【投稿】トランプ暴走:対イラン「彼らを瓦礫の山まで爆撃する」

<<「昨日は徹底的に攻撃したが、今日もまた徹底的に攻撃する」>>
6/10(水)、トランプ大統領は、「米国は本日、イランに厳しい打撃を与える」と発言、ホワイトハウスの大統領執務室で記者団に対し、「昨日は徹底的に攻撃したが、今日もまた徹底的に攻撃するつもりだ…テレビをつけないなら、その様子を見ておくといい」と語り、さらにイスラエルのテレビ局チャンネル13に対し、「イランに対するさらなる攻撃が間もなく予想される。昨夜見たものよりもさらに大規模なものになるだろう! さらに、イランの発電施設を攻撃するという現実的な選択肢も存在するだろう」などととまくしたてている。合意に至らなければ、明日の夜も「彼らを瓦礫の山まで爆撃する」と宣言したのであった。
 そして、イスラエルもイランへの攻撃を開始したと、イスラエルメディアが報じている。

トランプ氏は、「合意がなければ徹底的に爆撃する」と述べているが、「合意」の大前提である停戦を自らぶち壊し、大規模な爆撃に暴走をして、何をか言わんやである。まったくあきれ返った暴君そのものを露呈している。

イラン外務省のエスマイル・バガイ報道官は、米国が「矛盾したメッセージ、頻繁な立場と要求の変更、そして度重なる停戦違反」によって外交プロセスを「阻害している」と改めて非難、現時点では「外交を効果的に遂行するために必要な最低限の良好な条件」すら整っていないと指摘したのは当然だと言えよう。。

米中央軍司令部CENTCOMによると、「米軍は本日午後5時15分(東部時間)、最高司令官の指示に基づき、イラン国内の複数標的に対し追加の自衛攻撃を開始した。」と発表、米軍は、ホルムズ海峡付近のイランの防空システム、地上管制所、レーダー施設を戦闘機が攻撃する作戦を完了したと発表。さらに米軍の空爆は、イラン中部のイスファハンと北東部のゴルガン港にまで拡大、イラン南部のバンダルアッバス、シリク、ミナブ、ゲシュム島への攻撃も継続され、イラン南部のカルガン海軍基地も3~5回爆撃、米当局者によると、イラン南部への攻撃は数百カ所を標的とし、数時間にわたって続く見込みだという。
米軍の空爆は、世界最大の天然ガス田であるブーシェフル州アサルイェのサウスパルスガス複合施設を爆撃。

イラン南部への攻撃は数百カ所を標的とし、数時間にわたって続く見込みだという。

米軍の爆撃は、イランのシリクにある淡水貯蔵タンク2基までをも攻撃し、近隣の村々では、2万戸から3万戸が飲料水不足に陥っていると報じられている。これが事実だとすれば、米国はイランに対し、米軍基地が設置されている国々に対して全く同じことをする許可を与えたということになろう。

<<世界経済は深刻な事態に直面する>>
こうした事態の悪化に対して、イランのペゼシュキアン大統領は、「空爆や爆撃によって国家を降伏させることは不可能である。ガザは規模こそ小さいものの、3年経っても降伏を強いられてはいない。彼らはイランを降伏させることもできないだろうし、我々は決して降伏しない」と述べ、 「重要インフラは国民の生命線である。交通網から電力・水道産業に至るまで、それらを標的とする脅威は、力の誇示ではなく、国家の意志を前にした絶望の現われである。イランは、専門家の知識と能力、国民の団結と連帯を頼りに、いかなる圧力や脅威にも断固として立ち向かうものである」と、改めて「断固として立ち向かう」決意を再確認している。

今回の米軍の攻撃を受け、イランは再びホルムズ海峡を「あらゆる種類の船舶」に対して閉鎖すると宣言。「この瞬間から、地域の治安悪化のため、ホルムズ海峡は石油タンカーや商船を含むあらゆる種類の船舶の航行が禁止され、あらゆる航行が標的となる。」と声明。イランは、ホルムズ海峡で「閉じ込められている」米国の船舶に対する攻撃を開始したと発表、イラン海軍の高速攻撃艇がホルムズ海峡全域に機雷を投下し、海峡を封鎖しているとの報告が入っている。

さらにイランは、「正当防衛の固有の権利」を行使するとして、周辺諸国に対し、米国とイスラエルがイランへの攻撃拠点として自国領土を利用することを許さないよう警告。イラン国営放送IRIBは、イラン革命防衛隊がヨルダンのアル・アズラク空軍基地にあるF-35戦闘機格納庫や米軍司令部など、米国の標的4カ所にミサイルを発射したことを明らかにした。

イランは、米軍の攻撃への報復として、湾岸地域にある21以上の米軍基地を攻撃し、3200万ドル相当のMQ-9無人偵察機を撃墜したと発表している。
1) クウェートのアリ・アル・サレム
2) バーレーンの第5艦隊海軍司令部
3) バーレーンのイサ空軍基地
4) カタールのアル・ウデイド空軍基地(CENTCOMの前線司令部であり、F-16戦闘機、F-15戦闘機、大型輸送機が駐機)
5) アラブ首長国連邦のアル・ミンハド
6) アラブ首長国連邦のアル・ダフラ基地のTHAADレーダー
さらに、イスラエルメディア Ynetヘブライ語版の報道によると、ホルムズ海峡でイランのミサイルがアメリカ海軍の駆逐艦に命中したとの報告が多数寄せられている。

さらに、米軍による飲料水貯蔵タンクへの攻撃は、イラン国営放送IRIBによって確認され、イランは湾岸地域のすべてのエネルギーインフラを直ちにミサイル攻撃下に置くと警告している。湾岸地域が90%以上を依存している海水淡水化インフラが特に主要な標的となり、これらの湾岸諸国の海水淡水化プラントのいずれかが攻撃を受けた瞬間、それらの国は事実上、機能する国家としての存在を失うことになる事態が現実のものになろうとしているのである。海水淡水化プラントかエネルギーインフラが標的となれば、もはやホルムズ海峡再開に向けた合意の望みは全く無意味となるであろう。この基幹インフラが攻撃対象となれば、中東からの石油供給は 何年も途絶えることになる。原油相場の急騰では済まない、当然、世界経済は数ヶ月以内に完全に深刻な事態に直面するであろう。

今回の米軍による無謀な戦闘の拡大は、4月に停戦合意が成立して以来、最大の激化となり、その影響の深刻さは計り知れないものとなる可能性が大である。

(生駒 敬)

 

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