青年の旗 1982年2月1日 第60号

青年の旗 1982年2月1日 第60号

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【主張】 82春闘と労働者階級の任務

<ストなし春闘の克服を>
ナショナルセンターと主要単産の賃上げ要求基準案が出そろい、八二春闘の本格的始動が告げられた。
八二春闘は、労戦統一準備会発足という日本労働運動の転機を迎えて闘われる最初の春闘であり、同時にまた、数年間にわたる労働側の連敗に終止符をうち、前進への足がかりを築きあげるための重要な意義をもつ春闘である。この闘いに勝利しえるか否かは、今後の日本労働運動にはかりしれぬ影響を及ぼすことになろう。あらゆる力を結集して八二春闘に臨むことが要請されている。
労働四団体は、今年の賃金要求基準を九%とすることで合意した。民間主要単産においても、すでに要求提出を行なった海員組合を筆頭にして、次々と要求案が発表され討議を開始している。要求の内容は海員の十一・九%、鉄鋼の八・四%などを除くと、大部分が九%台から十%台に集中している。また官公労も相ついで要求基準案をまとめ、ほぼ十二%前後の中味を示している。これらの要求は、昨年と比べ一%前後ダウンしており、消費者物価上昇率の低下を反映したものとなっているが、一方で、賃金自粛論が根強く尾を引いていることも物語っている。
しかしながら、ここ数年間の事情が示しているように、最も緊切な問題は要求の高低にあるのではなくて実質賃金の低下を防止し、その向上の現実にかちとれるか否かに存在している。即ち、春闘を勝利に導くための運動のあり方と闘いの質そのものが問われていると言えよう。資本の結束を打ち破り要求を貫徹するためには、昨春闘に見られるようなスト回避を厳しく見つめ直すことが求められている。政府・独占が一体となった官民分断攻撃をはね返すだけの、労働側の強い結束と闘う姿勢を築きあげねばならない。

<反行革・減税闘争との結合を>
八二春闘は、大衆収奪を目的とした行革攻撃の激しい展開の中で闘われようとしている。この行革は労働者を含む勤労大衆への極端な負担転嫁をその根底に有している。それは昨春闘で得たわずかの成果をも吹きとばし、労働者の生活を危機に追いやるのに十分な効果をもっている。広範な勤労大衆との統一した闘いの中で、労働者階級は行革路線との対決を成しとげなければならない。これは八二春闘の中で避けて通れぬ課題となっている。
同時に盛りあがりつつある減税のための闘いも、労働者の重要な課題となっている。一兆円減税の要求で合意した労働四団体は、野党にそのための強力な闘いを要請している。今日、減税をめぐる問題は、賃上げとも絡んで、不況からの脱却に悩む支配者階級の分岐を著しく促進している。労働者階級の統一した闘いが成功するならば、この分岐にさらに深いくさびを打ちこみ、生活防衛の聞いに大きな前進をもたらすであろう。また、後退を重ねてきた労働運動が攻勢へと転じ、八二春闘を有利に闘うための貴重な転機となろう。労働者階級は、反行革・減税のための闘いを自らの賃金闘争と結びつけて闘うことを求められている。

<セクト主義を拒否し広範な労働者の結束>を
八二春闘を迎える資本の側は、大幅貨上げをあくまで拒否し、四%程度の賃上げをもって労働側の攻勢を乗り切ろうとしている。今春闘では、過去にみられたように資本の結束の璧を前にして労働側が分散して敗れた例をくり返してはならない。そのために必要なことは、分断を許さぬ官民の一致した闘いであり、相場形成に大きな意味をもつJC回答への労働側の包囲作戦であり、ストライキを貫徹し、闘い抜くだけの運動主体の構築である。
労戦統一への前進を、真に春闘の中における労働者の結束で勝ちとることこ、そが重要である。「統一労組懇」が訴えるような独自春闘・独自闘争では、戦線を分断しこそすれ、労働運動の力を高めることには決っしてならない。一切のセクト主義的対応を拒否し、統一した労働者の力で八二春闘を成功させるよう、今こそ全力を尽くそう。
八二春闘勝利へ前進しよう!

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