民主主義の旗 第24号 1965年5月10日

民主主義の旗 第24号 1965年5月10日  PDF版
民主主義学生同盟全国委員会発行 

【主な記事】
☆ 米のベトナム、ドミニカ侵略に抗議の嵐全国の学友は統一して闘おう
☆ 民学同 第三回全国委開く
【主張】 五月闘争と我々の課題

米のベトナム、ドミニカ侵略に抗議の嵐全国の学友は統一して闘おう
     5.20行動に結集、徹底的なクラス討論を基礎に

 ベトナム情勢は、米帝国主義が北爆を続ける中で、他方平和交渉を呼びかけるという矛盾に満ちたものでありながら、基本的にはベトナム侵略の方向は変っておらず、日本独占は階級的利益擁護のためこれに積極的支持を与えている。また、ドミニカに対して、破廉恥な侵略行動を起した。一方、日韓会談も、正式調印をひかえて、最終段階に入りつつある。
  しかし、同時にベトナム戦争反対の国際的世論はもりあがりつつあり、日本国内の反対運動は高揚のきざしを見せている。しかし決定的な弱みはまだ全国的統一行動が行なわれていないということである。
 このような情勢のなかで今こそ平和と民主主義を守ろうとするすべての学友が結集しうる行動形態をもち、統一の旗を高くひるがえらせた全国学生統一行動がもたれねばならない、「原潜日韓共闘」は、五六月闘争の突破口として、五・二〇全国統一行動を提起し、徹底的なクラス討論と学内共斗の確立に支えられた学内意思の総結集の場として、平和を愛する全国学生の勇気ある行動の場として五・二〇闘争を闘うことを全学友に呼びかけている。

 アメリカ帝国主義のベトナムとドミニカに対する軍事的侵略とデタラメな行勤に対して、世界各地において、広範な反対行動が行なわれ、平和を望む声は今や世界の世論の多数派となっている。
 日本国内においても、日韓会談のもつベトナム侵略加担の本質を見ぬく中で、侵略戦争反対の行動が高揚しつつある。

 学生二万人のデモ (アメリカ)
 四月十七日、約二万人の学生、平和団体等が「ベトナム戦争即時停止」を要求し、ワシントンで圧倒的なデモ行進を行ない、米政府の政策非難の声を上げた。これは、全米での一連の抗議行動の一環として「民主的な社会を求める学生たち」によって組繊されたも
のであり、米国内での批判勢力は今や大きな力になりつつある。

 全米で抗議授業
 三月二十四日以降、米国有力大学において、ベトナム政策に抗議する新戦術〝抗議授業″が始められた。これは教授達が真夜中から徹夜で学生、一般市民約2000名を集め、政治経済各分野にわたって、米政府のデタラメな政策を批判するものである。

 四・二八統一行動行なわる

 南ベトナム戦争政策反対の運動が高まる中で、各地で沖縄返還デーが闘かわれた。
 4月27日には阪大工・理医学部で、28日の行動に連帯し、抗議集会が持たれ約五百名の学友が結集した。
 28日大阪府学連は5月闘争への一歩として私鉄ストにも拘らず、府民集会に結集した。京都府学連では、同志社、京大を中心に千名の学友を結集し、大規模な闘争への歩みを始めた。

 民学同より学生諸君に訴う
 米帝の戦争政策、侵略行為、日本政府の日韓会談等を通しての加担に対して、反対意思の結集が行なわれつつある。
 しかしいまだ全国統一行動が行なわれておらず、このことが平和に対する学友の広範な要求と行動のエネルギーを正しく組織するための障害となっている。
 五、二〇行動を成功させるためには、原潜日韓共闘と私設全学連との行動の統一がぜひとも必要であり、わが同盟はその実現をめざして最大の努力を行なう。
 全同盟員、支持者諸君はただちにクラスにおいて徹底的な政治討議を組織し、学内共闘の確立をめざして先進的に活動されることを訴える。
 四・二〇行動を圧倒的学友の参加で成功さそう。
 民主主義学生同盟全国委員会

 原潜・日韓共闘よりアピール出る
 緊迫するベトナム侵略戦争、アジアの戦争の危機と日韓会談五月調印に対する全国的な学友の統一闘争のよびかけが五月三日「原潜阻止、日韓会談阻止全国学生共闘会議」拡大幹事校会議(出席、京大、阪大、神戸大、立命大、東大C、早大、法政大)において決定
された。
(要旨)現在の学生戦線の特徴は、第一に運動の地方性、分散性にある。大衆的に昂揚の萌芽をくっきり示してはいるが、全国的に統一され、反政府全国闘争として集約されていない、第二に「私設少数派全学連」の自治会による分裂行動は大阪、京都の各大学内部においても決定的に組織的分裂にまで深化していること。
 我々の実践的最大の課題は、全国的統一闘争の実現へのへの努力を、「原潜日韓共闘会議」において貫徹し、全国的統一闘争として、五・二〇を成功するべく準備し、私設全学連の自治会に対する強力な統一への働きかけに最大限の努力を払う事にある。
 かかる任務を基礎的に可能にする条件を、統一闘争を要求する学友の深い統一の要求に立脚し、底の深いクラス討議を行い作り出し全学友の文字通り参加出来る充実したクラス内における政治討議の煽動者、組織者として活動することである。
(スローガン)
・北爆を中止せよ。
 ・アメリカはベトナムから出て行け。
・佐藤政府は戦争協力をやめよ。
・日韓会議反対。

