【投稿】統一地方選挙前半戦を終えて–大阪から–

【投稿】統一地方選挙前半戦を終えて–大阪から–

 統一地方選挙の前半戦は、13日の投票日で終了した。すでにマスコミは知事選・都道府県議員選挙結果に見られた「政党離れ、無党派主導の政治状況」の分析を行っているが、今回の選挙全体をどう見るかは、次の機会にしたい。
 大阪では横山ノック騒動で知事選は来年の2月となったので、前半戦は府会議員選挙・大阪市議会議員選挙のみであった。結果は、全国的な傾向とそう変わりはない。府議会の場合、議席で言えば、自民党が若干議席を減らし(43→40)、民主(11→18)、公明(22→23)と躍進し、共産(12→9)が議席を落としている。数字で見れば、民主党が単独でも7議席を増やしているが、府議会の会派ベースで行けば、無所属当選議員の10名程度は統一会派民主ネットに合流するので30名弱となり、社民の2を加えると30を越え、府議会の25%を超える勢力になるわけで、大きな躍進を果たしたと言える。当選した顔ぶれを見ていると、社会・民社時代からの現職は少なくなり、94年の旧民主党結成以後に当選を重ねてきた議員が取りこぼしもなく当選し、且つ40才代の新人が進出している。
 他方で、退潮が際立っているのが共産党ということになる。大阪府知事選挙と連動していた前回ならば、オール与党対共産候補という図式でもまだまだ危機感を感じることもあったが、今回のような状況ならば、その気配もない。選挙前から自民党はかつて公明・創価学会を叩いていたようなやり方で「民医連」を叩いてきた。2年前の堺市長選挙に共産党が単独候補を出せなかったことがターニングポイントになったのか、どうか。なぜ、共産党が退潮しているのか。無党派にウインクをしてきたつもりだろうが、残念ながら振り向かれていない。「拉致」問題での公明のキャンペーンが効いているのか、どうか。
 危険を感じるのが、公明の動向だ。北海道知事選挙の直前での自民支持といい、自民・公明の「与党体制」というよりも、公明自身の与党執着傾向が強まっているように思える。小泉のイラク戦争支持姿勢への同調や「大臣病」に取り付かれた姿勢は、自民党弱体化の中での「かけがいのない盟友」として固定化しつつあるのではないか。連合大阪とウラの選挙協定も存在しているとの事だが、騙されてはいけない。
 そしてやはり重大なのが、投票率の低下が止まらなかった事だ。今回知事選挙と離れたことがあったにせよ、40%前後の府民しか投票に行かなかった。
 近県に目を向けると、争点が明確だったのが徳島県であろう。在任11ヶ月の少数与党知事を多数野党の自民党が不信任決議で失職させた。まさに県政が問われた県会議員選挙となり、吉野川可動堰計画に反対した市民グループが3名の県会議員を当選させて、さらに5月知事選挙を迎えようとしている。福井でも脱原発が大きな争点となった。無党派知事が増えているということは、政策が鮮明であるからである。
 地方分権を支えるのは、明確な分岐点への意思表示を行う市民自身である。今回の統一地方選挙は、部分的ではあるにせよ、市民の政治参加・地方分権への意思表示の場となったのではないか。(佐野秀夫)

 【出典】 アサート No.305 2003年4月19日

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