 議席になり、ジョージアの再選挙(12 月6 日)で共和党が勝っても、上院の多数は民主党に決まった。50:50 になっても、1 票をもつ議長の副大統領がカマラ・ハリス(民主党)であり、選挙前と同じ「民主党多数」となる。不正が多い郵便投票の身元確認すらできない。これが米国「民主主義」の実態である。共和党の上院のリーダー、マコーネル(反トランプ)は、激戦州の共和党候補の選挙資金を20 億円も取りあげTV宣伝ができないようにして、共和党の落選を増やした。
米国の金権政治は非常に深刻である。選挙は「1 人 1 票」ではなく、「1$1票」である。「政治=金=権力=支配」である。彼らは納税者ではなく、寄付者の利益に奉仕する。
2 仮想通貨取引所FTXの破綻
中間選挙2日後の11月10日、日経新聞は大谷翔平投手がアンバサダー契約を結んでいる「暗号資産(仮想通貨)交換業大手のFTXトレーディングが資金繰りに行き詰まり、同業最大手パイナンスによる救済買収に発展した。グループ内で保有資産を水増ししているのではとの疑念から顧客資金が流出した。」と報じた。翌日、バイナンスは買収を断念し、FTXは破産申請した。FTXのサム・パンクマン・フリードCEOが保有するる投資会社アラメダ・リサーチとグループ内でFTXが発行するトークン=FTTの貸し借りをして資産の水増しを行っており、実質上資産はゼロであり、とんでもない詐欺会社であることが明らかとなった。裁判所への提出資料によると、債権者は10万人以上、負債は100億ドル~500億ドルであるといわれる。FTXは2019年に設立され、個人顧客は全世界に100万人以上、全世界の仮想通貨取引の1割・1日150億ドルの仮想通貨の取り引きを行っていた(日経:2022.11.13)。
3 FTXと民主党との深いつながり
サム・パンクマン・フリードCEOの父親:ジョセフ・バンクマンはスタンフォード大学ロースクールの教授として勤務、弁護士としてキャリアを積んでいる。母親は民主党のコネクションがあり、弁護士でスタンフォード大学で法律を教えている。ヒラリークリントンの弁護士でもあった。バックマン=フリードCEOのガールフレンド:キャロライン・エリソンはアラメダ・リサーチ(FTX商社)のCEOで、父親(グレン・エリソン)はゴールドマン・サックスの元トップ弁護士であった。バンクマン=フリードは、2021年から2022年の選挙サイクルで民主党への2番目に大きな個人寄付者であり、投資家であり、ネオコンの実質的応援者・ウクライナ・マイダン・クーデーターの資金提供者でもあるジョージ・ソロスに次いで多額の寄付を行っていた(Moon of Alabama 2022.11.12)。
4 ウクライナとFTXのつながり
ロシアのウクライナ侵攻の中、FTXのバンクマン・フリードは、仮想通貨寄付プロジェクトの支援に名乗りをあげ、FTXがウクライナ財務省や他のコミュニティが同国のために仮想通貨寄付を集めるのを支援することを発表した。3月15日には「ウクライナ政府が、世界的大手暗号資産取引所「FTX」などと提携し、暗号資産の寄付に関するWebサイトを開設しました。…寄付は、ウクライナ軍と人道援助を必要としているウクライナの民間人を支援するために使用されされるとしており、ドルやポンドなどの法定通貨の寄付先も記載されています。」と述べられていた。ウクライナ政府は、世界中から6000万ドル以上の仮想通貨寄付を受け取った。
5 米国からウクライナに流れた「軍事援助」が民主党に回帰
FTXは中間選挙で民主党の候補者に少なくとも4000万ドルを寄付した。しかし、それはこの巨大詐欺の表面でしかない。ロシアと戦うために使用されたとされるウクライナへの数百億ドルのアメリカの「軍事援助」が、ウクライナがロシアと戦うために使用されず、代わりにFTXに投資した現金であった。米国の「軍事援助」を使用する代わりに、ウクライナはその一部またはすべてをFTXに「投資」した。そして今、すべての金がなくなった。ウクライナは米国から金を受け取り、ウクライナはそれをFTXに送り、FTXはそれを民主党に送った。これは、マネーロンダリングであり、選挙資金法に違反する犯罪である。つまり、ウクライナに渡った数百億ドルは、実はFTXの仮想通貨で民主党議員やエリートを買収するために、アメリカにマネーロンダリングされて戻ってきた。しかし、今その金はなくなり、中間選挙直後に、用済みとなった「財布」=FTXは破綻させられ、証拠隠滅を図った。
6 FTXの破綻によって金融危機は起きるのか?
日経新聞は「世界の暗号資産(仮想通貨)の時価総額が、叩日までの2日で約32兆円消失した。…価値の裏付けがない暗号資産は期待で価値が膨らみゃすい分、逆回転するともろい。市場は破綻の連鎖に身構え始めた。」(2022.11.11)と書く。『ビジネス知識源』は「FTX の破産の金額は最大でも10 兆円でしょう。当時の史上最大の破産だったエンロン(負債総額400 億ドル:5.4 兆円;2001 年12 月に破産)のときのような危機には、至らないと見ています(連鎖の規模は小さいからです)。…政府の規制が及ぶ銀行に対しては、自己資本に対するデリバティブの規制があります。ノンバンクに対しては、規制がないのです。…ノンバンク:ヘッジ・ファンド、インデックスファンド、仮想通貨取引所…等多数の基金的金融。総額では4000 兆円あると見ています。これが、金融危機の引きがねになります。」と書いている(2022.11.13)。仮想通貨のみでは金融危機にはならないであろう。
『ビジネス知識源』は「日本の投票システムは、投票用紙を、18 歳以上の戸籍に基づき政府が与える点では平等です。しかし人口に対する議員定数には自民党の都合による不平等があります。選挙委員会での集計には、時折、不正があることが噂されますが、米国よりはずいぶんマシでしょう。」と書く(同上)。