<民学同> 第三回全国委開く
 第三回全国委員会は四月二十三日、大阪で開かれ、当面する情勢と五月闘争の方針、財政問題について討論し決定した。五月二〇~六月上旬を日韓調印阻止闘争としてベトナム闘争と結びつけて闘う必要のあること、ベトナム闘争についてほ五月上旬からデモ、集会を含む波状的な統一行動を組織してゆく、二〇全国統一行動、調印当日の全国統一行動等が提起された。
 さらに財政活動、機関紙活動の強化が言われ、討議の後閉会した。

【主張】 五月闘争と我々の課題
日韓会談のベトナム侵略加担の暴露と討論を徹底しょう

 米国は、ドミニカの民族解放遅勤に対して一万四千人の侵略軍を上陸させ、人民の意思を銃剣で押しつぶそうとしている。米国は、それを米国市民の生命を守るためであると弁解しているが、いままでに何度も使い古したまやかしの口実であることばもはや明らかである。米国がドミニカでとった行動は、ヴェトナム、コンゴ、パナマ、キューバでとった行動と同じであり、血まみれの独裁維持のための破廉恥な内政干渉であり、あの悪名高き帝国主議政策-砲艦外交の繰り返しである。
 アジア、南米における民族解放運動の進展とドル危機の中で、米国は座すれば死、待てば崩壊に直面して最後のあがきとして危険きわまりない戦争の道を選んだ。

 アメリカのヴェトナム、ドミニカ侵略に抗議を!
 ベトナムにおけるアメリカの非人道的行為に対して世界各地の平和運動ほ激しい抗議や糾弾のデモを続けている。だが「これまで行なわれてきたことは、今後行なわねばならぬ行動に比べてみた時、無にも等しいものであります」 (バナール)。全世界の全ての平和勢力は、アメリカの野蛮な忌むべき行動を最終的に葬り去るために全努力を傾注しなければならない。
 二月七日の北爆以来、確かに、「私たちは安保以来全く久し振りに国民の多数派になった」 (日高六郎東大教授)といえるかもしれない。殆んどの国民ほ米軍の進撃行動を支持してはいない。だが四月七日夜のジョンソンの 「無条件討議」の演説に対して、マスコミをはじめ少なからぬ人々がそれを歓迎し、積極的に評価したことを看過することばできない。翌日の「無条件」北爆の続行によって「無条件」の本質はたちまちにして明らかとなったが、現在の世論のたかまりが見せかけの平和政策、それに付随する世論操作にきわめて無力であり、危険な方向にさえ傾さかけやすい面をもっていることを示した。
事実、ヴェトナム問題の〝多数派″は北爆を起点として南北ヴェトナムに対する米軍の軍事行動に反対という点で一致しているにすぎない。そこから先は、日米関係を心配する親米派もあれば、意識的な反帝勢力もある。
 このことば、ヴェトナム戦争に対しては、最も広汎な統一戦線を組織し得るしまたしなければならないことを示している。
 と同時に、我々がこの自然発生的に盛り上った世論に安易によりかかっていてはならないことを教えている。ヴェトナム戦争反対の世論が、アジアの平和と日本の平和的発展を実現する力となるかどうか、われわれが真の”多数派”となるかどうかは、一に次の点にかかっている。佐藤政府、独占のヴェトナム戦争の積極的加担、ヴェトナムと日韓の密接な関連についての理解を喚起し、日韓五月調印阻止の大衆的行動を組織しえるかどうかにかかっている。学生戦線の指導的部隊の中にも、ヴェトナム戦争の抗議をアメリカ一本にしぼるとともに日韓会談についてのクラス討議を大胆に提起することを意識的におこたっている現在このことば特に強調されるべきである。
 また現に「アジア人がアジア人同志で戦う」ために南ヴェトナムに大量派兵している韓国政府との交渉妥結を急いでいる。日本の支配層は、すでに台湾との間に出来上っている新「開発」関係に似た状態に韓国を押し込め、韓国軍六〇万と台湾の蒋介石軍五〇万を日本の自衛隊三〇万と統合し、束北アジア軍事同盟を作ろうとしている。
 佐藤政府は、五月日韓調印、内閣改造による強力挙党体制を確立し、われわれへの全面的対決の準備を進めつつある。
 かかる時、三矢研究の次の言葉はきわめて現実性をもっている。
 「現下の情勢、とくに朝鮮半島における武力戦の進展にかんがみ、共産陣営からの直接の侵略が遠からず我国に対しても生起することば、もはや免れ得ないものと判断される。よって政府ば…次によってわが国策を推進することに決定した。①、自由陣営諸国との友好関係を増進し、なしうれば韓国との国交回復をはかる。②、日米安保条約の適切な運営を期する。③、侵略に対処するための自衛隊の態勢をすみやかに整備するとともに遂次その能力を強化する。④、警察等治安関係機関の能力を強化するとともに、国民防衛態勢を整備する、⑤、国民の防衛意識を高揚し、国内革命勢力を排除し、官民一体の防衛態勢を確立する。…」

 

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