【投稿】金丸逮捕に感じる怒り
金丸逮捕から起訴という一週間の動きのなかで感じたことを投稿します。
<突然の逮捕に「検察もやるやないか」>
三月六日の土曜日の夜、テレビを見ていると緊急ニュースのテロップが流れました。「金丸元副総裁逮捕!」と。どういう経過で逮捕に至ったのかは分からないが、私の脳裏には昨年の五億円献金問題での検察当局の「特別扱い」-一五億円の不正な献金を受け取っていながら、取り調べも受けないで二○万円の罰金で済んだこと--が浮かびました。世論の厳しい反応の中で検察当局の権威は完全に地に墜ちたこと。金丸はその後、政界引退に追い込まれたとはいうものの、七八才という年齢からすると、この引退も「時期が来ただけ」という印象でした。それ故、「逮捕」ニュースの最初の感想は「名誉挽回のため、検察もやるやないか」というものでした。
<政治家が巨額の富を築くため一政治家の目標>
この一週間というもの、毎日、金丸の(隠し)資産が報道されてきました。今日(一四日)の段階で(亡夫人からの相続財産を加え)一00億円!、隠し金庫に金の延べ棒、私達サラリーマンの生活とは桁が違いすぎており、「政治家は金儲けの為にやっている」という国民の疑惑に対して、その実態は想像以上であることを明らかにしました。
同時に、金丸が振っていた「利権ポスト」(既に退いた自民党道路調査会長、日本戦略研究センター会長、今後交代するであろう全国治水砂防協会長、日本バス協会長)を巡り、後継者たちが群がってきているらしい。自民党政治家がいかに金丸批判をし、金権政治を批判してもしらじらしく感じ、彼らもまた、これらのポストや大臣の地位に群がりたい「魅力」を感じているのです。
<全ての政治家が戦々恐々とするような
「改革」や検察のチェックを!>
汚職やヤミ献金問題がでてくる度に国民世論は怒り、野党はそれを追い風にして比較的優位な選挙戦を進める、という流れを感じます。しかし、リクルート事件、佐川疑獄など度重なるうちに「政治には金がかかる」「金が集まるのはカのある証拠」という開き直った論調もでています。
これまで、政治献金は非課税の聖域で、それを口実にした金儲けはかなり行われているようで、元閣僚秘書も「法律にきちんとあてはめられたら、全員アウトだ」という実態が現実と思います。それ故、金丸に対する検察の徹底的な究明を期待するとともに、それを通じて全ての政治家が枕を高くして寝られないような事態になることを願っています。
(大阪 森田)
【出典】 青年の旗 No.185 1993年3月15日